桜庵の箏日記 ~三味線体験してみませんか(その2)~
日曜日担当、箏・三絃大好き「桜庵」です。
三絃(三味線)体験の続きです。
今日は、「さくらさくら」 の演奏に挑戦してみましょう。
まず、調弦。
三絃にも、基本的な調弦がいくつかありますが、今日は
「本調子(ほんじょうし)」の
「D・G・D」
に調弦しておきました。
では、先週確認したように三絃を構えて、撥(ばち)を持ってください。
「指すり」 も忘れずはめてください。
3本の絃を、1本ずつ弾いてみましょう。
楽譜では
一番手前の太い絃「Ⅰの糸」の開放弦は「イ一」、
真ん中の中くらいの太さの「Ⅱの糸」の開放弦は「一」、
1番向こう側の細い絃「Ⅲの糸」の開放弦は「1」
と書いてあります。
「イ一」 「一」 「1」
撥を当てる位置は、胴の木枠と皮だけの部分の堺あたり、半円の「撥皮(ばちがわ)」が貼ってある場所です。
ギターのように絃を横向きに弾くのではなく、太鼓のように撥で軽く皮を打ってください。
「ボン(VON) ・ ドン(DON)」ではなく、
軽く 「ポン(PON)」と打って、打った反動で撥を上げてください。
指導者によっては「皮に当たらないうちに上げる」という人もいるくらい、撥の重みを使って瞬間的に音を出します。
撥は柔らかく握って(人差指と親指には力を入れない)、手首をうまく使ってください。
3本の絃は太さが違いますから、少しずつ力加減を変えます。
これだけで、数年の修行が要りそうです。
私も、未だに満足な音が出せません。
では、開放弦を、3回ずつ弾いてみましょう。
「イ一、イ一、イ一」
「一、一、一」
「1、1、1」
少し、慣れてきましたか?
次に進んでみましょう。
開放弦以外の音は、左手の人差指(場合により中指や薬指)の爪で、勘所(つぼ)を押さえてつくります。
ギターのようにフレットがありませんから、耳と経験が必要です。
今日は、「つぼシール」(1、2、3、4,♯4、5、・・・)を貼っておきました。
楽譜では、
「Ⅲの糸」では「1,2,3,4,♯4、5、6,7、8,♯8、9、×、1、2、3・・・」、
「Ⅱの糸」では「一、二、三・・・」、
「Ⅰの糸」では「イ一、イ二、イ三・・・」となります。
では、「さくらさくら」の演奏に入りましょう。
楽譜を見てください。
では、さっそく、楽譜どおりに、弾いてみましょう。
「五」(Ⅱの糸の⑤)、「五」、「1」(Ⅲの糸の開放弦)、「◎」(本当は音が伸びている記号なので、余韻を聞いてください)、
「五」、「五」、「1」、「◎」(聞く)、
「五」、「1」、「2」(Ⅲの糸の②)、「1」、
「五」、「1、五、二」(Ⅲの糸の開放弦を弾いたあと、Ⅱの糸の⑤を弾き、②へすばやく移動させて弾く)、「◎」、
「一」(Ⅱの糸の開放弦)、「イ二」(Ⅰの糸の②)、「一」、「二」(Ⅱの糸の②)、
「一」、「一、イ二、イ一」(Ⅱの糸の開放弦を弾いたあと、Ⅰの糸の②を押して弾いて、離して弾く)、「◎」
「五」「五」「1」「◎」。
・・・・・・・・・・・・
「一」、「二」、「1、五、二」
「一」、「◎」、「◎」、「〇」(二拍余韻を聞いて、最後の一泊は休符)
すばらしい!
弾けましたね。
「さくらさくら」 のメロディ-が聞こえてきました!
次は、ぜひ、どこかで実体験をしてください。
そういえば、以前、アメリカ人男性でベースギターを弾いているという人に 「三味線体験」をしていただきました。
その人は30分ほどで、「さくらさくら」が弾けるようになりましたので、人によっては、三味線演奏も、それほど難しいことではないかもしれません。
ただ、その時勉強になったのは、
『指すり』 は、よほど大きなものも用意しておかなくてはいけない。
ということでした。
では、また来週! 桜庵でした。