※ネタバレしていない自信がないので、ミュージカル観劇前、原作未読の方はご注意ください。

 

 

第一弾、第二弾、第三弾もよろしければ↓

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに「読後妄想」も第四弾までやってまいりました。

 

一応、これが最終章の予定です。

 

 

 

最終章ということで、まず「白状」しておきたいことがありまして……

 

 

 

実はこの「読後妄想シリーズ」、もともと今回のテーマである「レベッカとダンヴァース夫人の関係」について考え出したところからはじまったものなのです。

 

 

 

それでね……私……

 

 

 

「激重主従関係」にグッ……とくる人なんですよ。(?????)

 

 

 

 

 

レベッカとダンヴァース夫人は「主従関係」で、従者側のダンヴァース夫人からめちゃくちゃ特大な感情の矢印が主人側のレベッカに向けられている、というのがこの作品の大きな見所の一つでもあるわけですが……

 

 

一人の主人に対するドロドロの感情に、主人を亡くしてもなお溺れ続けている従者……

( ´∀`)bグッ……!

 

 

私が『レベッカ』どハマり人間になってしまったのも、この「ダンヴァース夫人→→(特大矢印)→→レベッカ」にグッ……ときてしまったことが大きな要因なのですよ。

 

 

 

で、ですね。問題はここからで。

 

 

従者から主人へ特大矢印が向いている構図も大好物なのですが「そのうえで実は主人側から従者側へも特大矢印が向いていた」という展開が大大大好物なのです私……

 

 

 

 

鋭い方はそろそろお気づきになられたかもしれませんが、そんなわけでですね……

 

実はこの「読後妄想シリーズ」は……

 

 

 

「レベッカからダンヴァース夫人への感情の特大矢印」があってほしい!あったことにします!!いや、あったことにしてみせます!!!炎炎炎

 

 

という、私の癖(へき)もとい個人的な強い願望を叶えるべく、その願望と原作の、ちょっと強引なつじつま合わせのために生まれた企画でございます昇天

 

 

そんなこともあって、「考察」や「分析」などという言葉を使わず「※あくまで妄想です」という思いを込めてずっと「妄想」という表現を使い続けていた、というのもあったり……にっこり

 

 

いやー、「第一弾」を書き始めた時は、こういう見方もできて面白いなと思ったことを、ただ思いつくままに単発でいくつか投げていこうと思っていたんです。

 

「レベッカとダンヴァース夫人の関係(レベッカからの矢印も見えたらいいな)」の妄想も、その中の一つとして投稿できたらいいな(そしてもしいらっしゃったら私と同じような癖の方にちょっと刺さったら嬉しいな)くらいの気持ちでいたんですよね。

 

 

 

そしたらなんだか、「レベッカとダンヴァース夫人」について妄想するのがどんどん楽しくなっちゃって、あまりにも内容がモリモリ膨らみすぎてしまい、これは章立てしないとわけが分からないぞ……と自分でも思うくらいの長さになったので、小分けにした結果、単発ではなく続きものになってしまった、という昇天

 

 

そんな、「読後妄想シリーズ」のとっても不純な成り立ちのご紹介でした←

 

 

 

なぜはじめに「白状」したかといいますと、このあとはいつにも増して私によるだいぶ癖強めの妄想が展開されることになり、読んで下さっている皆さまを置いてけぼりにする可能性がとても高いな……と思ったので(何を今さら、という気もしますが)、先に方向性を示しておきたくてですね……

 

 

 

 

 

……とにかくそんなわけで!

 

白状もしたことだし開き直りまして(?)

 

いえ、改めまして

第四弾であり最終章のテーマは

 

 

 

「レベッカとダンヴァース夫人」について妄想してみる。

~きっとレベッカもダンヴァース夫人に特大の矢印を向けていたと思うんです!!!~

 

 

です。(大まじめの顔)

 

突き進みます。よろしくお願いします!!!

