あの日。 | 料理人HachikoのBuona giornata ~イタリアで深呼吸~

料理人HachikoのBuona giornata ~イタリアで深呼吸~

 ☆イタリア料理に魅了され、現地イタリアで、楽しいこといっぱいあって、少しづつ、いろんな経験をし、変わっていく、一人の料理人の成長記録☆

    トリノで有名な映画博物館へ時間があったので行く事にした。


  

  定期的に、テーマを変えて展示してるみたいで、もうトリノに居るのもあと一週間だし

  

  今日しかないと思い、着いた途端、笑いました。




    ここは紛れもなく、イタリアです。 


 


      日本から9000kmです。


 


     ポスターに書かれていたのは、


             


        「Manga Impact」 



          manga?  


   

          まんが?!  




        紫色に輝く、あの人像。 


 


        それは、完全に  


 


        ・・・・エヴァンゲリオン初号機。


   



      天性のタイミングです。


 

        別に好きとかではありません。 なんとなくそう言うしかない気がしたんです。  



         まぁせっかく来たしって事で、中に入った。   


 





  フロアーは2つに分かれてて、初めに昔系のフロアー、その後現代系フロアー。 




    あ、その前に、博物館とはあまり関係ないけど、トリノの街を一望できる展望台もあったんで、


   先にそこに上った。  いつも、何気なく歩いていた道だけど、


  


   上から見ると、なんか不思議な感じ。 


 


       夕暮れ時だったから、すごいキレイだった。  


 



    あとこの街も残り一週間だと考えるとちょっと感慨深いものがあった。  





      ただこれを見るのやっぱりひとりはちょっとさびしい。  


 



    っと、ここまでは、普通の観光話。  


 




    話は、博物館に移り、はじめの昔フロアーを見ていたときです。


  


   いろんな展示物は、予想以上に見ているとおもしろく、意外にじっくり見ちゃいます。


 


   昔フロアーも終わりに差し掛かり、そろそろ現代フロアーに移るころ、


  一人のある女の子と出会いました。  どうやら、その子も外国人みたいだった。  


  


    なんとなく僕と見て周るスピードが同じくらいで、初めは気にしてはいなかったけど、


   その子にさっきから、追い抜かれたり、追い越したりしてるなぁっと思った。  





      そんなことが何回か繰り返され、現代フロアーのあるブースで、


                      壁に映画館の座席が直角にくっついてる展示物があった。 




 

   なんか意味あんのかなぁ?と思い俺が、ボーっとそれを見ていると、  


 




     「その席空いてますよ^^」


 



           と、後ろから、たどたどしいイタリア語が聞こえてきた。  


    



        その子です。


  



       ニコニコして、すごい感じのいい子だった。     


  


   僕は、  


     「ありがとう。 あなたの分の席もありますよ^^」と答えた。  


  


     これが最初の会話。  



     そのあとも、追い抜かれたり、追いついたり。 


  



    そのたびに、なんとなく、またあったねみたいな感じで、声をかけあい、


 いつのまにか、自然と、お互いの唯一の共通言語であるけど、用は足りていない言葉で、


                   ときおり会話をし、一緒に周るようになった。  





             その子がイギリス人であること。 


             


             自分が日本人であること。 





           その子はバイオリニストで、コンサートのために、イタリアに来ていること。 





             俺はコックで、料理の勉強のためにイタリアにいること。  





                    その子は、漫画のことまったく知らないこと。  





             その漫画は、日本のものだと言うことを俺が知っていること。


 


           結局、一時間くらい、自分のペースが早ければ、相手を待ってる


         そんな不思議な感じで、すべてを周り、それは、博物館を出ても同じだった。  




     夕飯を予約していた店と、その子のホテルの方向が同じだったから、一緒に歩いていた。 


 






      ただ一時間の間に変わったことは、


        



         相手が自分の話を理解しているかどうかは、あまり重要ではなくなってたことだった。  




          もはや、その時、その子は英語を話してた。ときどきイタリア語も交えて。 




                    どうやら、話を聞いてほしいみたいだった。 






    英語わかんないけど、知ってる単語と、顔の表情でなんとなくきっとこんなことを言ってた。  


   



