トワル・ド・ジュイ
パリから30キロほど離れたジュイ=アン=ジョザスという村で生まれた西洋更紗です。
そして、単色の田園風景などの柄のものは、銅版プリント。
どちらもジュイ布の人気の模様です。
当時、動物画家として既に人気だったジャン・バティスト・ユエが筆頭デザイナーとして採用されていたそうです。
人気画家がデザインして、それを銅版や木版で布にプリントするのだから、
それはもはやただの“布の柄”ではなく、木版画&銅版画ってことですよねー!
気球の柄は、初めて成功した気球飛行のエピソードが順を追って描かれています。
こうなってくると、もう1枚の布が、まるで漫画のようで、
しかもセリフがない分、漫画以上に想像力が掻き立てられて、気がつくとどんどん1枚の布の世界に入り込んでいました。
ちなみに、柄の中には、マリーアントワネットが登場するだけでなく、デザイナーのユエ本人までちゃっかり登場しています(笑)
それが柄になると、さすがフランス!と唸りたくなるほどに絶妙な具合にオシャレなのだから驚きです。
私が大好きな洋服ブランドでも、今季の柄にジュイ布の復刻版のような柄を出していて、
なんともタイムリー!(というか企画展に合わせてなのか?!)なのですが、
それだけ、今も昔も変わらず、ずっと愛され続けている柄だということですね。
藤田嗣治も、自分の作品の中にたくさんジュイ布を描いていますので、
絵の中に描かれた布に目を向けてみる、というのもまた面白いかもしれませんね。
もしかしたら、そこには、絵の主題以上に面白いストーリーが隠れているかも!(笑)
西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展は、Bunkamura ザミュージアムで、7月31日(日)まで開催されています☺︎