 

 

 

_____

 

 

 

本編の書き出しにあたって、いったん今回のテーマともつながっている「第二弾」と「第三弾」について振り返っておきます。(前置きが長くなったからね)

 

 

 

第二弾は「なぜレベッカはハネムーンの段階でマキシムに本性を明かしたのか」がテーマでした。

 

「観劇記」を書きながら出てきた疑問ではあったのですが、このテーマにした本来の目的は「なぜレベッカは“マキシムに本性を明かしたこと”をダンヴァース夫人に伝えなかったのか」←この部分を第四章に向けて引っ張り出しておくことにありました。

 

 

 

第三弾は「レベッカがなぜ“ミセス・ダンヴァース”という偽名を使ったのか」について妄想しました。

 

……このあたりから、私の「レベッカからの矢印」への願望が見え隠れしていますね??(隠れてはいないが?)昇天

 

妄想の結果としては、レベッカが“ミセス・ダンヴァース”という偽名を使ったのは「理想の死」の達成に計算違いが起こった時のための「仕込み」であり、マキシムを地獄に落とす最後の手段としてダンヴァース夫人にマンダレーの屋敷を燃やしてもらうための、ダンヴァース夫人だけに伝わるサインだった……としました。

 

 

 

 

じゃあなぜレベッカは、「最期の手段」になり得るほど信頼していたダンヴァース夫人に、“マキシムに本性を明かしたこと”を伝えていなかったの?

 

そこのつじつまが合わなくない??

 

 

 

 

 

 

 

…………合わせにいきましょう!!!!

(ツッコミは不在です)

 

 

 

ということで、今回はそのつじつま合わせの妄想をしていきたいと思います。

 

 

 

 

第二弾で触れましたが、「わたし」に対する発言から分かるように、ダンヴァース夫人は本気でマキシムがレベッカを愛している(レベッカが亡くなった後も愛し続けている)と思っているようでした。

 

マキシムがファヴェルにマンダレーへの出入りを禁じたのも、レベッカを愛するがゆえの嫉妬からだと、ダンヴァース夫人は信じ込んでいる様子。

 

こういったところから、ダンヴァース夫人は、レベッカが自分の本性をマキシムに明かしたうえでマンダレーを質にして取引をしている(マキシムから憎まれている可能性がある)とは全く思っていない=ダンヴァース夫人はレベッカからこの件を明かされていない、と私は読み取っています。

 

 

 

改めて読んだときにこの↑部分をすごく不思議に感じたんですよね。

 

 

ダンヴァース夫人は自分の知らない「ベーカー」という名前が挙がった時に「ご存じないはずです。一度も聞いたことがない名前です」と断言するほど、レベッカは全ての情報を自分と共有している、自分たちの間に隠し事はないという自信があるように見えます。

 

 

あくまでダンヴァース夫人の回想の言葉からの印象ですが、レベッカはかなりセンシティブな内容の話までほとんどのことを「笑い話」としてダンヴァース夫人と共有していたようでした。

 

 

なのになぜ、本性を明かして取引した件をダンヴァース夫人は知らないっぽいんだろう??

 

 

それこそ「笑い話」としては格好のネタになりそうだし「あの時のマックスの顔wwwこれ以上ないほどケッサクだったわよwww」とか、ダンヴァース夫人に話しそうなものなのに。

 

 

 

というか。

 

そもそも私はどうして「レベッカがダンヴァース夫人にこの件を共有していないこと」にこんなに違和感を持つんだろうな???キョロキョロ

 

レベッカが気まぐれで言わなかっただけ、ということもあるかもしれないのに。
 

 

 

 

……と、思って気付きました。

 

多分これ、ダンヴァース夫人が回想していた、レベッカが10代の頃の印象のせいだな、と。

 

 

 

 

馬4頭が引っ張って走っている馬車の上で手綱を取り合ってファヴェルを馬車から落っことしたり

 

暴れ馬にまたがって馬が血を吐くまで乗り回して「これで思い知ったわよね、ダニー」とか言っちゃう

 

……成長の方向が斜め上だよね、レベッカ。

 

 

そうなのだ。

方向が斜め上だろうとなんだろうと「成長」した姿ではあって。

 

私には初読からこの部分で、「ダンヴァース夫人に自分の成長を見てもらいたい育ち盛りレベッカ」が浮かんでしまって仕方がないのです。

 

「見て!こんなこともできるようになったよ!褒めて!」みたいな。

 

なんだかちょっと、子が母に向ける自己顕示欲みたいな。

 

 

 

 

 

母、といえば。

 

