猫のオーナメント

大人になって、

サーカスやピエロ、アルルカンといったものに

惹かれるようになったのは、

多くの画家たちの影響が大きいのだろうと思う。

シャガールを筆頭にピカソ、スーラ、ルオー、ヒグチユウコさんも。

デパートで、クリスマスのオーナメントを見ていて、

この猫の人形と目が合った瞬間、家に連れて帰ってこなければ、と思った。

サーカス、ピエロ、ヒグチユウコさん、

そういった憂いのようなものを纏った猫。

シャガールの言葉を思い出しながら、

この子を今年の我が家のクリスマスツリーの主役に。

「サーカスの魅力はなんといっても、胸をしめつけられるような危険を知らされること。
だが、子供達の心に残るのは、怖い動物と人間とが仲良く理解しあうところだ。

その原初の魔法。

彼らはおそらく、神が造られた最初の言葉を使って話し合っているのだ。
そして、この言葉には愛がなくては通じない。

・

・

私は常に、ピエロや軽業師、俳優を、私にとってはある種の宗教画の中の人々と似たところのある非常に悲しい人々だと考えていた」

私も、どこか

ピエロになりたい、という想いがあるのかもしれない。

真の優しさにたどり着くには、

並大抵ではない痛みを伴うだろうから、

人生は、いつまでも修行なのですね。