これは、鳩村さんの最高傑作でしょう
このところどこのサイトでも絶賛されていたこの作品。
まあ、まんだらけかブックオフででも購入しましょ……と思っていたんだけど
どこに行っても見ないし、キャラ文庫での欲求不満が残っていたせいか
結局今更になって、メイトで新刊買いしてしまったこの本。
買って悔い無し!!
実はこの作家さん今まで何冊か読んだんだけど、イマイチ認定だったのよ。
文章自体は破綻無く、すんなり読ませてくれるし、設定も無茶な事しないし、
「可もなく不可もなく」安心して読める作家さんではあるんだけど、イマイチ……
ただ、どこがどうかといわれると良くわかんないのよね~。
なので、他に読む本が無いときに、古本屋で手に取るけど、読んですぐまた手放すの繰り返し。
とはいえ、読破したわけではないので、ボチボチコンプ目指してみるかな。
こういうお話がまたあったら、ラッキー!
で、肝心の「このお話」はというと…
41歳の大学教授と33歳の美人サラリーマンの「恋愛未満」の物語。
しょっぱなの台詞で心をガシッと鷲掴みされちゃった。
攻め氏「僕が望んでいるのは……肉体関係込みの交際なんですが……?」
受氏 「大人ですから、それは当然ですね」
こんなことサラッと言っちゃう受氏なんだけど実は……
大真面目にコメディにしているところが、かえって切なさが浮き彫りになってきて
もうキュンキュンやられてしまう。
しっかり大人の男同士のお話なんだけどね、全然無理なく、
むしろ大人だからリアリティありまくり。
佐々木久美子さんのイラストがベストマッチ!!
野性味あふれる苦悩の教授と、天然でピュアで可愛い弥勒菩薩系リーマン。
世慣れたはずの大人が振り回される様が素直に楽しめる。
そして、用意周到に周りを固め、てぐすね引いて待っていたお邪魔虫君もいい奴。
結局策に溺れて油断してしまったお間抜けさんだけど、いい味出してた。
大きな事件があるわけじゃないんだけど、人物の心情が丁寧に丁寧に描かれている。
なんといっても「キャラクターの勝利」受氏最高!!
鳩村さんって、こんな本が書ける作家さんだったのね …… 見損なってたよ、ごめんなさい。
書き下ろしのおまけ作品とのギャップも最高!!
まだ読んでいない方、ぜひご一読を。
なんか優しい気持ちになれるよ~。