はじめに。この度の低反発バット導入を受け、打力(攻撃力)より投手力(守備力)を評価した格付けとなっている。

そのため常総学院や豊川、神村学園といった打撃型のチームの評価がやや低めに設定されたり、逆に八戸学院光星や報徳学園といった明らか貧打なチームが投手力を理由に許されたりしている。


納得できない部分多いかもしれないが、ぜーーーんぶ低反発バットのせいなのでご理解頂きたい。


【北海道】

・北海 B評価

背番号11を付ける1年生右腕松田の快投が光る。打線も片岡、宮下ら昨夏甲子園を経験した野手が牽引するも、神宮大会では低反発バットに適応しきれず。

春までに改善されれば新戦力の吉井ら選手層の厚さ踏まえて不気味な存在になりそう。


【東北地区】

・青森山田 B+評価

関・櫻田のW右腕エースがチームの柱。打線もスラッガー原田を中心に、對馬らリトルシニア時代に全国優勝を経験した野手陣が揃いホームラン量産。

投打の粗さを磨き、小技を絡められるようになればプラス。


・八戸学院光星 A評価

青森山田とは対照的にこちらは洗平・岡本の左腕二枚看板。そこに左腕森田も台頭しサウスポートリオと化した。

地区決勝で青森山田にノーノーを食らってしまったが、打線は好打者砂子田が健在でありそこまで貧弱とは思えない。

格付けは良くも悪くも安定した試合運びが可能で、洗平・岡本の経験値も踏まえた結果。


・学法石川 C+評価

順ちゃん17夏以来6年半ぶりの甲子園。立役者はやはり投手兼捕手の二刀流で躍動した大栄だろう。光星相手に好投した左腕佐藤と共に1年生であり伸び代十分。

チームとしてはまだまだ発展途上も、監督力と合わせて考えるなら全く油断できないチーム。


【関東・東京地区】

・作新学院 A評価

世代No.1と評される「鉄腕」小川が覚醒。天下無双の投球で神宮準優勝に導いた。

打線も左の強打者小川亜怜を軸に柳沼、廣田ら揃い得点力十分。

今井世代以来の甲子園優勝へ気運高まる。


・山梨学院 B評価

来年が勝負のはずの谷間世代がまさかの選抜切符。投手陣は櫻田除けば大友、津島、足立と1年生がほとんど。野手陣も梅村ら1年生主体ながら接戦をモノにする勝負強さありしぶとい。

1年生世代は「黄金世代」と評判高いので、今春で下関国際のようにアドを稼いでおきたい。


・健大高崎 A評価

関東屈指のタレント集団。佐藤・石垣のスーパー1年生コンビに加え、髙山、箱山、森山のクリーンナップは強力で全国レベル。

チーム打率1位の強打と伝統の機動破壊駆使して頂点へ駆け上がりたい。


・常総学院 B+評価

最速149㌔右腕小林に強打者武田擁する大型チーム。投手陣は控えの大川含めポテンシャル十分も炎上癖あり。

武田、近藤ら中軸が低反発バットに適応できるか否かで決まりそう。


・中央学院 B+評価

投打にバランス取れたチーム。投手陣は蔵並、臼井に加え二刀流の颯佐の右腕三本柱。

打線も颯佐以外に突出した選手はいないが、まとまりあり白鴎大足利の好投手昆野から大量得点を奪うほどの爆発力は備えている。

まずは大谷世代で叶わなかった聖地1勝を目指す。


・関東第一 A評価

自慢の強打に加え足技も絡めてくる関一野球が帰ってきた!