レベッカが11歳(まだ12歳にもなっていない)の時には、ダンヴァース夫人が側に仕えている。そしてこの時、すでにレベッカの母は他界していることが示唆されています。

 

レベッカが何歳の時に母を亡くして、何歳の時にダンヴァース夫人が仕えはじめたのかは分かりませんが、レベッカの母代わりの存在としてダンヴァース夫人が雇われた可能性もあると想像します。

 

もしも、記憶が残っていないくらい小さい時に母を失っているとしたら、レベッカにとって「母」や「母からの愛情」が欠落していることもあり得るのかな。

 

そこを埋めているのが「ダンヴァース夫人への信頼」なのだとしたら、レベッカにとってダンヴァース夫人は唯一の心安らぐ存在だったのかもしれない。……とか。

 

 

レベッカがダンヴァース夫人に「自分に言い寄ってきた男をこんなふうに手玉にとってやった」と話すのも、子どものころの自己顕示欲の延長のような「自分ができたことを母に聞いてもらう」ような意味合いがあるようにも見えるな、と。

 

 

レベッカにとって、ダンヴァース夫人は幼少期から絶対に自分の味方でい続けてくれる存在だと分かっているから、本性を隠さず甘えることができている存在なのではないかな。

 

 

 

……ということで。

 

私が「レベッカが“マキシムに本性を明かして取引したこと”をダンヴァース夫人に話していない違和感を持ってしまう」理由をまとめると……

 

 

レベッカにとってダンヴァース夫人は、ほぼ唯一の「“妻の鑑”としての自分ではなく、本性の自分がやったことの成果」を報告できる、いわば「母」のような存在で

 

承認欲求が強めに見えるレベッカにとって、「自分が本性を明かしたことでマキシムが絶望の顔を見せた」という出来事は、ぜひとも共有して褒めてもらいたい件だったんじゃないかと、思うからなのです……!!

 

 

……ふう。(一文が長くて書いてて息切れしちゃったよにっこり

 

 

 

 

で。

 

 

だから!!!なんで!!!本性暴露の件は伝えていないんだよ!!!

 

 

の話にようやく移ります。

……すんごい引っ張っちゃった。

 

 

 

ここまでの妄想が、ここからの妄想には必要だったのです。

 

 

レベッカにとってダンヴァース夫人は、いつでも自分の味方でいてくれ、自分が成し遂げたことのすべてを話すことのできる存在だった。「母」のような存在でもあったかもしれない。

 

 

そんなダンヴァース夫人にだからこそ、本性暴露の件を「言わなかった」のではなく「言えなかった」のではないか。

 

 

……と、私は考えました。

 

 

 

 

そこでキーワードになってくるのが「心配性」です。

 

 

ダンヴァース夫人が、レベッカの死の日に屋敷を空けていたことを後悔する話をしていた時に……

 

 

もし自分がいれば、今夜ヨットに乗るのはやめておいた方が良いと言うことができた。

 

そうしていればレベッカは「わかったわよ。ダニー。もう心配性なんだから」と言って外出せずにいてくれたに違いない。

 

 

……的なことを言うんですよ。

 

 

 

この「心配性なんだから」というレベッカの言葉、そう言うに違いないというダンヴァース夫人の断言からして、レベッカの口癖だったんじゃないかな?

 

 

つまり。そうなのだ。

ダンヴァース夫人は「心配性」なのだ。

 

 

 

レベッカは子供のころから今まで、父親や他の大人たち、そして多くの男性を手玉にとってきたし、その成果を嬉々としてダンヴァース夫人に話していた。

 

ただこれまでの手玉にとるやり方は、「レベッカに好かれている」と相手に思いこませ、気持ちが大きくなっているさまを見て、手のひらの上で転がして楽しむ……というものだった。

 

 

今回は違う。

 

自分の本性を明かしてそれでも抗えない「婚姻」でマキシムとマンダレーを支配する。自分を憎みながら夫婦関係を解消できない上流階級の男を、精神的に甚振りつづけることになる。(→レベッカがマキシムに本性を明かさなくてはならなかった理由は「第二弾」で妄想していますので、よろしければそちらもご覧ください)

 

 

「心配性」のダンヴァース夫人が、これを知ればどう思うだろうか。

 

今までは「相手の気分を良くしたまま手玉に取るやり方」だったから、レベッカの悪意は相手に伝わることはなかった。けれど今回は先に悪意を晒してしまうやり方になる。

 

 

もしも恨まれたレベッカがマキシムに殺されるようなことがあったら……とか、想像するんじゃないかと思うんだよ。心配症だからね。

 

 

今までと一緒ではだめなのですか?

