吉田珠姫 「青色蜘蛛」 | はすののブログ

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淫靡で妖艶なかつての同級生・光春に再会したとき、
鉄之助の運命は狂いだした。
「衛生博覧会」という催しに頻繁に出かけているという
鉄之助を、光春はすべてを悟ったように見つめてくる。
鉄之助は、そこに展示されている臀部の模型に
魅入られていて…。

光春は、洋卓ごしに鉄之助をジッと見つめました。
彼の目は、どうかすると緑色に見えるのです。
そういう彼の瞳に、覗き込むように見詰められると、
もういけません。
言いたくない、言いたくないという気持ちとは裏腹に、
口は操り人形のように勝手に動きだしていました。 「…………ウン。じつは……或る日の、ことなんだ」 
―― そして語り出す。
「衛生博覧会」に展示されていた、
臀部の模型の肌ざわり、肉感、
拒むようなきつい締め付けを
…あの変態的な情欲のあらましを――。
 
 
 
これ、本誌で読んでた。
そんで「吉田さんはやっぱりこういう、ぶっ飛んだ話の方が面白いなあ」と思った作品だった。
 
 
本誌で読んだ分だと、つんつん策士の腹黒女王受けかと思ったら・・・・
なーーーーんと書き下ろしで驚きの事実。
これ、最初からこんな設定じゃなかったでしょ!!
とは思ったんだけど、ツンツン女王が、実はでれカワユイ一途な乙女だったってのが
とーーーても可愛かったので良い良い。
 
でも、そんな人があーーーーんな大胆なことやっちゃったのねと、改めて思ったけど。
この本の面白さは巻末の金さんの漫画に集約。
金さんに大受け。
 
にしても、この攻めの鈍さときたら・・・・・・・・これはただのバカだ。
まあ、奇天烈でヘンテコな話だからいいけど。
 
私の大好きな「石黒氏」「神官」には及ばないけど、面白かった。
一応シリアスな話なんだけど、なんか二へ二へ笑いながら読んじゃった。
 
巻末の金さんの漫画だけでも、買って良かった本だった。