鹿住槙さん、七瀬かいさん、桜海さんなどとともにプリッツ倶楽部で執筆。
まだまだBL作品が少なかった頃に、
斑鳩さんらと並んで、BLブームの牽引役を努めたといってもいい作家さん。
もちろん「JUNE(JUN)」を創刊し、BLジャンルを立ち上げた世代には及ばないものの
同人活動も含めると、かなり昔から書いている。
そういえば私「JUNE」「アラン」創刊号から買ってたんだよね、
全て20年近く前に処分しちゃったけど、今考えると惜しい事をしたなあ。
桃作品では「DEAD END」「ケ・セラ・セラ」「幸せ、それとも」なんかが
私のお気に入りなんだけど、このあたり、いわゆる三角関係ものというか、
3P、4Pありで、今のファンタジー的王道作品とは一線を画してる。
なんだか昔のほうが好き勝手に書いてるかもしれない。
リブロスから刊行された「僕のセクシャルハラスメント」はちょっとしたブームとなり
OVA製作のさきがけともなった。 … 実は持っていたりする。
「僕セク」は最近新装刊されて、続刊も出てやっと完結した。
初刊がこだか和麻さんのイラストで 1993年10月。
完結刊が北上れんさんのイラストで 2005年9月。
12年も経ったのね・・・・・
初期の方が面白い作品が多く、読み応えがあり、刊行数も多かったのだけど、
途中、作品数がぐっと減り、文庫で時々出版されるくらいになった。
この文庫が、私にはまったくツボに嵌るものがなく、「桃さんどうしちゃったのーーー!!」
状態がしばらく続いて、新作も出ないし、もうそろそろ作家買い外そうかと思っていた。
ところが最新作「艶やかに、あざやかに」がすごくいい。
久々にしっとりした、細やかな情と、生活感のある作品を読んだ。
期待の若手陶芸家×老舗の御曹司
この二人はストレートで、実に素直に恋愛をして恋人同士になるんだけど、
後継問題やら、家族の反対やら当然次々問題が起きてくる。
そのなかで、迷わずお互いを選び、年月をかけて周囲を説得していく。
書下ろしがなければここまでの評価はなかったんだけど、後半部分を書き足したことで
物語に深みと幅ができて、モロ私好みの作品になっていた。
結ばれたらそこで終わりの作品が多い中(もちろんそれはそれでいいの)
ここまでがっつり書いてる作品は余り無い。
色々書きにくいところでもあるだろうけど、主役カップルの性格の対比がとてもバランス良く、
心情も分かりやすく、キャラが全くぶれないので安心して読める。
久々に私の大好きな桃さんが戻ってきてくれた!!
こういう作品を書いてくれるなら、これからも新刊買いなんだけどね。