裁判員制度と知的障害者ほか | カラダにピースのブログ

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茨城県のどこかにある障害者支援施設に真面目に勤めるそれなりの立場の職員のつぶやきです。

 今朝の読売・朝日の各朝刊には、裁判員制度から8年経ち、辞退率が増えたという報道が大きく掲載されていました。

 私はこの制度ははじめから国民にはなじめない制度で、経費ばかりかかるんじゃないかなって否定的な見方をしていたんですが、ん~辞退率が7割に迫ってくると、少し考え直す時期ではないのかなって思います。

 

 私なら、裁判所から通知がくれば喜んで審理に参加しますけどね。

 そんな裁判員制度ですが、実は制度開始から1年後に、何とウチの施設の入所者の一人が裁判員裁判の候補者に選ばれたんですよ。

 

 こういう制度は、参加が原則で、相当の理由がある場合のみ辞退できる性質のものです。

 裁判所からの封書には通知文とともに調査書が入っていて、(裁判員への)就職禁止事由に該当していないか、とか、疾病や障害で審理に耐えうることができるかなどが調査されます。

 

 何せ重度の入所者であるがゆえに、現実的には、付き添いが必要になるとか、識字や読解力にムリがあるとか様々な課題に直面することにすぐに気が付きます。何より極刑にかかわる事案だって審理する可能性もある。申し訳ないが極めて高度な判断力を求められる審理を知的障害者が担うのはムリです。   

 調査書に上手く記入し、最終的にはくじで選ばれたとしても、裁判所の判断で選ばれることないでしょう。

 

 なので、結論から言えば、当時の法人最高経営責任者の判断で辞退いたしました。

 

 現行制度では裁判員の年齢条件は20歳以上になっていますが、近い将来18歳になることは予測できます。全国の18歳以上の療育手帳(知的障害者手帳)交付台帳登載者数は75万人。

 国民全体から見れば0.6%…。

 ん~、これが5%を越えてくるなら、“知的障害者も参加”って機運が高まらなくもないけど、今後もないな、たぶん。

 

  

 

 今度は別の話題。

 

 この仕事を20年近くしていると、ホントよく身体にキズをつくるんですね。

 私の手には無数のキズの跡があり(ほとんどが指導員・支援員時代につくったもの)、酒を飲むとそのキズがアルコールに反応するのでしょうか、赤く浮き上がってくるんですよ。

 

 先週も、ちょっと油断していたら突然身体の一番でかい自閉君につかまれましてね…。

 施設長になってもなかなかキズとは無縁にはなれんな(笑)

 しかもよく見ると彼の爪には俺の表皮がぶら下がっているではないか…。利用者や女子職員の顔じゃなくてホントよかったよ滝汗

 

 まあ、こういう行為には必ず直前に何かきっかけになるものがあって、あとからその原因がわかった。  

 こりゃ、防ぐのムリだと思ったね。

 

 まだ、この程度でよかったものの、地域社会、例えばイオン店内あたりで一般客にこんなことしたら、ただでは済まされまい…。

 彼らを見ていると、まだまだ「障害者支援施設(入所)はどうしても必要だと本気で思いますね。

 

 今、国は入所施設から地域移行を目指すことに力を注いでいます。

 矛盾を感じる方もいるかもしれませんが、知的障害者の人権を守るためには、実は障害者支援施設がどうしても必要なんです。

 

 その本当の意味はこの仕事を長く勤めながら、人権問題を突き詰めて考察していくうちにわかってきますよ。

 (結局のところ、国・政治レベルで有識者がどんな議論を交わしたところで、入所施設がなくならないどころか減りもしないというのは、そういうことなんです)

 

 

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 昨日のミドル級王座決定戦の判定。

 判定結果に批判的な意見が多いようですが、具志堅、渡嘉敷、渡辺二郎の時代からのプロボクシングファンの私の判定は、小差で村田選手の負けですね。

 

 村田選手はよく健闘しましたが、とにかく手数が足らない。物足りないです。要はスタイルがアマチュアなんですよ。

 WBAは有効打だより手数がポイントとなることがわかっていれば、もっと攻略の方法があったのではないかと思いました。アマではなくプロですからね、エンダム選手はパフォーマンスが上手だった。これがプロですよ。ただ、WBAも採点方法の統一が必要です。あまりにも判定が人によって偏りすぎです。

 いずれにしても、ミドル級にはゴロフキンという、カザフスタンの最強王者が君臨していますから、ちょっと二人の力では手に負えないなって感じはしましたね。

 村田選手に黒星はつきましたが、まだこの階級では若いですから、クレバーに成長してほしいと思います。