大エルミタージュ美術館展にて | 羽田沙織オフィシャルブログ「Art de vivre」Powered by Ameba

大エルミタージュ美術館展にて


モナリザのような、まるで聖母のような微笑みに、私は、なぜか、惹かれない。

アレッサンドロ・アローリのキリスト教会の寓意という絵に描かれた女性に、
今日はなぜか、とてつもなく惹かれた。

長いウェーブヘアーの女性が、裸の幼児を抱いている絵。

女性は聖母の装いだが、その表情からは、憎しみすらも感じられる。

なぜ、この絵の女性に惹かれたんだろう。



これは、ジョシュア・レノルズのウェヌスの帯を解くクピド

この女性のモデルは、ナポレオン戦争の英雄ネルソン提督の愛人として有名なエンマ・ハミルトン。

共に、夫、妻のある身でありながら、彼女は、彼の子供を産んだそう。

正しいことを、真っ直ぐにできること、
全てを包み込み聖母のように愛することは、素晴らしい。

だけど、間違ったり、憎んだり、そういう人間臭いことは、愛しい。

"美しさ"の中には、きっと、
悲しみや憎しみが潜んでいないということは、ないのだろう。