「それは食べても安全なのか?」

「健康に影響は与えないのか?」

「また環境に影響は与えないのか?」

日本人が非常に気にする言葉。

まぁそれだけ食・環境に対する安全性や影響がメディアを通して、

ほとんど毎日のように入ってきているわけなんだろうが。

本来は食品の安全性なんて当たり前のことだったんだが。

本来当たり前のことが今は当たり前でなくっている。

だからわざわざ気にしないといけない世の中になっている。

それもまだ最近のことなんだけれども。


* * * * * * * * * *


今回は遺伝子組み換え技術に関して、

環境に対しての「安全性」、

そして食品としての「安全性」、

この2つの「安全性」について語る。


まずは環境に対しての「安全性」から語る。
日本モンサントの研究農場は他の田畑から隔離されている。

遺伝子組み換え作物が自然に増えないように、

花粉等が圃場外の植物に影響を与えないようにフェンスや防風網で囲まれている。

この隔離圃場は、カルタヘナ法(遺伝子組み換え生物等の

使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律) に基づいて、

農水省と環境省に提出した栽培実験計画書と、

専門家の科学的審査の結果、認可を受けている。


この隔離圃場である河内研究農場では、

ラウンドアップ・レディーの大豆と

害虫抵抗性トウモロコシの試験栽培をしている。



大豆は自家受粉なので交雑の可能性は極めて低いのだが、

周辺への交雑防止措置として隔離距離を10m以上とって栽培している。

またこの遺伝子組み換え大豆を隔離圃場外に運び出す場合は、

密閉容器などに入れてこぼれないようにしている。


トウモロコシの場合、周辺の交雑防止措置として、

開花前の除雄、袋かけの等の措置を行っている。

また圃場外に運び出す場合は大豆同様密閉容器に入れている。


どちらの場合に対しても、

食べることはもちろん、収穫もしないことを原則としている。

焼却、あるいはすき込んで処理している。



農水省、環境省、そして専門家の科学的審査により、

「安全性」は確認されているという事実はあるが、それは人為的なものでしかない。

周囲はフェンスや防風網で囲まれているが、圃場から上を見上げればいつもの空が広がっていた。

圃場見学の際に、圃場専用の長靴に履き替えたり、

出る際は長靴を消毒したりする措置を取っているのだが、それは人間だけでしかない。

空からやってくる鳥や昆虫によって圃場外へ持ち出されてしまっている可能性もなくはない。

隔離圃場ということで、

どういうようにがっちりと隔離されているのかと思ったのだが、

本当にこれは「隔離」と呼べるようなものなのか不思議でならなかった。


環境への影響は今の段階ではないようだ。

だからといって安全性が確認されたわけではないだろう。

これから先の未来、どこかで影響が出てくる可能性も否定できない。


* * * * * * * * * *


次に食品としての「安全性」についてだ。

食品としての「安全性」は、2つの法律に基づいてる。

それは食品安全基本法と食品衛生法だ。

法律の上では「安全性」は確認されている。

ただそれは法律の上でしかない。


遺伝子組み換え作物は新しい遺伝子が組み込まれているということだ。

すでに書いたとおり、細胞ではなく遺伝子が組み込まれただけだから問題ないということだ。

しかし、新しい遺伝子が入ったことで、これまで働いていた遺伝子が働かなくなったり、

今まで働いていなかった悪い遺伝子が働き出したりはしないのか?

これに関しては、形、成分を調べて安全性を確認している。

また遺伝子はたんぱく質を作っているもとである。

これまで食べてきた食品に含まれるたんぱく質と同じように安全なのか?

これに関しては消化性やアレルギー誘発性など調べて安全性を確認している。


害虫耐性トウモロコシは、

アワノメイガという害虫がトウモロコシの茎を食べると死んでしまうのである。

害虫が食べると死んでしまう作物を人間が食べても安全なのか?

害虫が食べると、アルカリ性の胃で働きをもったBtたんぱく質が、

害虫の腸にある「受容体」にくっつき、その結果死んでしまうものである。

これはアワノメイガのみに対するもので、

他の昆虫、コガネムシやテントウムシは違う「受容体」を持っているので大丈夫なのである。

また人間を含む哺乳類が食べると、Btたんぱく質は酸性の胃で分解されてしまうのである。

しかも哺乳類の腸にはくっつく「受容体」を持っていないのである。


このように胃が酸性なのかアルカリ性なのか、「受容体」があるかないかで、

人間を含む哺乳類に対しての「安全性」は確認されている。


さて遺伝子組み換えばかりに目がいっているのだが、

同じ品種改良でも伝統的育種法の「安全性」はどうなのか?

普段スーパーで目にする農産物のほとんどというか全てが、伝統的育種法によるものである。

普通に買って食べているからなのか、その「安全性」について疑問を持ったことはないだろうか?

農薬や除草剤の使用有無、国産なのか外国産なのかで疑問を持ったことのある方は多いだろう。

しかしその作物となる前の伝統的育種法に疑問を持つ人はほとんどいないと思う。

それはなぜ?植物同士の掛け合わせだから?

伝統的育種法には安全性に対しての審査はない。

明らかに毒性を持つものや危険なものには品種登録される前に判断され排除される。

しかし経験上の安全性でしか判断されていない。

まぁ普段スーパーで目にする農産物は「安全」と言っても過言ではないくらいにはあるだろう。

この「安全性」がくつがえることは現在の化学レベルでは判明されることはない。


現在77品種(2007年7月20日現在)が食品と認可されている。

しかし遺伝子組み換え食品に対するマーケットの狭さから市場にはほとんど出回っていない。

また「遺伝子組み換え」表示義務のいるものはDNAたんぱく質が残るものだけである。

例えば、豆腐や納豆といったものだ。

油等のたんぱく質成分が残らないものには「遺伝子組か換え」表示義務はないため、

あれだけ毛嫌いしている遺伝子組み換え食品を私たちは少なからずどこかで食べているのである。

ポテトチップスとか食べたことあるでしょう?


* * * * * * * * * *


遺伝子組み換え推進派からの「安全性」を強く示す行為と、

遺伝子組み換え反対派(環境NGO等)からの「危険性」を強く示す行為はよく似ている。

環境NGO等からの遺伝子組み換えの「危険性」はメディアを通してよく聞いていると思う。

「危険性」の情報ばかり流して、「安全性」の情報はほとんど流さない。公平ではない。

あれだけ「危険性」ばかり流されると日本人は信じきってしまうだろう。

ただここにさらに推進派からの「安全性」の情報が流されると翻弄されてしまう。

情報に流されやすい日本人だから仕方ないだろう。

今回のこの「安全性」は遺伝子組み換え推進派からのものであり私自身のものではない。


* * * * * * * * * *


次回は、これから遺伝子組み換え技術に関しての私の考えを語る。