なりきり鑑賞法
今年は何を隠そうルノワールイヤーです!
ルノワールのダンス3部作と言われている“ブージヴァルのダンス” “田舎のダンス” “都会のダンス” が一挙に日本で見られるのです。
“田舎のダンス” と “都会のダンス” は、
4月27日から国立新美術館で始まるルノワール展で、
“ブージヴァルのダンス”は、名古屋のボストン美術館で開催中のルノワールの時代展で見ることができます。
ひと足先に始まったルノワールの時代展を見てきました。
お付き合いください!
私は、こんな言葉が浮かびました。
どことなく、女性は心ここにあらずな印象で、
この女性の微笑みのようにも、どこか不満を抱えているようにも取れる表情からは、自分の美しさをちゃんと知っていることがありありと表れている気がしてなりません。
女性の目線の先に、小さなスミレの花束が落ちていることも気になって、
後で調べてみたら、スミレの花言葉は ‘謙虚’ ‘誠実’。
この女性は、謙虚も誠実も投げ捨てたのだろうか…。
実はこの女性のモデルは、画家ユトリロの母で、自身も画家のヴァラドンなのです。
ヴァラドンと言えば、女版ピカソ!?という位、数々の男性と浮名を流したことで知られています。
エリックサティ、ドガ、ロートレック…
そして、ルノワール。
ユトリロの父親が誰なのかは、明かされることがなかったそうですが、ルノワール説が濃厚だという話も。
ちょうどこの絵を描いた頃、ルノワールには婚約者がいたそうなので、
‘謙虚’と‘誠実’を投げ捨ててしまったのは、ルノワール自身だったのかもしれません。
とにかくみんな男性たちが虜になってしまうほど、魅力的だったのだそうです。
これぞ魔性の女の図だ!!
続いてこちらの女性はどうでしょう?
絵画を鑑賞する2人の女性。
私は、こんな言葉が浮かびました。
右の女性は、さしずめこんな感じでしょうか。
(´-`).。oO(えーっと、てことは、私の方が若いってことね!)
どちらも心の声です。
いかにも絵画のうんちくを述べそうな佇まいですが、
きっと女性たちが最も関心のあることは、いつの時代もそんなものなのではないかと、ふと思ってしまいました。
美しさは去ることながら、
女性たちの内なる声やキャラクターが見事に描かれているドガの1枚でした。
そして、こちらのオーケストラの観客たちは…
「美しい足だ…みんな満足している」と。
え、そこに圧倒されてたの?!と思わず笑ってしまいました。
ドーミエが風刺新聞シャリヴァリに描いた挿絵です。
是非皆さんも一度、登場人物になりきって絵画を見てみてください!
思わず人に話したくなる吹き出しが思い浮かぶかもしれません(笑)
ルノワールの時代 近代ヨーロッパのひ光と影展は、8月21日(日)まで名古屋ボストン美術館で開催されています!