佐藤七海選手優勝!(世界大会3日目) | 極真会館八王子みなみ野道場のブログ

極真会館八王子みなみ野道場のブログ

国際空手道連盟 極真会館
東京城西国分寺支部
八王子みなみ野道場のブログです。
℡.042-638-0677
〒192-0916 八王子市みなみ野3-2-13ビル2階
メール r.t.minamino@gmail.com

11月19日(日)、世界大会最終日、ついに男女の世界王者が決定いたしました。

 

総本部公式サイトから結果を引用いたします。

 

11月19日(日)第13回全世界空手道選手権大会 結果

 

✚日本赤十字社 災害義援金チャリティー
第13回オープントーナメント全世界空手道選手権大会
2023年11月17日(金)~19日(日)/東京体育館

■男子
優勝 1st Place/イエロメンコ・アレクサンダー EREMENKO ALEKSANDR(I.K.O.RUSSIA)
準優勝 2nd Place/西村界人 NISHIMURA KAITO(I.K.O.JAPAN)
3位 3rd Place/ルジン・アンドレイ LUZIN ANDREI(I.K.O.RUSSIA)
4位 4th Place/トゥセウ・アントニオ TUSSEAU ANTONIO(I.K.O.FRANCE)
5位 5th Place/ザガイノフ・イゴール IGOR ZAGAINOV(I.K.O.RUSSIA)
6位 6th Place/コバレンコ・コンスタンティン KOVALENKO KONSTANTIN(I.K.O.RUSSIA)
7位 7th Place/エキモフ・マキシム EKIMOV MAKSIM(I.K.O.RUSSIA)
8位 8th Place/フェドシーブ・アレクセイ FEDOSEEV ALEKSEI(I.K.O.RUSSIA)
敢闘賞/岡部慎太郎 OKABE SHINTARO(I.K.O.JAPAN)
技能賞/佐藤拓海 SATO TAKUMI(I.K.O.JAPAN)
    山上大輝 YAMAGAMI DAIKI(I.K.O.JAPAN)
試割賞/ゴリウシキン・ダニル GORIUSHKIN DANIL (I.K.O.RUSSIA=28枚)
若獅子賞/コストフ・ボゴミル KOSTOV BOGOMIL(I.K.O.BULGARIA)


■女子
優勝 1st Plece/佐藤七海 SATO NANAMI(I.K.O.JAPAN)
準優勝 2nd Place/鵜沢菜南 UZAWA NANA(I.K.O.JAPAN)
3位 3th Place/ザベリナ・エリザベータ ZABELINA ERIZAVETA(I.K.O.RUSSIA)
4位 4th Place/コズロワ・エカテリーナ KOZLOVA EKATERINA(I.K.O.RUSSIA)
敢闘賞/カザリアン・アレクサンドラ KAZARIAN ALEKSANDRA(I.K.O.RUSSIA)
技能賞/佐藤七海 SATO NANAMI(I.K.O.JAPAN)
若獅子賞/スベトロワ・エカテリーナ SVETLOVA EKATERINA(I.K.O.RUSSIA)
     イッサ・マリナ ISSA MARINA(I.K.O.BRAZIL)
     森岡優海 MORIOKA YUMI(I.K.O.JAPAN)
     小木戸琉奈 KOKIDO RUNA(I.K.O.JAPAN)
     所 羽奈 TOKORO HANA(I.K.O.JAPAN)

 

 

 

 

佐藤七海選手、ついに世界無差別級王者となりました!

 

4回戦のクセニア・ザソリナ選手、準決勝のエリザベータ・ザベリナ選手ともに170超える長身かつハイスピードに強烈な攻撃を繰り出す選手でしたが、佐藤選手は試合開始から飛び回るようにフットワークを使い、致命打を避けつつ、同時に強烈な振り打ちを見舞い続け、見事に優勢勝ちを収めました。

両選手ともに対佐藤七海として、フットワークを潰す意図で最初から猛然とラッシュを仕掛けてくる中、序盤にペースを握られかけても、中盤に冷静に有効打を積み重ね、終盤では4年前にはなかったパワーで盛り返し、ギリギリの攻防の中、強い気持ちで勝ちを掴み取っていました。

 

決勝戦は、全日本選手権の決勝で過去二度闘っている鵜沢菜南選手との三度目の対戦となりました。

過去一勝一敗。若手の鵜沢選手が昨年の全日本では佐藤選手に勝っています。

疲労困憊の中、2人とも気持ちが折れることは全くなく全身全霊をぶつけ合い、本戦、延長戦、引き分け。

再延長戦でも4人の副審の判定が赤白2対2と割れ、会場が大きくざわめきました。

関係者全員の頭に、前回の世界大会決勝、再延長戦引き分けからの試し割り判定負けが一瞬よぎりましたが、今回主審は赤をコール、佐藤七海選手の世界大会優勝が決定しました。

 

海外からの観客も含めて、佐藤選手の優勝に会場は大いに沸いていました。

IKOロシア勢も自分たちのチームの選手が負けるのは看過しがたいことだと思いますが、クセニア選手が敗れたときにもエリザベータ選手が敗れたときにもブーイングすることはなく、「あの体格差の中であそこまでやられたのなら仕方ない」という、ある種の敬意が感じられました。

