【桃さくら】 小説 | はすののブログ

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桃 さくら★★★★☆


鹿住槙さん、七瀬かいさん、桜海さんなどとともにプリッツ倶楽部で執筆。

まだまだBL作品が少なかった頃に、

斑鳩さんらと並んで、BLブームの牽引役を努めたといってもいい作家さん。


もちろん「JUNE(JUN)」を創刊し、BLジャンルを立ち上げた世代には及ばないものの

同人活動も含めると、かなり昔から書いている。


そういえば私「JUNE」「アラン」創刊号から買ってたんだよね、

全て20年近く前に処分しちゃったけど、今考えると惜しい事をしたなあ。


桃作品では「DEAD END」「ケ・セラ・セラ」「幸せ、それとも」なんかが

私のお気に入りなんだけど、このあたり、いわゆる三角関係ものというか、

3P、4Pありで、今のファンタジー的王道作品とは一線を画してる。

なんだか昔のほうが好き勝手に書いてるかもしれない。


リブロスから刊行された「僕のセクシャルハラスメント」はちょっとしたブームとなり

OVA製作のさきがけともなった。  … 実は持っていたりする。

「僕セク」は最近新装刊されて、続刊も出てやっと完結した。


初刊がこだか和麻さんのイラストで 1993年10月。

完結刊が北上れんさんのイラストで 2005年9月。

12年も経ったのね・・・・・


初期の方が面白い作品が多く、読み応えがあり、刊行数も多かったのだけど、

途中、作品数がぐっと減り、文庫で時々出版されるくらいになった。

この文庫が、私にはまったくツボに嵌るものがなく、「桃さんどうしちゃったのーーー!!」

状態がしばらく続いて、新作も出ないし、もうそろそろ作家買い外そうかと思っていた。


ところが最新作「艶やかに、あざやかに」がすごくいい。

久々にしっとりした、細やかな情と、生活感のある作品を読んだ。



期待の若手陶芸家×老舗の御曹司

この二人はストレートで、実に素直に恋愛をして恋人同士になるんだけど、

後継問題やら、家族の反対やら当然次々問題が起きてくる。

そのなかで、迷わずお互いを選び、年月をかけて周囲を説得していく。


書下ろしがなければここまでの評価はなかったんだけど、後半部分を書き足したことで

物語に深みと幅ができて、モロ私好みの作品になっていた。


結ばれたらそこで終わりの作品が多い中(もちろんそれはそれでいいの)

ここまでがっつり書いてる作品は余り無い。

色々書きにくいところでもあるだろうけど、主役カップルの性格の対比がとてもバランス良く、

心情も分かりやすく、キャラが全くぶれないので安心して読める。


久々に私の大好きな桃さんが戻ってきてくれた!!

こういう作品を書いてくれるなら、これからも新刊買いなんだけどね。