敵国ナチス・ドイツの爆撃で



最愛の息子を亡くして



哀しみに暮れる妻







それは夫も同じで



深い哀しみから



夫は口を閉ざしています







しかし妻には



夫のその深い哀しみが見えません







彼女の夫への不信は



極限に達して



夫婦の関係に深い亀裂が入ります







夫は新天地で



一からやり直そうと試みますが







傷ついた妻に



向き合うことを避ける夫に



妻は失望します







彼女は心の空白を



側に居てくれる



別の男性で埋めようとします







それはその男性も同じでした



彼も敵国イギリスの爆撃で



最愛の妻を亡くして



哀しみに暮れています







二人は



お互いの心の空白を埋めるために



お互いを必要として



ロマンチックな彼は



それを愛だと信じます







しかし頭の良い彼女には



それは愛ではなく



慰めであることに



最初から気づいていました







彼に優しく



時に激しく抱かれていても







ひとりになれば



息子のマイケルを失った



深い哀しみが



再び彼女を襲います







彼女は夫に別れを告げた時



夫の本当の気持ち知ります







夫も息子を亡くして



苦しんでいました



夫は冷たい感情のないひとではなく



とても優しく繊細な男性でした







無口で自分の感情を上手く



表に出すことができない



男性って多いですよね



男性と女性とでは



感情の表し方も違いますから







でも言葉に出してくれないと



女は不安になるの



感情の生きものですから







特にいつも側にいる



夫に対しては - - - 



いつも側にいるからこそ



見えなくなってしまうことがあるんですよね



お互いに感情的になって



たとえ何十年も連れ添っていても



分かり合えずに



夫婦の溝が深まってしまう場合があります







でも手遅れになる前に



夫の心の痛みや



夫の優しさ



そして夫の自分への愛に気づいて



夫のもとに帰った



ヒロインの女性に



心のなかで拍手を送りました







地味でハンサムではないけれど



優しい夫







レイチェルは



やはり夫のことを



深く愛していたんですね







無言で固く抱きしめ合う



二人の姿が



それを物語っています



長年連れ添った夫婦に



苦楽を共にしてきた夫婦に



愛の言葉はいらないのかもしれないですね



ハグだけで



充分に通じるものなのかしれません







ステファンは



優しくロマンチックで



思いやりがあって



素敵な男性だと思います



でもレイチェルと彼女の夫との



心の絆には



やはり勝てなかった







夢のような恋は



いつか醒める







聡明で



心に何処か冷めた感情を抱えている



レイチェルには



それがわかっていたんですね







ステファンは



レイチェルに



亡くなった妻




クローディアの面影を



みていたんでしょうね



それは



彼女も気づいていたと思います







恋する夢のような



刻が終わってから



本当の愛が始まる



亡くなった妻のことや



勝者と敗者という問題も



いつか表面化してきそうな



そんな波乱を秘めた



不確かなステファンとの恋よりも







静かだけれど



確実に自分を愛してくれる



そして



これからもずっと愛してくれる



夫・ルイスとの



堅実で穏やかな愛を選択した



レイチェル







もう一度 夫婦として人生をやり直してほしい



縁があって



愛を誓い合って



夫婦になったんだもの



途中で放り出してほしくない







帰って行く場所がある



レイチェルと違い



ステファンには



その場所がありません



彼にとっても



人生の再出発だったことを考えると



何だか可哀想になりますね (>_<)



ふられて傷ついたでしょうね







彼の心のさすらいは



まだ暫く続きそうですが



いつか彼の心を動かす



素敵な女性が現れることを祈って



私の感想を終えたいと思います



いつもより



かなり長くなってしまいましたが



最後までお付き合い頂きまして



ありがとうございました 🙏





映美〜