夫と妻とその愛人
奇妙な三角関係✨
ジェロームとの煮えきれない恋も - - -
今度の亡命で終焉するのか?
三人三様の思惑が
交錯するなか
開幕のベルが鳴った - - - ✨
ドクター・ナタン
案内嬢のマリエッタが
桟敷席に入って 夫を呼びに来る
ポールが振り返ると - - -
そこには - - -
ナチスの親衛隊が控えていた
いったい何があったのか?
ドクター・ナタン
我々と一緒に来て下さい
アリス - - -
行かなければならない - - -
きっと 何かの - - - 間違いだろう
心配はいらないさ
すぐに帰って来るから - - -
夫はそう言って笑顔を見せた
私を安心させるために - - - ✨
夫の痛々しい笑顔 - - -
何てことを - - -
してしまったのかしら - - -
ジェロームとの恋に溺れて
自分を見失い - - -
亡命することを
躊躇っているうちに - - -
取り返しのつかないことに
なってしまった - - -
車を待たせています
お急ぎ下さい
ここは フランス大使の席ですぞ
そして今は オペラの観劇中だ✨
親衛隊の将校は
機密だとして その質問には答えなかった
外交特権はナチスには
通用しない - - -
夫が連行されて行く
冬だというのに
コートさえも着ないで - - -
待って - - -
私は夫のスカーフを手にとって
大理石造りの
大階段を駆け下りた
外は寒いから - - -
これを巻いて行って - - -
ありがとう - - -
君と - - - オペラの続きを観たかったよ
終幕まで - - -
返事を返す時間は - - - 与えられなかった
夫の首に巻かれた
白いスカーフが揺れる - - - ✨
君と一緒に - - -
終幕を観たかった - - - ✨
夫の残した 何気ない言葉 - - -
その言葉が - - -
私の心に重くのしかかる
これが - - -
私たちの終幕になるような - - -
そんな不吉な予感が - - -
していた - - -
続く - - - ✨
親衛隊によって - - -
突然 連行される夫
夫を見送りながら - - -
後悔の念と不安に苛まれて
夫の無事の帰還を
願わずにはいられない
アリスでした - - - ✨
次回へと - - - 続きますねっ (^_−)−☆