紀元前300年代にマケドニアからペルシャ、インド西部(現在のパキスタン)、北アフリカまで一代で征服して31歳で亡くなったアレクサンドロス大王の一代記。
著者によれば、アレクソンドロスについて書かれた伝記は数えきれないくらいあるが、事実と創作、現実と神話が交錯して、なかなか本当のところは分かりにくいようだ。
第一章、第二章は時代背景についての叙述でいささか退屈だが,第三章 アレクサンドルの登場あたりから俄然話は面白くなってくる。まるで虚実を混ぜ合わせた英雄豪傑の講談本でも読んでいるような具合。
そのアレクサンドロスもバビロンの攻略後、熱病にかかり10日ばかりでアッサリ死んでしまう。500ページの本書の半ば、250ページ目当たりである。「えっ、もう死んじゃうの!」っていう感じだ。
それからの後半は、アレキサンドロスの後継者争いの詳細、彼が歴史に果たした役割などが延々と続くので、後半は読み飛ばしてしまった。
本書を読んで、へぇそうなのかと思った点が幾つかある。数万の部下を引き連れて長期の遠征にでかけるので、部下の間には、同性愛がかなり広く行われていたこと、征服地で民心を捉えるために遠征軍と被征服民族との間に集団結婚式が頻繁に行われたこと、これほどの大人物にしても政治にはやはり側近者の提言を重くみていたことなどである。
今から2400年も前の話だが、本書を読んで昔の人々も我々と変わらぬ人間であることを痛感した。
なお、盛んに地名が出てくるが、位置関係はスマホで確かめながら読み進めた、また人名も覚えきれないほど沢山出てくっるが、覚えられないものはそのまま読み進めることにした。