   「あなたが私の話してる事を理解できないのは分かってる。 


       でも、話を聞いてくれる人がいて、話をできるから、今日はパーフェクトだよ。  


               ただ本当は、ちょっとわかったほしいんだけどね。 


            私は一人で話してるから、テレビみたいなものだね。」的なこと。





         あと、その話が、少し悩みみたいな事を話してるのがなんとなくわかること。   






        時々、車道のほうを歩いてた俺が、車に跳ねられないか心配してたみたいで、


                             車が来ると、歩道のほうにひっぱってくれてた。   




           とにかくその子は、一生懸命に話してた。 そのときの僕はというと、


 




         ただ、ほとんどわかっていない話に、相槌をうつことしかできませんでした。



 


  大きな広場に出て、お別れのとき、  




      「話を聞いてくれてありがとう。」


                      って言われた。


 



      「俺は聞くのが得意だから。」


                         と答えた。  





         それで、握手をして、メールくれってことで、アドレスをくれた。






      別れてから、ゆっくり夕飯の店まで歩きながら、僕はほんとに悔しくてたまんなかった。 


 



      今までも、話わかんなかったことはいっぱいあったけど、


         あんな一生懸命に話してくれる人は初めてだったから、




       それなのに、何も話せなかったのが悔しかったのです。


                            ほんとにちょーデビルな気分だった。。。


 




 (もう決めた!!!! わかるとかわかんないとかかんけーない!!!  しゃべってやる!!!)


 



  リストランテについた。 


そこはイタリアに来て、初めの一ヶ月、同じ釜の飯を食った仲間が、来週から働くお店。 




  俺がついたときは、まだ他の客は誰もいなくて、俺ひとり。 とにかくできるだけしゃべった。  


     仲間のこと、自分が働いてる店のこと、料理のこと、自分が一週間後にトスカーナにいくこと。


        そんなこと話した。 





 きっと文法なんてむちゃくちゃだったかもしんないし、単語だって、合ってるのかどうかすらわからん。



  


         でもたぶん伝わった。    





      そして、とんでもない偶然がここでも起きた。  




   以前インターネットで、トスカーナで有名な肉屋さんを見たことがあって、


       トスカーナに行ったら、絶対行ってみたいとこの一つに入っていたところがあった。





   なんと話をしてると、そこの店の主人と、肉屋さんが、知りあいであることがわかった! 




     ほんとにびっくりした。




 店の奥に主人が消えて、しばらくすると、何枚か写真を持ってきた。




     昔の肉屋さんの写真だった。 


                          それをくれた。  




    主人は


       「これもっていきな^^」  


    僕 


       「裏にメッセージ書いてくれ」  




   主人は快くメッセージを書いてくれて、   


       「行った時は、肉屋の家に泊まらせてもらえ^^」


       って笑って言ってた。

 



    もうこうなったら、僕メッセンジャーになります! そんであわよくば、まじで泊めてもらいます!  






   ちなみにその肉屋はもしかしたらコックは知ってる人がいるかもしれない。


 


   店の名前は「DERIO CECCHINI」 panzano in chiantiでトンノ ディ キャンティを作ってる方です。  


 





俺は、腹いっぱい食べました。 リストランテだし、メニューも見たし、


大体どのくらいかかるのか、見当はつけてます。  お会計をお願いすると。また笑顔で



           「30ユーロ^^」     




        「え??」 



       まじで聞き返しました。



          そしたら、かっこよく、来客を接客しながら、ウインク!  


  


         まじかよ!  





      すげーおまけしてもらいました。


 帰り際、厨房のかたにもお礼をいって、お店の他のスタッフのかたにもお礼を言って帰ろうとしたら、


          主人はわざわざ外まで出てきてくれて、またねっていってくれた。 





       トリノに戻ったら絶対くるよ!ご主人!


 







    帰りはもうあのデビルな気持ちはなく、


  

     なぜかそのときに頭の中を流れてたBlack eyed peasの「i gotta fellin'」を



                         鼻歌で歌いながらトリノの最後の夜の街を帰った。 




      


          なんで鼻歌かっていうと、





        英語わかんないから^^  





            あの日、ほんとに大きなことに気付かされた。





        今までは、文法とか単語とか、そういうの覚えるのばっか考えてた。 


         でも、ほんとうに一番大事なのは、きっと伝えたいっていう”気持ち”なんだな。  




              そのことを気付かせてくれた、あの女の子と、主人に、  



                              言葉では言い表せないくらい感謝です。          


 


                           Grazie mille a voi!!!!!


イタリア料理人、hachikoのBuona giornata