プロローグ  半世紀も前に亡くなったボクの祖母には、不思議な力がありました。

  咽喉に刺さった魚の骨の除去、紙と縄を使った”ものもらい(目コジキ)”の平癒。

  多岐にわたるソロバン占い、失くしたものを見つけ出す呪文の言葉。

ではビジネスダイアリー、アラカルト  

  ① その日 小学校の職員室で胸に差したはずのボールペン紛失。

    一子相伝の覚えたはずの あの言葉が出てきません。

    「ヒツジが一匹、ヒツジが二匹・・・」 違う。「ワン、ツー、スリー」 これが最悪!

    「セブン、エイト、ナ・ナ・7」じゃなく 「ナ・なんと ナイン(無いん)だ」

    職員室の床は固い。オトシタラ オトシテモ いいハズ。

    3つからないのに 9 まで数えて 窮した。

    車に戻るとありました。 くるまにくるまで気づかない。なんカー おかしい。

   ② 市役所にガソリンを納品しました。災害時の発電機用です。

     父の代から本や文具の業者のボクに、こんな声がかかりました。

     「ナカネさん 今日は本職ですね アブラ売るの」

   ③ でもトークを期待されるとプレッシャーがかかり閃きも鈍ります。

     ニュートンが重力を発見したのは リンゴ が落ちたとき。

     アルキメデスが浮力をを発見したのは風呂の中、何れもリラックスした状態。

     弁解は未だあります。     その日は金曜日でした。

     「沈黙は 金 なり、寡黙は美徳、これ日本男児の本懐、だから火、木、金は何も・・」

     「でもロシアでなくて良かった、あの国は 言わん(イワン)のバカ ですから」

              これらは全てボクのロシア訛りで トル―ストーリー。  トルストイ とも。

      (今更ながらの蛇足です”イワンのバカ”はトルストイの作品でもあります)

 

エピローグ  やはり  ヒラメキ が鈍ったでしょうか? 華麗 な過去が霞んできます。

  華麗 が 加齢 に変わるとき、問題なのは カレイとヒラメ の区別がつかない。

       そのせいか、今、浮かぶのは コロナショックではなく、四十数年も前の

                     オイル(老いる)ショック!