恋人と暮らすアパートを追われて
過干渉な母親と同居するヒラリー
眼に止まった新聞広告が
彼女のその後の人生を変えていく
広告を出したのは 丘の上の豪邸の中の
地下室で暮らすヴィクター
彼は白血病を患って同年代の看護人の女性
を探していた
大学で美術史を専攻した
ヴィクターにとって
赤く艶やかな髪を持つ ヒラリーは
クリムトの絵・ダナエを彷彿とさせ
一方のヒラリーも
病魔と闘いながら学業を続ける
その真摯な姿勢に心を打たれて
この仕事を引き受ける
今まで 何の目標もなく
その美貌だけで生きてきた ヒラリーは
ヴィクターを通して
病いに苦しむ人々の存在を知り
栄養学の勉強をして
過酷な抗癌剤治療に耐える
ヴィクターを支えることで
人生の意義を見出していく
毎日の生活を共にする二人に
やがて恋心が芽生えていくが
雇用主と看護人という関係性から
脱却できずに
彼が求めているものの 本質が良くわからず
困惑するヒラリーに
ヴィクターが
海辺の街での転地療養に
一緒に来てほしいと頼む
二人は この新しい環境で愛を育んでいくが
彼の静かな愛し方を理解できずに
そのことで悩んでいたヒラリーが
仕事を辞めることを伝えた夜
遂に二人は結ばれるが
お互いの愛を確認して
幸せの絶頂にいる
ヴィクターを 再び病魔が襲う
再治療は受けずに この街で人生を終えたい
そしてヒラリーとの生活も終わらせたくないと
願うヴィクターは
闇で仕入れたモルヒネを使用して
痛みを抑えることで
病気の再発を隠そうとするが
やがて 彼女の知ることとなり
過酷な愛の選択を迫られたヒラリーは
耐えきれなくなって 逃げ出してしまう
クリスマスパーティーで再会した彼女に
別れを宣告するヴィクター
彼の後を追いかけたヒラリーは
彼の苦悩を理解しながらも
今を生きるために 諦めずに治療を受けてほしいと
説得して
二人は 固い愛を誓い合うのだった - - -
若く魅力的な女性看護人を募集
この奇妙な広告文には治療中に必要な
看護人を探しているという他に
女性との出会いの願望もあるんですね✨
まだインターネットがない時代
その代わりとなっていたのが個人が出す
新聞広告だったんです
私も留学中に新聞を見ていて良く見かけました
真面目な出会いを求めているものもあれば
そうでないものまで - - -
Young educated man looking
for attractive woman to have a
good time とか - - -
これは遊ぶ相手を求めた個人広告
書き方とか文章が独特な響きを持っていて
地下室に篭って治療を続けるヴィクターも
若い男性ですからね
出会いを求めている訳ですよ
こういう背景もあって - - -
この新聞広告を出すことにも抵抗がなかった
当時はそれしか手段がなかった訳ですよね
自身が偏愛する クリムトやロセッティの
絵画に酷似して そこから抜け出してきたような
ヒラリーに対して魅力を感じていく✨
ヒラリーへの愛は最初は
ビジュアルから入ったんですね
彼女には教育もないし教養もありません
その点は彼にとっては物足りない
高い教養を持つ彼ですから
話しが合わないんですね
ビジュアルに惹かれているだけなら
いつか飽きてくる
だから彼女に美術史の解説をして
自分のことを理解して貰いたい
そして彼女に教養を身につけてほしいという
期待も持ち合わせている
しかし彼女はもう少し現実派で
アートよりも - - -
彼が病気だということもあるけれど
栄養学の方に興味を示すんですね
勿論 彼が愛する官能的な奥深い女性像を見て
美しいとは思う でもヴィクターのように
強烈に惹かれたりすることはないんですね
彼女には彼女の個性があって
物事の捉え方も違うから - - -
これは私たち夫婦もそうなんですよ
空手を愛好していることもあって
アートに関しては東洋趣味一辺倒な
夫に対して 退廃的で官能的なクリムトや
ロセッティ・レオナール藤田などが
が好きな私
芸術的志向は違うけれど
お互いの愛するものを尊重して暮らしています
ただ映画に関しては夫はほぼアクション映画
しか観ないので そこだけは合わなくて - - -
でも昨年から映画ブログを書くようになって
その辺りの悩みはなくなりつつありますね
外見から入った
ヴィクターですが
彼女の明るさ・快活さ・優しさに癒されて
母親のように献身的な姿勢が
心の拠り所となっていきます
つまり最初はビジュアルから入ったけれど
精神的繋がりが重要な位置を占めていくんです
外見にも惚れて内面にも惚れる
これって正に理想ですよね✨
子供の時に母親を亡くした彼は
マザー・コンプレックス有り有り〜
ヴィクターにとって
彼女は正に理想の女性像
これ以上の出逢いはないと思う✨
だから 彼女との別れを決心した時に
こんなに泣いたのね - - -
一方のヒラリーは
