現在私たちが享受している現代文明とその価値観を支えてきた科学が今、大きく変わろうとしています。それは、最近、自然科学から心理学、言語学、経済学など幅広い分野で応用されている「複雑系」という理論の登場です。
そもそも、現代科学の直接的な基礎は、古く十六世紀から十七世紀にかけて発生しました。この時代、中世の「神学」中心の世界から、この世に起こっていることを客観的にとらえようという一連の動きが、科学者の中で起こりました。この一連の科学者が、コペルニクスに始まり、ガリレオ、デカルトを経由して、ニュートンに至る人達でした。
そして、その根源をなす考え方が、すべてを“形あるもの”と“形なきもの”に分ける「二元論」ということになります。(機械論、還元論とも呼ばれている)そして“形あるもの”だけを追求するのが実証の科学。これが現代科学の出発点となった考え方です。
ところが、複雑系の理論は「これまでの科学的アプローチの中心とされてきた要素還元論(すべてのものは限られた数の構成要素に還元できるという考え)だけでは理解できない側面がある」ということを指摘しています。
たとえば、プラスチックの模型は、部分(パーツ)を組み合わせると製品ができあがります。バラしてしまえば、また元に戻ります。しかし、人間の臓器をいったんバラバラにしたあとそれをつなぎ合わせても、生きた人間にはなりません。しかし、「必ず元に戻るんだ」というのが、これまでの科学だったわけです。つまり、生命を探求するには「機械論」では不十分で、何か未知の機構のようなものを研究しなくてはならない。科学者たちはそれに気づいたわけです。
ところで、一世紀前、電子が粒子であると同時に波としての性質を示すことがわかりました。そこでアインシュタインは相対性理論の中で物質とはエネルギーが姿を変えた存在であると解きました(E=mc2)。ベルギーのノーベル化学賞受賞者あるイリア・プリコージン博士もすべての物質は情報からできているという考え方を打ち出しています。
注目すべきは、さきほどの生命の謎を解くカギが情報構造(波)にあるという考えです(※)。のみならずこの世界を理解する上で“波動”が新しい視点になるという考えは、その研究者を通じて日本でも注目され始めています。
※デヴィット・ボームの「超・織り込まれた秩序」/カール・グスタフ・ユングの「空間作用域」/ルパート・シェルクレイドの「形態形成場」/ハロルド・サクスト・バーの「生命場」
複雑系の科学はすでにさまざまな分野で書き換えを始めている。それと並行して、“波動”は、21世紀に生きようとする私たちに新しい世界観を示してくれることでしょう。
そもそも、現代科学の直接的な基礎は、古く十六世紀から十七世紀にかけて発生しました。この時代、中世の「神学」中心の世界から、この世に起こっていることを客観的にとらえようという一連の動きが、科学者の中で起こりました。この一連の科学者が、コペルニクスに始まり、ガリレオ、デカルトを経由して、ニュートンに至る人達でした。
そして、その根源をなす考え方が、すべてを“形あるもの”と“形なきもの”に分ける「二元論」ということになります。(機械論、還元論とも呼ばれている)そして“形あるもの”だけを追求するのが実証の科学。これが現代科学の出発点となった考え方です。
ところが、複雑系の理論は「これまでの科学的アプローチの中心とされてきた要素還元論(すべてのものは限られた数の構成要素に還元できるという考え)だけでは理解できない側面がある」ということを指摘しています。
たとえば、プラスチックの模型は、部分(パーツ)を組み合わせると製品ができあがります。バラしてしまえば、また元に戻ります。しかし、人間の臓器をいったんバラバラにしたあとそれをつなぎ合わせても、生きた人間にはなりません。しかし、「必ず元に戻るんだ」というのが、これまでの科学だったわけです。つまり、生命を探求するには「機械論」では不十分で、何か未知の機構のようなものを研究しなくてはならない。科学者たちはそれに気づいたわけです。
ところで、一世紀前、電子が粒子であると同時に波としての性質を示すことがわかりました。そこでアインシュタインは相対性理論の中で物質とはエネルギーが姿を変えた存在であると解きました(E=mc2)。ベルギーのノーベル化学賞受賞者あるイリア・プリコージン博士もすべての物質は情報からできているという考え方を打ち出しています。
注目すべきは、さきほどの生命の謎を解くカギが情報構造(波)にあるという考えです(※)。のみならずこの世界を理解する上で“波動”が新しい視点になるという考えは、その研究者を通じて日本でも注目され始めています。
※デヴィット・ボームの「超・織り込まれた秩序」/カール・グスタフ・ユングの「空間作用域」/ルパート・シェルクレイドの「形態形成場」/ハロルド・サクスト・バーの「生命場」
複雑系の科学はすでにさまざまな分野で書き換えを始めている。それと並行して、“波動”は、21世紀に生きようとする私たちに新しい世界観を示してくれることでしょう。