MD世代

運動会の振替休日、

娘と目一杯、“女子”してきた。

ついに（⁉︎）原宿デビューを果たし、

すっかり原宿の楽しさに魅せられた娘、小学3年生。

話題の十円パンを食べ、イチゴ飴を食べ、

オリジナルグッズを作り、ガチャをやって。

その中で、私がどうしてもスルーできなかったのが、MDのガチャ。

あまりにもエモい。

免許取り立ての時代のカーステレオは、全てMDだった。

MDに好きな音楽を入れて、

何枚も車に積んで、

このままどこまでもどこまでも、行ける気がしたあの頃。

目を瞑れば、今だって、昨日のことのような景色たちが、

このMDのパッケージひとつで、蘇った。

過去と今の境は、私にとってはいつだって曖昧だ。

たらればは、なし。

けれど、

転機のたび、

人生を上手く乗りこなせない自分が、歯痒くて情けなくて、

自分自身に愕然とすることも多く。

そんなあれこれの始まりは、全部MDだったのかもしれない。

過去をしっかり握りしめて、

人生、後半戦で、

ちゃんと巻き返そう、と誓った。

あれからずっと聴けずにいた音楽を、聴いてみた。

大好きだった『花の匂い』が、

私の元へ祖父を連れてきた。

木漏れ日に手を伸ばしたら、

いつだって手を繋いでいてくれているんだ、

そう思うことに、決めた。