佐藤選手は身長156㎝、いわば普通の日本人女性の体格です。選手としては日本人の中でも小柄です。

「人はここまでできるのか」という、大げさに言えば人の可能性のようなものを見せつけてくれました。

日本人のみならず、全世界の軽量級に希望を与える優勝でした。

 

 

 

男子は、世界大会4度出場、IKOロシアの英雄アレクサンダー・イエロメンコ選手が優勝しました。

イエロメンコ選手も前回大会は準優勝です。今回の世界大会は男女ともに前回の準優勝者が優勝する形となりました。

決勝戦、IKOジャパンの西村界人選手も延長戦の最後の最後まで猛然と闘い抜いていましたが、イエロメンコ選手の世界大会に懸ける想いが勝りました。

しかし、海外勢が「佐藤七海なら納得」と思うように、日本の応援団も「イエロメンコなら納得」という空気で彼の優勝を祝福していました。

 

佐藤選手、イエロメンコ選手ともに、所作や闘い方が武道家然としていて、自身が反則攻撃を受けてもアピールすることなく、そして長いキャリアの中で気持ちが折れるところを見せたこともなく、空手の選手として非常に品格があります。

身も蓋もないことを言えば、大会が開催されれば誰かが必ずチャンピオンになります。今回、男女とも人間的に素晴らしい選手が王者となり極真会館を代表する顔になってくれたことを、極真の一会員として誇らしく思います。

 

 

 

 

森岡優海選手も高校生ながらに奮戦し、見事に若獅子賞を獲得しました!

選手活動、部活動、勉強と、全てに対して一切手を抜かずに取り組み、さらに空手の行事がある際には積極的にスタッフとしても駆けつけてくれています。彼女もまた人格的に素晴らしいです。

空手の選手としても非常に将来有望ですが、このバイタリティと真面目さを以てすれば今後何をやっても上手くいくのではないでしょうか。周りも応援したくなりますしね。

 

空手において2人を長年育ててきた南大沢道場の川嵜雅央師範も、少しは肩の荷が降りるかもしれません。

常に道場生の未来のことを考え、悩み、全日本王者を抱えるプレッシャーと闘い続け、特にここ10年ほどは佐藤選手を世界王者にすべく本当にご苦労されている様子がうかがえました。

東京城西国分寺支部だけでなく、極真会館全体の大功労者だと思います。

これからまだまだお忙しくされることと思いますが、微力ながらこちらも支部職員として協力していきたいです。

 

また、自身も名選手であり、妹として佐藤七海選手を支えていた佐藤凜初段も今回報われて本当に良かったと思います。

世界ウエイト制大会の決勝戦を姉妹で闘ったりと、選手としてはライバル関係でもありましたが、苦楽をともにした家族の物語として最高の結末になったのではないでしょうか。

 

 

 

私(戸谷)は、実は昔から佐藤選手とはあまり接点を持たないようにしていました。

佐藤選手は小学6年生から国際青少年大会を連覇し続けていて、中学生2年生あたりには支部の中でも将来有望な選手として有名になっていました。

もしこちらが下手なアドバイスや声掛けをして、佐藤選手が真面目な性格ゆえに万一それを真に受けて悪影響が出てしまったら…と考え、意識的に声を掛けることを避けていたのです。(非常に情けない話ですが)

佐藤選手は江口師範、川嵜師範、倉成先生、そして選手稽古をともにするチームに長年しっかりと支えられていました。こちらは無責任な立場でただただ応援していました。

全日本大会や世界大会の大トリに自分の支部の選手が出てくる。しかもその選手がみんなから愛されているという、非常に幸せな時間を過ごさせてもらいました。

 

世界大会表彰式の際の私と小野先生の会話もひどいもので、

「奨学金(優勝賞金)かぁ…全部有馬記念に突っ込んでくれないですかねぇ」

「いや、ジャパンカップでイクイノックス全額単勝だったら確実だよ!勝負師なんだからやってくれなきゃ!」

「鈴木もぐらがマネーのクズで借金してアイビスサマーダッシュ単勝100万やってましたね!」

と、ずっとそんな話で盛り上がっていました。

つくづく我々との接点は薄くて良かったと思います。

 

 

 

佐藤選手はここからまた世界チャンピオンとしての仕事が沢山あると思います。

松井章奎館長が大会の表彰式の度に、入賞者たちに「ここから君たちの有り様が試される」とおっしゃっていますが、まさにその通りなのだと思います。

プレッシャーのかかることでもありますが、佐藤選手が世界チャンピオンの称号に潰されてしまうこともスポイルされてしまうこともないと確信できます。

今は一旦休んで、ゆっくりと展望を考えてほしいですね。

 

世界大会および国際エリート大会の出場選手の皆さんはお疲れ様でした!

連日スタッフやセコンドに駆けつけてくれた皆さんもありがとうございました!

なにはともあれ良かったです!