私の実家はものすごーーーーい田舎。
今でも一番近いスーパーは2キロ先、コンビニは6キロ先(コンビニではないね)
小学校の頃は片道3キロを歩いて通った。
今その小学校も全校生徒合わせて30人ほどと過疎化は進む一方。
まあ、のどかさだけがとりえのようなそんな土地。
大体どこの家も犬か猫を飼っている。
今はペットとしての認識だけど、私が子供の頃は、それこそ実用のために飼っていた。
犬は番犬、といっても人間用ではなく猪や猿用、農作業の助手、
山歩きのお供、猫はもちろんネズミ捕り要員とそれなりに家族に貢献。
我が家にももちろんいた。シャムネコのレオ君。
ずーと昔のことだから、村に始めて来た「青い瞳の猫」だった。
訪れるお客の中には「狸が逃げたぞー!!」と叫ぶ人もいたくらい珍しかった。
なんたって狸の方が珍しくないんだからね。
室内飼いなどではもちろんなく、山でも畑でも遊び放題。
10日も山に入って帰らなかったときはさすがに心配したけれど、
当のレオ君は丸々太ってケロッとして帰ってきた。
ねずみも捕っていたけれど、わざわざ見せに来るので嫌がられていた。
今考えるとずいぶん変なものが好物の猫だった。
ほうれん草のおひたし、柿、梨、キャベツの千切り、五目寿司の具
チョコレート、カステラ・・・・
でも病気もせず、8キロもある元気な甘ったれ巨大猫に育った。
そして私が都内の大学に通うため上京。叔父の家に下宿。
レオとも離れ離れになってしまった。
しばらくは電話で私の声が聞こえると一生懸命探していたそうだ。
そしてある晩夢を見た。レオが布団に入る夢。
隣の部屋の従妹に私の声(寝言?)が聞こえたそうだ。
「レオ、入るの? こっち入れば?」というようなことを言ってたらしい。
もちろん私は何も覚えていない。なんせ寝てたんだから。
そして次の日実家からの電話で、レオの死を知らされた。
10歳で、まだ寿命には早かったけど、特に具合が悪くもなく急だったらしい。
会いにきてくれたんだろうなあ。
マクンも可愛いけど、一番印象に残っているのはこの「レオ君」である。
マクンには長生きして欲しいもんだな。