読み始めて、人間関係の複雑さがなかなか頭に入らず、巻末の「系図」や「注釈」を見ながら、あちらをみたりこちらを見たりして、なかなか前へ読み進めません。
どうも、章を追って読んでいくと、話が平家滅亡の場面に飛んだり、その時点に飛んだりで、回想場面なのか今現在なのかゴッチャになってきます。
以前、読んだ「吉村昭版」の平家物語は原作に忠実に時系列通り書かれていますが、これは林真理子さんの思い入れなのか、時間が飛ぶので要注意。
吉村版では、平清盛からはじまって政治や戦闘場面が主体で進んで行く男性版の平家物語でしたが、こちらは建礼門院徳子、二位尼時子、後白河法皇、阿波内侍などを主役にして女性版平家物語といえます。
丁度、現在NHKの大河ドラマ「光る君へ」が放映中ですが、天皇が幼少の頃、年上の女性と結婚して、妊娠できたかできないか、一喜一憂する場面がありますが、林真理子版の平家物語では天皇が11歳で即位、その奥方が16才とか年上のケースで、誰が天皇にセックス指導するのかが明らかになります。
天皇となる幼児には乳母(めのと)という女性が添い寝して、元服までに性の指導をするのだそうです。
最後は建礼門院を北白川法皇が訪ねるところで終わるのは、この林真理子版でも吉村昭版でも同じです。
ただ、吉村昭の方で私が書いたレビューには「源平時代の日本人は首狩り族か」などと戦争場面の残酷さを批評していますが、こちらは「寝屋で紡がれる歴史物語」の感が強いです。
読み終わって、頭の中の時系列が混乱したままです。
良く理解するためには二度読みする必要がありそうです。

 

 

 

平清盛

 

 

建礼門院(平徳子)

安徳天皇の母

 

 

 

壇ノ浦の戦いの

源義経