東京でも美術展を2つ。
森アーツギャラリーのラファエル前派展と、三菱一号館のザビューティフル展へ。
“世の中は汚いから、周りには美しいものを置いておかなければいけない”
そう、教えてくれたのは、ある監督さん。
美しい
って、なんだろう。
ミレイの描いたオフィーリアは、
ビアズリーの描いたサロメは、
ロセッティの描いたプロセルピナは、
なぜに、こんなに美しい…
一目惚れした男性の生首を持ち上げて、無理やりキスをするサロメのその表情は、何かに取り憑かれたよう。
ザクロの実を食べてしまい、地上世界と地下世界を交互に生きなければならなくなったプロセルピナに、
作者のロセッティは、当時の愛人、モリスの妻ジェインを重ね合わせた。
その瞳は、何を見つめているのだろう。
キッと結んだ口からは、決して言えぬ想いがあるのだろう。
“清く、正しく、美しく”
本当の美しさは、きっとその中には、含まれていない。
唯、美しく。