声の状態について

2週間、見事に一音も声が出なかった。

それは、果てしなく長い長い2週間だったように思います。

一言も喋らずに次の診察までの日々を筆談で過ごし、

診察室で、また音にならない声を確認すると、

その度に涙がこぼれました。

20年以上、喋りを生業としてきた私にとって、

そしてフリーランスの身である私にとって、

声が出ない、ということは、

現実的に収入がなくなるということ。

と同時に、

自分自身の存在意義を、ひたすらに考えさせられる日々でもありました。

本当にまた、声が出るようになるのだろうか。

出たとして、本当に復帰できるのだろうか。

もう、やめるべきなのではないか。

やめてしまおうか。

そんなことが、グルグルと頭の中を駆け巡っていました。

今月は、ビッグレースの依頼をたくさんいただいていた月でもあったのです。

ギリギリまで、代打を立てずに待って下さった制作のみなさん、

そして、たくさんの業務を代わってくれたみなさん、

こんな時でも、喉を第一に考えて動いてくださった事務所の社長、マネージャーさん、

SNSで連日温かいメッセージを下さったみなさん、

そして、友人たち、同僚たち。

一人一人、

一つ一つの言葉に、どれほど救われたかわかりません。

できることなら、

ここで、

この場所で、

恩返しがしたい

今、そう強く思っています。

声は、

ようやく、ようやく少しずつ出るようになってきて、

あぁ、また喋ることができるんだ、という喜びは、

言葉では言い表せないほどのものです。

けれど、まだ完全にはほど遠く。

復帰がいつになるのか、

今はまだわかりませんが、

声で伝えたいこと、

伝えたい思いを、

これまで以上に、大切に大切に、

紡いでいきたいと思っています。

もう少し、

お休みをいただきますが、

そう遠くないいつか、

また画面を通して、マイクを通して、

溢れる思いを、声に乗せて伝えられますように！