過去にオコエ、大久保ら恐ろしいトップバッターを輩出してきたが、当代は飛田がその座に君臨。打率は4割超と抜群のミート力を誇る。

投手陣もU15経験の正統派右腕坂井に、技巧派左腕の畠中とタイプ異なる両投手がゲームメイク。

主将は高校通算44本塁打のスラッガー。神宮では大阪桐蔭を撃破と注目度は過去トップクラスだろう。


【北信越地区】

・星稜 B+評価

神宮覇者。ポテンシャルは奥川超えと評されながらイマイチ伸び悩んでいた佐宗がタイトル獲得とは誰が予想しただろうか。

注目の1年生右腕道本に、打率4割超の芦硲、神宮で本塁打2本の萩原と投打に役者揃いで総合力は高い。

あとは地区レベルの問題。


・敦賀気比 B+評価

昨春大阪桐蔭に善戦した竹下・中森のバッテリーが健在。

野手陣も高打率の主将西口やスラッガー濵谷ら実力者はいるのだが、あまり目立っていない印象。

打線に活気が出てくればアズマの采配含めV候補に躍り出そう。


・日本航空石川 B評価

蜂谷、猶明の怪物1年生コンビが自慢。荒牧を軸とした打線が彼らを盛り立てたいところ。

元日の能登地震で拠点を山梨に移して日々練習に励んでいるが、被害が深刻な輪島市民に感動と希望を届けられるか。


【東海地区】

・豊川 B評価

天性のバッティングセンス誇るプロ注の左打者ニキータを軸に、勝負強い4番中村ら打線は活発。

課題は投手陣。エース左腕鈴木に中西、平野ら枚数は揃うもやや安定感に欠くので選抜までに整えたい。


・宇治山田商 B評価

最速145㌔右腕植田に強打の捕手小泉ら1年生世代に力のあるチームも、エース中村に安打量産機の泉ら2年生世代も躍動。

来年が勝負年の見込みも今秋急浮上という事で掴みどころがないが、県1位通過という確かな実績と今後の成長に期待がかかる。


・愛工大名電 +評価

最速140㌔超のピッチャーを複数擁する超高校級の投手陣が自慢。大泉、伊東、古谷とビッグネームが揃う。

打線も石見、石島の「石石コンビ」を中心に長打力光り強力。

夏は節電も春は名電。13年ぶりの球春到来で牙を剥く。


【近畿地区】

・大阪桐蔭 +評価

天下無敵の絶対王者。神宮大会では守乱で撃沈という横綱らしからぬ醜態を見せてしまったが、西谷親方の事だからすぐに修正してくるはず。

戦力も充実している。最速154㌔エースの平嶋に、ウルスラの怪物1年生森。主砲ラマルに徳丸弟、二刀流境というタレント軍団。


・京都外大西 B+評価

サウスポー田中の好投で久々の春切符。攻撃面では突出した選手こそいないが、機動力絡め着実に得点してくる。

打線は歴代でも一二を誇るとの噂もあり、今大会屈指のダークホース。


・京都国際 B+評価 

中崎・奥井のバッテリーの経験値高く安定した試合運びが可能なチーム。

2試合連続でロースコアの接戦をサヨナラで決着させる勝負強さがウリ。

あとは打線に長打力がつけば。


・耐久 C+評価

絶対的エース冷水のピッチングが命。彼を援護すべくパンチ力ある岡川、白井の前にランナーを溜めたい。


・報徳学園 A評価

昨春選抜準Vを支えた間木、今朝丸のプロ注右腕二枚看板が残り投手陣は磐石。

伝統の守備力も健在だが打力は先代と比べてガタ落ち。


・近江 B評価

投手力に全振りした湖国の雄。マダックス西山に経験豊富な左腕河越、昨夏初戦先発右腕北川と層の厚さは全国屈指。

ただ打線はしょっぱく、小技も絡められない。率が悪くないだけなので得点力が上がれば良いのだが。


【中国地区】

・広陵 B+評価

甲子園経験豊富な高尾・只石のバッテリーがチームの大黒柱。打線もバッティングセンス抜群の濱本、田村、土居の上位打線が魅力的。

地区決勝では1年生ながら最速148㌔誇る好投手堀田が台頭し将来性も十分。


・創志学園 B+評価

外弁慶モンマ3年ぶりの春選抜。良くも悪くもチームがモンマ色に染まったところ。

投手陣は最速145㌔誇るエース左腕山口と、先発を任される右腕中野が軸。そこに次世代エース候補大谷らが控える布陣。

打線も杉山、奥本ら一発のある打者揃い脅威。


【四国地区】

・高知 B+評価

下級生時代から注目された平、辻井の好右腕コンビが健在。

打線は前チームから様変わりしたが、長打力備える4番谷口を軸に力はある。

22春、23春と着実に白星重ねているので、ホップステップジャンプで優勝狙う。


・阿南光 B評価