旦那様の望む「妻」を旦那様の前でも演じるほうが安全です。

騙されていることに気付かない滑稽な旦那様を笑うほうが、楽しいのではありませんか?

 

とか、説得にあたるダンヴァース夫人の姿が私には見えるのですが←

 

 

 

 

そして、説得モードのダンヴァース夫人に対するレベッカの口癖は「わかったわよ。ダニー。もう心配性なんだから」である。

 

これ↑が口癖になっているっぽいということは、レベッカはダンヴァース夫人からの説得にめちゃめちゃ弱いってことなんじゃないのか……???

 

 

 

だから、レベッカは「言えなかった」のかなって。

 

「母」のように自分を心配するダンヴァース夫人に説得されると、言うことをきかないといけなくなっちゃう自分が分かっていたんじゃないかい?レベッカさん?

 

 

 

だからこそ、本性暴露の場所が、ダンヴァース夫人も付き添わないであろうモンテカルロの丘になったんじゃないのかな。(さすがに二人きりにするよね……これで車の後部座席にダンヴァース夫人がしれっと乗ってて三人で行ってたら面白すぎるけども)

 

なんて想像したり。

 

 

 

 

つまり、です。

 

レベッカにとってダンヴァース夫人は、心配をかけたくない、心配されると言うことをきかないといけなくなっちゃう存在、「心配性の愛おしい人」だったんじゃない???

 

 

 

だから、レベッカ自身に死が近づいていることや、「理想の死」の計画についても話せなかったんじゃない???

 

 

でも、今まで自分がやってきたことのすべて共有して、自分を一番理解している人だから、自分が死んだ後に何を望んでいるのかきっと分かってくれるはず……と“ミセス・ダンヴァース”という偽名を使ったんじゃない???

 

 

 

 

……っていう!!!

 

つじつま、合った気がしません……???(曇りなきまなこおねがい

 

 

 

_____

 

 

さて。

 

「第二弾」「第三弾」からずっと引っ張ってきた疑問は、一応つじつまが合ったということになりましたし、レベッカからダンヴァース夫人への特大矢印も妄想できて私は大変ホクホクなので、一旦区切ったのですが……

 

 

ええと……すみません、まだ続きます。

 

 

 

テーマが「レベッカとダンヴァース夫人の関係」なのでね……

 

ダンヴァース夫人サイドも妄想しておきたくてですね……

 

 

 

 

第三弾で「レベッカの“ミセス・ダンヴァース”という偽名を使った、ダンヴァース夫人にだけ伝わるメッセージ」について妄想しましたけれども

 

それを受け取ったダンヴァース夫人については宙ぶらりんのままになってしまっていますので、そのあたりも含めて妄想を続けたいと思います。

 

 

よろしければ、もうちょっと(ちょっとじゃないかも)お付き合いくださいませ。

 

 

 

 

_____

 

 

作中で既に亡くなっているレベッカと違って、誰かの回想としてではなく、生きてちゃんと登場するダンヴァース夫人なのですが、そのわりに結構謎が多いキャラクターだと思っています。


 

いつからレベッカのお世話をしているのかも、レベッカと会う以前の生活も、きょうだいの有無や生まれ育ち、レベッカに関すること以外の性格的なことなどなど……ほとんど明かされていないように思います。

 

 

そして「第一弾」で取り上げましたが、ダンヴァース夫人はファーストネームすら明かされていません。

 

それにダンヴァース夫人/ミセス・ダンヴァースの「夫人」「ミセス」の呼称も、さらにダンヴァース夫人の人となりをややこしくしているというか……。

 

 

「夫人」「ミセス」は通常、既婚女性を呼ぶときの呼称ではあるけれど、既婚・未婚問わず「家政婦頭」に敬意を込めて呼ぶときにも使われるんですよね。

 

ダンヴァース夫人はまさしくその「家政婦頭」なので、結婚経験がなかったとしても「ミセス」と呼ばれていておかしくない立場ということになります。

 

