「青葉茂れる櫻井の」

作詞:落合直史

作曲:奥山朝恭

(奥山は江戸旗本の子で明治初年海軍鼓笛隊から

軍楽隊に入り音楽取調掛奉職兵庫県立師範学校教諭

となり、在職中本曲を作曲した)

歌はダークダックス

 

 

楠木正成(大楠公)の絵本

 

 

楠木正行(小楠公)

 

 

 

皇居前

楠木正成の銅像

 

 

鎌倉幕府滅亡後、後醍醐天皇は建武の新政を開始し、朝廷政治の復権を図ったが、不満を抱いた足利尊氏が離反し戦となった。

天皇方の武将・楠木正成はこれを迎え撃ったが、迫りくる10万の大軍に死を覚悟し、桜井の駅(現:大阪府三島郡島本町桜井1丁目)で息子に今生の別れを告げた。これが有名な「桜井の別れ」の場面である。

 

 

一.
青葉茂れる桜井の
里のわたりの夕まぐれ
木(こ)の下陰(したかげ)に駒とめて
世の行く末をつくづくと
忍ぶ鎧の袖の上(え)に
散るは涙かはた露か

二.
正成涙を打ち払い
我子(わがこ)正行呼び寄せて
父は兵庫へ赴かん
彼方(かなた)の浦にて討死(うちじに)せん
汝(いまし)はここまで来(きつ)れども
とくとく帰れ故郷へ

三.
父上いかにのたもうも
見捨てまつりてわれ一人
いかで帰らん帰られん
この正行は年こそは
未だ若けれ諸共(もろとも)に
御供(おんとも)仕えん死出の旅

四.
汝をここより帰さんは
わが私(わたくし)の為ならず
己れ討死為さんには
世は尊氏の儘(まま)ならん
早く生い立ち大君(おおきみ)に
仕えまつれよ国の為め

五.
この一刀(ひとふり)は往(いに)し年
君の賜いし物なるぞ
この世の別れの形見にと
汝にこれを贈りてん
行けよ正行故郷へ
老いたる母の待ちまさん

六.
共に見送り見返りて
別れを惜む折りからに
復(また)も降り来る五月雨(さみだれ)の
空に聞こゆる時鳥(ほととぎす)
誰れか哀(あわれ)と聞かざらん
あわれ血に泣くその声を