徳島が誇る剛腕の一人吉岡が大黒柱のチーム。打線も福嶋を起点に福田、住江が打点を挙げ、また9番芝山も打率高くどこからでも火を噴いてくる。

投打にバランス取れており、エース頼りの公立校という枠ではない実力あるチーム。


【九州地区】

・熊本国府 B+評価

秋春将軍の地区大会デルトマケだった高校がまさかの優勝。正統派右腕坂井と変則左腕植田の二枚看板は、初見で打ち崩すのは容易でなくゲームメイク能力十分。

打線も中嶋、岡本の中軸に確実性あり。未知数な部分多く読めないが不気味な存在である事は確か。


・明豊 B+評価

投打にスケール大きく高い戦力有する大型チーム。投手陣はエース右腕野田を中心に一ノ瀬、さらに寺本や大堀など1年生にも力あり層が厚い。

打線も下級生時代からリードオフマンとして牽引した高木に加え、石田、的場、舩見ら一発のある強打者が揃い爆発力十分。

控えPがもう少し計算可能となり、低反発バットに適応できれば。


・神村学園 B+評価

昨夏選手権4強の立役者がごっそり健在。増田、正林、岩下、上川床に加え、俊足巧打の入耒田、大型遊撃手の今岡ら1年生も強力。打力は確実に上がっている。

課題は誰の目から見ても明らかな投手力の低さ。好左腕今村が残るも控えは脆弱で、現状野手陣頼みなのは否めないところ。


・東海大福岡 B評価

絶対的エース佐藤が中核を担う。打線も山本、藤本ら中軸に力あり、唐崎ら一発のある打者もちらほら。

チームのスタイルとしては前回出場時とほぼ同様。安田の教えを受け安田越えの4強進出を狙う。


【21世紀枠】

・別海 C評価

制球力とスタミナが武器のエース右腕境に、勝負強さ誇る主将中道がキーマン。武修館を強豪に育て上げた島影監督の手腕にも期待がかかる。


・田辺 B評価

谷間どころか割と強い世代の市和歌山と智辯和歌山を正面突破した恐ろしいチーム。

エース右腕寺西の好投と、満塁男山本の打棒光り投打噛み合っている印象。


【まとめ】

【A+】大阪桐蔭 愛工大名電

【A】八戸学院光星 作新学院 健大高崎 関東第一 報徳学園

【B+】青森山田 常総学院 中央学院 星稜 敦賀気比 京都外大西 京都国際 広陵 創志学園 高知 熊本国府 明豊 神村学園

【B】北海 山梨学院 豊川 日本航空石川 宇治山田商 近江 阿南光 東海大福岡 田辺

【C+】学法石川 耐久

【C】別海




余談。優勝争いについて。


基本的に選抜というのは大阪桐蔭除き主人公が一人である大会なので、くっさい二枚看板掲げているチームは基本弾いて構わない。

勿論、球数制限の影響も考えるべきだが、昨春選抜優勝校の山梨学院は林のワンマンだったので、そこんところを懸念する必要というのはあまり無いんじゃないかなと思う。


よって毎年恒例ではあるが

①胴上げ投手に相応しい主人公気質のエースを擁している

②胴上げするに相応しい品格・風格を備える監督が率いている


最低限この2つの条件は満たしておきたい。まあ山梨学院の場合、秋は林・星野の二枚看板だったのが春は林のワンマン体制というスタイルチェンジがあったんだけどね☆


また②についてだが、選抜は選手権と違い「迷将でも優勝できる」ので、最低限クラノアズマモリシレベルに到達していれば優勝できるし、モリタぐらい影が薄くても優勝できる。

何故か?極論エース投げさせときゃ勝てるからだ。


それを踏まえ現時点で①②に当てはまる高校を書き連ねると


①のみ

・常総学院(小林)

・星稜(佐宗)

・豊川(鈴木)

・耐久(冷水)

・阿南光(吉岡)

・東海大福岡(佐藤)

・田辺(寺西)


②のみ

・青森山田(兜森監督)

・山梨学院(吉田監督)

・健大高崎(青柳監督)

・中央学院(相馬監督)

・関東第一(米澤監督)

・日本航空石川(中村監督)

・愛工大名電(倉野監督)

・報徳学園(大角監督)

・近江(多賀監督)

・高知(浜口監督)


①②両方

・北海(松田 平川監督)

・八戸学院光星(洗平 仲井監督)

・学法石川(大栄 佐々木監督)

・作新学院(小川 小針監督)

・敦賀気比(竹下 東監督)

・京都外大西(田中 上羽監督)

・京都国際(中崎 小牧監督)

・広陵(高尾 中井監督)

・創志学園(山口 門馬監督)

・明豊(野田 川崎監督)

・神村学園(今村 小田監督)

・別海(境 島影監督)


例外

・大阪桐蔭


こんなもんだろう。①②に解釈違いはあるかもしれないが、そこは各々吟味して欲しい。