 

 

……既婚、未婚、どっちなんでしょうね。

 

 

女性が結婚せずに生きるのがとても難しかったであろう、作中の時代。

 

結婚適齢期を過ぎて「ミセス」と呼ばれていない女性に向けられる目は、少し厳しいものがあったかもしれません。

 

結婚していて、第一次世界大戦で夫を失っている可能性も無きにしも非ず、でしょうか。

 

 

一方で、もしかしたら、結婚しなくても周囲から「ミセス」と呼ばれることができる家政婦頭を目指して、メイド職をはじめた……とかも、可能性としてあったりするんだろうか、なんてちょっと考えてしまいました。

 

 

 

なんでそんな風に考えたのかというと。

 

 

作中には「ダンヴァース夫人はレベッカを“崇拝”している」とあって。

でもその崇拝とは、どういうタイプの崇拝なのかなと、気になったからなのです。

 

 

 

 

「ハルトムートやクラリッサにとってのローゼマイン=ほぼ信仰」に近いのか(by『本好きの下剋上』)

 

それとも

 

「燕々にとっての姚=恋愛感情も含む」に近いのか(by『薬屋のひとりごと』)

 

……って。(別作品を例に出したうえに突然「分かる人には分かる」みたいな話してごめんなさい昇天

 

 

それによって、ダンヴァース夫人自身の「結婚」に対する捉え方も違ってくるのかなと、思ったりしたんです。

 

 

 

舞台(2026)版を拝見して、この部分により興味をひかれるようになったんですよね。

 

実際に劇場で拝見できたダンヴァース夫人は霧矢さんver.のみでしたが、みりおさんver.も映像で拝見して、霧矢さんver.は『本好き』タイプに近いように感じたし、みりおさんver.は『薬屋』タイプに近いように私には見えました。

 

 

そして「観劇記」にも書いたように、どちらのダンヴァース夫人もダンヴァース夫人として成り立っていて、とても説得力があるように感じたんですよね。

 

つまり、レベッカに対する崇拝に恋愛感情を含んでいるように見えても、ダンヴァース夫人としてとても自然だったということでもあり。

 

 

 

 

「男性のことを軽蔑していた」という点で、レベッカと通じ合っていたように思えるダンヴァース夫人。

 

もしかしたらレベッカと出会う前から、男性や「自分を支配してくるもの」に対する憎しみのような気持ちを抱いていたのではないか……?と。(そんな思い付きと、ファーストネームが隠されている理由をつなげて考えてみた妄想が「第一弾」だったりします)

 

 

もしも、ダンヴァース夫人に元々そういった思いがあったとするならば、子どもでありながら父親や男性などからの「支配」に臆せず立ち向かい、手玉に取って逆に支配してしまうレベッカに崇拝の念を抱くのは自然な成り行きのように思えます。


 

 

マキシムとの結婚後にレベッカと出会った人たちは皆、レベッカの「善き妻」としての姿を賞賛するけれど、ダンヴァース夫人が崇拝しているのは、そのレベッカの「偽りの姿」ではなく……

 

 

 

仮装パーティのあとにレベッカを思い浮かべて「わたし」に語った、

 

すべてを支配し、思いのままに生き、何にも負けない、誰のものにもならない姿。

 

それこそ、ダンヴァース夫人自身が「かつてなりたかった姿」なのではないかな。


そして「理想」「憧れ」という感情の中に恋愛感情に近い感情が混じり込むことも、あるだろうな……とかも、思ったり。


 

 

 

つまり、ダンヴァース夫人からレベッカへの気持ちが「崇拝」になるのって、レベッカに自分の理想の姿=なりたくてもなれなかった姿を見ているからなのでは、と。

 

 

 

そんなふうに考えると、舞台(2026)版を観た時にちょっと引っかかっていた「レベッカⅣ」でのダンヴァース夫人の慟哭に、納得できるような気がしました。

 

 

レベッカが病に侵されていたという真相を知るまでは「レベッカは海という強大な存在に挑んで負けたのだ」ということになっていたから、ダンヴァース夫人は自分の理想の姿であるレベッカの死の形として納得できていたのだろうなと思います。

 

 

