広重ビビッド
浮世絵には、“初摺(しょずり)”と呼ばれるものがあります。
書籍に、初版、第二版、第三版があるように、
浮世絵も、最初の200枚前後を“初摺”と呼び、
人気の作品になればなるほど、“後摺”が増えていきました。
後摺になると、色合いは、摺師の判断に委ねられたり、手間を省くため、色やぼかしが省略されてしまったりと、
必ずしも絵師の指示に忠実ではなくなってしまいます。
初摺と後摺ってどれ位違うんだろう…
と思った方は、是非サントリー美術館で開催中の広重ビビッドにお出かけください!
今回は、初摺の中でも初期に摺られたものが展示されていて、
広重が実際にぼかしを入れる場所を摺師に指示した線が残っているものもありました。
保存状態も極めて優れたもので、色も本当に綺麗!
版木の板目をそのままデザインに活かしているあたりも、はっきり見ることができて感激しました。
木目がそのまま水の波紋のようになっています。
歌川広重の《六十余州名所図会》も《名所江戸百景》も、
描かれている場所の現在の様子も、写真で展示されています。
当時とほとんど変わらない景色もあれば、全く変わってしまった場所もあって、
比較しながら見るのも楽しかったです!
この企画展は、個人的に2016年の好きな展覧会上位に入ること間違いなし☺︎
もう一度行きたかったけど、もう無理かなぁ~
広重ビビッド展は、6月12日(日)までサントリー美術館で開催されています。