今日から新連載のスタートです - - - ✨
以下・映画の結末を最後まで書いています
作品についてどう感じるかは
その方の主観にお任せしますので
私の感想や見解は
あくまでも参考程度に留めて下さい
一部・私の視点から書いています✨
1945年4月
シュヴァルツヴァルトの疎開先で
14歳の誕生日を迎えた私は
ヒトラー・ユーゲントの誇りを胸に
ドイツの最終勝利を信じていた✨
注 : シュヴァルツヴァルトとはドイツ南西部
バーデン=ヴェルテンベルク州にある
黒い森と呼ばれる山岳地帯です
注 : ヒトラー・ユーゲントとはナチス党が
10歳から18歳までの男女全員の加入を義務づけた
青少年強化組織で人種差別・優生思想を含む
ナチスの思想を徹底的に教え込みました
妹のリーデル
双子の弟のユルゲンとギュンター
赤ん坊のペーター
夫が不在で
気分が沈みがちの母と
疎開先の酪農農家で
肩を寄せ合うように慎ましく暮らしていた
だがその細やかな幸せは
脆くも崩れ去って行った
4月30日
ヒトラー総統が自殺したのだ
私たちドイツ国民を捨てて - - -
ナチスの高官である父は
総統が亡くなった
あの日以来 家族の元には帰って来ない
連合軍に逮捕されたのだろう
ここに来る直前
屋敷で
軍の重要書類を燃やしていた父
その父がユダヤ人大量虐殺に
関わっていたことが判明した
赤々と燃える炎
その炎は屋敷の中までも
赤く染めた
大量殺戮のことを
母は知っていたのだろうか?
母は父を探すと言って出て行った
もうすぐ戦争が終わるわ
汽車でハンブルグへ向かって
そこから干潟を越えてフーズムへ行きなさい
あなたの祖母の家に身を寄せて
あの子たちを頼むわね
母はお金と宝飾品を持たせてくれた
残された妹と弟たちの面倒は
長女の私の役目になった
この子をお風呂に入れられても
私にはお乳を上げることはできない
誰か母乳が出るひとを探さないと - - -
お母さんは何処に行ったの?
お父さんのところに行ったのよ
だからここを出て行くしかないの
村のひとは皆 冷たい
食料を分けてなどくれない
自分たちのことだけで精一杯だから
あんたの父親は戦犯よ
今頃は刑務所の中ね
早くここから出て行って頂戴
ドイツは無条件降伏を受け入れ
米英軍とソ連軍
そして戦勝国に加えられたフランス軍
4つの占領地区に分割された
私たちは荷物を持って村を後にした
母が子供の頃から大切にしている
子鹿のフィギュリン✨
ハンカチに包んでポケットに入れた
いつかまた母に
会える日が来ることを
願って - - - ✨
ドイツは敗戦を迎え
弟妹を連れてドイツ北部の港町
フーズムへと向かうローレ
それは彼女を待ち受ける
過酷な旅の始まりでした - - -
次回へと - - - 続きますね ✨