それが、「病を苦にした自殺であった」と、マキシムとフランクの話を立ち聞きして知った。

 

 

「理想の自分」を重ねていたレベッカが、自分に相談もしてくれず、何にも抗おうとせず、立ち向かいもせず、闘わずして逃げるように自殺してしまった……

理想の崩壊

自暴自棄(今までの自分は何だったのか)

屋敷を燃やしてしまった

 

 

と考えると、舞台(2026)版のあの流れになるのも、自然なのかもしれないなと。

 

 

 

 

 

でも、舞台(2026)版と原作ではこの部分に決定的な違いがあります。

 

 

それが “ミセス・ダンヴァース” という偽名です。

 

 

もっといえば、

 

「レベッカが “ミセス・ダンヴァース” と名乗っていたことを、ダンヴァース夫人が知らないまま終わる」のが舞台(2026)版で

 

「レベッカが “ミセス・ダンヴァース” と名乗っていたことを、ダンヴァース夫人が知る」のが原作です。

 

 

 

 

舞台(2026)版のダンヴァース夫人は、ベーカー氏を訪ねた「わたし」からかかってきた電話の内容について、留守番していたマキシムとフランクが話しているのを立ち聞きする形で真相を知ります。

 

マキシムとフランクの会話の中では、レベッカが “ミセス・ダンヴァース” と名乗ってベーカー氏を訪ねたことは出てこなかった(はず。多分。私の記憶が正しければ)。

 

そもそも電話で「わたし」がマキシムに偽名のことを伝えたかどうかすら分かりません。マキシムと「わたし」にとって、わざわざ伝え合うほど重要なことではないですし。

 

 

なので、舞台(2026)版では、レベッカの「仕込み」がダンヴァース夫人に伝わらず、自暴自棄エンドになっている……と。考えることも、できちゃったり……

 



あれっ?

 

な、なんだか、舞台(2026)版のほうから、私の妄想のつじつま合わせにきてくださっている……????滝汗(勘違いだよっにっこり

 

 

 

とにかく、舞台(2026)版は、ダンヴァース夫人の「理想の崩壊」で終わっているような印象を受けました。

 

 

 

でも、原作は違うと、私は見ています。

 

ここで、「審問会」から「マンダレーが燃える」までのダンヴァース夫人の動きを追ってみます。

 

 

 

 

 

 

「審問会」を傍聴していたダンヴァース夫人は、「レベッカの死因は自殺だった」と結論づけられたのを聞いていたと思われますが、ヨットに穴があいていた証言も聞いているし、何より「絶対に自殺ではない」と信じているファヴェルと共に行動していたので、「審問会」終了時点では、他殺を疑っていたのかもしれません。

 

 

その後、手帳にあった「ベーカー」が婦人科医師だと知り、ファヴェルがレベッカに「大事な話がある」とメモで呼び出されていたことを知ったところで初めて、ダンヴァース夫人は「マキシムがレベッカを殺害した可能性」に思い至ったと思われます。

 

ファヴェルが確信していたのと同じように、「マキシムが『レベッカがファヴェルの子を妊娠したこと』を知り、レベッカを愛するがゆえに嫉妬で殺害した」と。

 

 

マキシムへの不信感を持ったダンヴァース夫人は、職を辞して屋敷を出ていくために一日中かけて荷造りをする。

 

おそらくこの時点では「屋敷を燃やそう」とは考えていなかったと思います。だって荷造りしてるんだもの。

 

「自分が出ていくと同時に屋敷を燃やそう」と考えていたのなら別ですが……。

(去っていくダンヴァース夫人の背後で屋敷が燃えている、おまけにBGMでGet Wildが聞こえてきたら某アニメ作品っぽくてかっこいいけどね←)

 

 

 

ターニングポイントは、18:10すぎの市外電話。

 

舞台(2026)版はこれ↑が「わたし」からマキシムにかかってきた電話になっていますが、原作ではダンヴァース夫人に市外電話がかかってきます。

 

 

「第四弾」でも触れましたが、この電話はファヴェルからダンヴァース夫人にかかってきた電話だと、私は思っています。

 

ファヴェルがマキシムたちと別れたのは18:00頃なので、その後すぐに電話をかけたとすれば時間的なつじつまも合いますし、ファヴェルは衝撃の真相を独りで抱えておけず誰かに打ち明けたかったでしょうし。

