これは、わたしの犬だ。
神の娘の証である黄金の髪を持つ珠玲は、
男でありながら天姫として崇められていた。
だが、祖国を救い成り上がった将軍・朔に嫁ぐことになる。
すげなくしても一途な犬のように縋る眼差しで服従を誓うくせに、
褥では餓えた獣のように珠玲を貪る朔。
憎しみを募らせた珠玲は、敵国の間諜に騙され、毒を盛ってしまう。
死に瀕してもなお珠玲に執着する朔は、心中を強いてきて……。
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私は、本を読む前にまずパラパラと挿絵を見てしまうのだけど、
受けが攻めに殺されるシーンがあって、のっけから驚いた。
アンハッピーエンドなら読むのは中止、と思ったんだけど
ネタばれになるけど、タイムパラドックス物だった。
ただひたすら、受けだけを求めて生きてきた攻め氏の犬っぷりがいい。
この作品は何書いてもネタばれになってしまうけど、
少年時代、不吉な黒髪の奴婢として、ずっと蔑まれ酷い扱いを受けていた攻め(朔)は
まだ幼かった受け(珠玲)に助けられ仕えることになる。
その時に珠玲が「これは、わたしの犬だ」と言い張って貰い受けた。
このときのイラストが萌え死にそうな位可愛かった。
その後、珠玲のもとから姿を消し、数年後身元を偽り「救国の将軍」として珠玲を娶る。
敬われることはあっても、愛されることはなかった珠玲に
朔の思いが伝わるはずもなく、反発心しか湧かない。
それでもひたすら珠玲を慕って、まさに「犬」状態の朔。
今まで読んだ本の中では、この朔が一番犬っぷりが凄い気がする。
とにかく、ひたすら尽くして尽くして尽くしまくるが、少し暴走気味。
朔の想いが募るほど、珠玲はどんどん冷たくなっていく。
そして、敵国の罠にはまり・・・・・
と、ここからが話が展開していき、もちろん最後はハッピーエンド。
前半のツンツンから、後半のデレデレ甘甘への変わりようが面白かった。
私はひたすら甘いお話ってのが好きだから、とっても好み。
「悪夢のように幸せな」も良かったから、自作が楽しみ。