その外見だけで生きてきたひとだから
ヴィクターが
自分に気があるのを敏感に感じとっています
つまり自分の魅力を熟知しているんですね
そして自分がクリムトの絵の女に
酷似していることも - - -
彼のミューズになって
インスピレーションを与えて
彼に生きる気力を齎し続けていきたいという
人間としての優しさと慈悲の心
そして彼を魅了し続けていきたいという魔性性
画家とモデルのような関係性
ヒラリーには この相反する
二つの感情があるんですね✨
母親のような優しさと
男を虜にするような
ファム・ファタール的なもの
造られた色気ではなくて
底から湧いてくるような官能性
彼女はヴィクターに惹かれてもいる✨
天性とも云える自分の魅力を
惹き出してくれるひとだから - - -
でも彼と一緒に生活を共にするなかで
彼にもっと愛されたいという欲求が
強くなっていくんですね
彼の自分への愛を感じながらも
彼が求めているものの 本質がわからない
シンプルなマインドを持った
タフガイしか知らない 彼女には - - -
彼の時間をかけた静かな愛し方が
進展性のない恋だと映る
ヴィクターは奥手で慎重なんですよ
一度 恋愛で傷ついていますからね
でも勇気を出して彼女に求愛をするんです✨
結果 見事成功〜 ✨
初めての時って女からは求め難いですからね
この辺りは男のひとに
バシッとキメて貰わないと - - -
先に進まない〜 💦 (笑)
内気で芸術家肌のロマンチックな彼と
活発で現実的で魅力的な彼女
知的で教養豊かな彼と
教養はないけれども献身的で優しい彼女
彼が健康体な男性だったら
ここまで深い関係性は築けなかったかもしれない
病気を抱えていると 心の支えが必要になってくる
病人と看護人という壁を越えられずに
停滞しかけていた恋
(少なくともヒラリーにとっては)
屋敷を出て
場所を変えたことは正解でしたね✨
進展しない恋には色々と理由があって
環境を変えると一気に好転することがあるんです
病人と看護人そこには金銭が絡んできます
画家とモデルもそうですよね
彼と初めてベッドを共にした後に
もう お金は要らないと言った彼女の気持ち
良くわかりますねぇ〜
彼女にとっては もう仕事ではない
彼のミューズであり続けたいけれど
お金を貰わないことで ひとつの区切りをつけたい
病気が再発したことを隠すヴィクター
彼女との暮らしを壊したくないし
再治療も受けたくない
希望を持つことが怖い つまり絶望している
彼の最後の望みは
愛するひとに看取られながら
一切の治療を拒否して
自然死することなんですね
これは私の義理の父も選択したことなんです
これは彼女にとっては辛い選択なんですね
愛するひとには生きていてほしい
出逢ってまだ数ヶ月 あまりにも短すぎる
混乱した彼女は彼の父親に電話をして
迎えに来てほしいと頼みます
苦渋の選択ですね - - -
愛するひとの望みを裏切ることになるから
でもその望みを叶えてあげた先には
彼の死が待っているという過酷な運命がある
愛するひとには生きていてほしい
治療をすることで完治には至らなくても
今を生きることができる
この 今を生きるということが
ヒラリーにとっては重要なことなんです✨
今を精一杯生きてほしい
つまり諦めないで 負けないでということ
彼女らしい言葉ですよねぇ〜
母親のような 大地に根付いた
ポジティブなひとだと思います✨
彼女のこの強さが 彼の心の支えになっていく
もう彼は 以前のように一人ではないんですよ✨
最後まで治療を続けて
それでも その時が来たら その時は私の手を握って
最期まで 私を見つめて - - -
あのね 彼女はこういう死に方をしてほしいんですよ
最期まで諦めないで亡くなってほしいの
そうして貰うことで
彼の死を受け入れられるひとなんですよね
これは彼女の願い
そして治療を一切拒否する
自然死は彼の願い
でもね 心の奥底でヴィクターは生きていたい
と思っているんですよね
若くて美しい彼女には
自分のために犠牲になってほしくない
ゴードンのような健康な男の方が相応しいと
必死に思い込もうとしている
でもそんなことは彼女には
何の支障にもなっていない
犠牲だとは思っていないの
彼女は彼のために
これからの人生を生きていきたいひとなんです
彼のことを心の底から愛しているひとだから✨
真実の愛に目覚めた
女の姿が - - -
真実の愛に支えられて
今を生きようとする男の姿が - - -
美しい ラストシーンでした 🎬 ✨
by 映美🧚♀️🧚
そのスタイルの良さに定評があった
ジュリア・ロバーツ
周囲の雰囲気を明るくする その魅力✨
太陽のように快活で美しい彼女
代表作 「プリティーウーマン」
のイメージが強い女優さんなんですけど
彼女が持つ官能性を惹き出して
真実の愛に目覚めていく女性像を描いた
この作品が好きなんですよねぇ〜 ✨
映美🧚🧚♀️