 

もしかしたら、結果が分かったら電話で知らせる約束を、予めダンヴァース夫人としていたかもしれません。

 

 

 

ダンヴァース夫人はファヴェルからの電話で「レベッカは妊娠していたのではなく、余命約半年の癌を患っていた(=大佐はレベッカの死因を、病を苦にした自殺と公表するだろう)」という事実を知ったことになります。

 

 

 

舞台(2026)版と同じく、病のことを打ち明けてもらえなかったこと、レベッカが病を恐れて自殺した(=理想の崩壊)ということに、ダンヴァース夫人は大きなショックを受けたのだろうな……

 

思い返せば体がやつれていたのを、なぜもっと問い詰めなかったのか……と、自分を責める気持ちもあったかもしれない。

 

 

 

 

でも、ショックに打ちひしがれているダンヴァース夫人に、ファヴェルは言ったんじゃないかな。

 

「あいつが通院の偽名で使ったの、どんな名前だったと思う??なんと “ミセス・ダンヴァース” だってよ。まったく、ケッサクだろ??」

 

 

伝え方は私の完全なる妄想ですけれども、とにかく絶対にファヴェルは偽名のことを言ったと思うんだ。根拠として示せるものはないのですが、なんか、あの人、そういうのすっごい言いそうじゃない??←

 

 

 

レベッカがおそらく生前最後に人に名乗った名前が “ミセス・ダンヴァース” であると知った時、ダンヴァース夫人は何を思ったんだろうな。

 

レベッカが最後に頼ったのは自分だった、と思ったんじゃないかと、私には思えてならないのです。

 

偽名を聞いて、目がカッ凝視となったダンヴァース夫人が浮かぶのです。

 

 

 

 

 

ダンヴァース夫人は、幼少期からレベッカの性格を知っていました。

 

多くの出来事をレベッカと共有し、レベッカをずっとずっと見守ってきた人です。

 

 

何も恐れず立ち向かっていくレベッカが唯一不安に思っていたことは「歳をとって病になって寝ついて死ぬこと」だと、ダンヴァース夫人は知っているのです。

 

 

 

ダンヴァース夫人は、よくよく思い返してみたかもしれない。

 

 

 

恐れていたのは「病になること」や「死ぬこと」そのものではなく、


「寝ついて死ぬこと」だったのでは。

 

病になったからといって、あのレベッカお嬢様がただで死ぬだろうか。

 

お嬢様の口癖は「こっちから地獄に落としてやるわ」だった。

 

私の知っているあの方は、自分の死すら「こっちから地獄に落とすこと」「手に入れられるものを奪うこと」に利用しようとするような、強かで何にも負けない人だっただろう。

 

 

では、妊娠していた事実がないのに、ジャックさん(=ファヴェル)をコテージに呼んでいたのはなぜか。

 

さんざん嘲笑っていたあの人を、わざわざ病になったことを知らせるために呼ぶだろうか?

 

証人としてか?何の?殺人の……?

 

旦那様に自分を殺させて、ジャックさんに目撃させ、ド・ウィンター家を地獄に落とそうとしたんですね……?

 

なんて鮮やか!!さすがレベッカお嬢様!!

 

 

 

けれど、ジャックさんは目撃できなかった。

 

今、まさに「病を苦にした自殺だった」と、最もお嬢様が望まない形の「真相」が公表されようとしている。

 

 

旦那様を地獄に落とすという計画を完遂させられるのは、私しかいない。

 

ミセス・ダンヴァースと名乗ってくださったのは、そういうことですよね?

