恐怖を喰らう者 | QVOD TIBI HOC ALTERI

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Das ist ein Tagebuch...

 イスラエルという国は、不思議な国である。二千年前に消滅した古代国家が、今からわずか70年ほど前に、突然「再建」された。その経緯は、あまりに不自然極まりない。私は、この人工国家が、結局はある目的の為に意図的に創られた国なのでは、と妄想することがある。その目的とは、対立と紛争を生じさせることによって、多くの人々に憎悪と恐怖の感情を生み出させること、である。

 何故、憎悪と恐怖の感情を生み出させる必要があるのか?これについては、完全に与太話どころかオカルト的なほら話になってしまうのだが、要するに、仏教の世界観によれば、この世界には人間が生み出すさまざまな想念や感情をエネルギー源としている生命体が存在するという。そしてそのような生命体は、人間たちに自分たちの好みの感情を発生させるために、さまざまなことを仕掛けてくるというのである。

 そして、そのような生命体のうち、人間の恐怖や憎悪といった感情をエネルギー源としている生命体がおり、この生命体が今の世界で大きな支配権を確立しているという。あのスマナサーラ長老に伺った話なので、真偽のほどは不明であるが、彼によれば、旧約聖書の「神」とも、仏典にいう「阿修羅」とも目されている彼らにとって、一番困るのが「平和」である。したがってこれらの生命体は人間界が平和にならないように、世界中のどこかに必ず紛争の火種を残しておくという。

 にわかには信じ難い話ではあるが、紛争が意図的に作られるというのは、法螺話でもオカルトでも何でもない、事実である。イスラエル・パレスチナは言うまでもなく、極東の場合も例外ではない。極東の場合はパレスチナとは異なり、宗教対立を煽れないので、北方領土問題、竹島問題、尖閣諸島問題といった他愛もない領土問題によってわざわざ対立を喚起してきた。最近では支配層は特に北朝鮮との対立を煽りたいらしく、軍事演習で旧式のミサイルが発射されただけで「北朝鮮が日本を核攻撃しようとした!」と大騒ぎする始末である。

 いうまでもなく、社会情勢によって生じる憎悪や恐怖のほとんどは、支配者層によって意図的に作り出されるものである。それは、マスメディアによって大々的に流布・宣伝・扇動される。そしてここからは完全な妄想であるが、支配層は実は巷に流布している、軍需産業等による金儲けを狙ったものでも、「ユダヤ系金融勢力の陰謀」によってでもなく、知ってか知らでかはわからないが、憎悪や恐怖を好む生命体(悪魔)によって、操られているだけなのではないのか?

 キリスト教においても現世は、「この世の君」(悪魔)の支配下にあるとされる。確かにこの世界は、あまりに理不尽な対立と殺戮に満ち満ちていて、生命とその幸福を憎む存在(悪魔)によって支配されていても、何ら不思議でもないように思われる。それが、人間の深層心理に巣くう抽象的なものか、あるいはより具体的な、仏教で言うところの我々の五感では捉えることの出来ない生命体なのかは、分からない。それで、仮にそのような状況にこの世界が置かれているとして、我々のできることであるが、支配者や情報媒体の言うことを鵜呑みにせず、彼らが煽る怒りや憎しみで行動するのではなく、どのような状況におかれても冷静に、そして慈しみの心で人や生命に接していくことであろう。

 いずれにせよ、いたずらに恐怖や憎悪の感情を惹起させて、「悪魔」を肥えさせないように、日ごろから気をつけたいものである。