運動会
今年の娘の運動会は、仕事と重なった。
娘の競技は見届けられる時間の仕事だったので、引き受けることにした。
引き受けたからには、何があってもやり遂げなければならないけれど、
あんなに楽しみにしている娘に、運動会で寂しい思いも絶対にさせられない。
それに、運動会終了後のくたくたに疲れているであろう娘に、
1人で電車に乗って、私の仕事先まで来てもらわなければならないという任務もあった。
もう9歳。
心配しなくても、できるのだ。
わかっていても、
初めてステージ上で、娘の到着の心配をした。
何かあっても絶対にその場を離れられない状況と、
娘に何かあったらどうしようという、
母にとっては、最大のピンチなシチュエーション。
それも、娘の到着が想定よりも40分以上遅れ、
内心、不安で生きた心地がしなかった。
仕事の合間に、改札口で娘の姿を見つけた時は、ホッとして、その瞬間に何かとてつもなく大きなものから解放されたのを感じた。
こんな場面は、これからまた増えていくのだろう、と思うと、
この仕事と、母であることの両立の難しさをまたしても痛感した。
人生、先を見据えていなければならない事もたくさんあるけれど、
今はまだ想像もできない明日が待ち受けていたりするのだから、
今日は全ての任務を無事遂行できたことを、ただただ喜ぶことにした。
かけっこもダンスも、
プログラムに選ばれた絵も、
1人で電車に乗って行き先までたどり着けたことも、全て一等賞!
母も、今日は頑張りましたで賞。
久しぶりにぐったり疲れ果てて、
仕事帰りに娘とサクッと回転寿司へ。
美味しかったのかそうでもなかったのかわからないまま、
ひたすらにビールが進む夜だった。
なんかとても良い夜だった、気がしている。