 

 

 

 

そして、ダンヴァース夫人は屋敷に火をつけました。

 

レベッカが「理想の死の姿」としてなりたがっていた、蝋燭の火で。

 

 

 

 

 

 

……っていう、妄想劇場でしたデレデレ

 

 

 

 

 

 

ここまでダンヴァース夫人サイドの特大矢印について、モリモリ妄想してまいりましたが、いい加減にそろそろまとめます。

 

 

前半のレベッカサイドの妄想時に「レベッカにとってダンヴァース夫人は『母』のような存在でもあったのではないか」と記しました。

 

 

では、ダンヴァース夫人にとってレベッカはどんな存在だったのか。

 

 

ダンヴァース夫人がレベッカを「崇拝していた」というのは、レベッカが「自分の理想の姿」だったからなのではないかと妄想しましたが、「なりたかった自分の姿と重なる存在を、育てる」って、しばしば親子関係でも見られる形だなと思うんですよね。

 

叶えられなかった理想を、子に託すというか。(その是非については今は置いておいて……)

 

 

 

仮にダンヴァース夫人が、自分をレベッカの「母」のような存在であると自認していたとして、

 

ファヴェルからの電話で “ミセス・ダンヴァース” の偽名を聞いて目がギン凝視となった時(?)、ダンヴァース夫人は「自分の理想を子に叶えてもらおうとする『母』のような存在」から、はじめて「本当の意味での『母』のような存在」になったのかもしれないなと、私は感じています。

 

 

まあ、「母」じゃなくてもいいんです。

 

とにかく、とても大切な「自分がなんとしても尊厳を守らないといけない存在」だとレベッカを想うスイッチがもう一段回深く入った、みたいな感じなんじゃないかな、と。

 

 

 

 

なので私は……

 

 

ダンヴァース夫人がマンダレーを燃やしたのは、自暴自棄による動機じゃなくて

 

「マキシムを地獄へ落とす」というレベッカの死の真意を受け取ったための

 

レベッカの計画を完遂する使命感による行動

 

 

……だと、妄想しました。

 

 

 

つまり。

 

「レベッカにとってのダンヴァース夫人」も「ダンヴァース夫人にとってのレベッカ」も

 

相互!特大!矢印!!!!で、無事(???)つながりました!!!!

 

 

 

 

 

つじつま合わせ、終わった!!!

終わりました~~~泣き笑い泣き笑い泣き笑い

 

 

粗いけど、頭の中の妄想のぐるぐるを全部出せました!

 



しかし長い……。

 

最終章とかいって調子に乗って1万字以上書いておりますよ……こっわ……自分が怖い。

 

 

ここまで「第一弾」から粗く拙い文章でしたが、全部読んでくださった方がもしいらっしゃったら特大の感謝を……!!!(こっそり教えてくださったら泣いて喜びます)

 

 

なんとか、『レベッカ2026』の大千秋楽までに書き終えることができました泣き笑い

 

間に合わないかと思った~危なかった~

 

 

こんなにどハマりして、大妄想大会までしちゃう自分に自分が一番びっくりしておりますよ……。

 

5月の観劇から7月も後半に入った今に至るまでずーーーーーっと「レベッカ」のことを考えてて、楽しかったなぁ。

 

こんなに何万字も書いたの、大学の卒論以来だわ。

 

そんな夢中になれる作品に出合えたのも、我が最推し、みほこさん(彩乃かなみさま)が「レベッカ」に出演してくださったおかげおねがい

大感謝です!!!どうかこのまま無事に大千秋楽の幕がおりますように。

 

 

 

ここまで読んで下さり、私の読後妄想シリーズにお付き合いくださった方へも!大大感謝!です!!見守ってくださってありがとうございました!愛

 

 

 

 

最後に。

 

本編に入れ込めなかった妄想のメモがあったので、終わりに載せて昇華できたらなと、ここに記します。

 

 



 

 

マキシムに心臓を撃たれた時、レベッカは最期に何を思ったんだろうな。

 

薄ら笑いを浮かべたまま、とあったから、最期までマキシムを蔑んでいたのかな。

 

 

でも激重主従関係スキーとしては、最期に思い浮かべていたのがダンヴァース夫人への言葉だったら……とか考えちゃうんだ。

 

 

だって、男を手玉に取ったら、何かをやり遂げたら、笑い話のネタが手に入ったら……ダンヴァース夫人と二人で腹抱えて笑い合うまでがいつもの流れだったんでしょ??

 

 



だからさ。

 




最期に思い浮かべたのが

 



「やり遂げた!ほら、私の思い通りになったでしょ?ねえ、ダニー、いつもみたいに褒めてよ?」

 




とかだったら。

 

 



私は、泣く。(妄想は自由だよねっおねがい

 

 

 

 

 

『レベッカ』読後妄想、おしまい。

 

 

 

hachiko