先日、娘の結婚式のブログでたくさんの方から留袖リメイクドレスをお褒めいただいて、ホッとするとともに大変気をよくしまして(笑)すぐ調子にのるんだナァ〜ワタシ
今日はリメイクするに至ったお話を少し書いてみようと思います。
30年前くらいになりますか、母が
「留袖が派手だから年相応に地味なのを買おうと思う」と言い出し でも当時の母の年齢は今の私くらいなんですよね•••
「別に今のでいいんじゃない?」と言ったのですが、母はいつの間にか地味な留袖を買ってしまったんです。
私は留袖を作らなかったので「お母さんの派手な方の留袖は着てくれていいからね」と言われていたものの、
私の夫の方は、夫が最後で他に結婚する者もおらず、私の妹が結婚した時は娘がまだ小1で、式の時にフラワーガールをやったり、披露宴で娘と私でピアノの連弾したりしたので、とても留袖を着る気力も無く動きやすいワンピースにしたし、母は当時父の介護があったせいか、やはり洋装でした。
母はその後も、甥姪の結婚式ではもう着物がしんどくなったんでしょう、洋装で出席し、結局、古い留袖も新しい留袖も着ることはないまま亡くなったんです。
元気な頃に「あの留袖、ドレスにでも仕立て直せばいいんだろうけど、素人じゃ難しいね」って言ってたこともあり、ふと「そうだ、あの留袖をどうにか洋服にして私が着られないだろうか?」と思いついたのが昨年。
でもその頃娘たちは、結婚はするけど、まだ結婚式をやるかどうかはわからない状態。
結婚式をやるとしても、多分ごく近い身内だけのこじんまりしたものになると思う、と言われていました。
着るかどうかわかりもしないのに、はやまって何かするのもねぇ•••
それに向こうのお母さんが「留袖は着ません」と言われたらやっぱり揃えないといけないだろうし•••「身内だけだし平服にしましょう」と言われるかもしれないし•••いや、でも平服と言われたら、それはそれで何着たらいいの?と困る。
母が特養に入所後、実家の片付けをしていて母のタンスから留袖を出して確認してみたのが3年以上前。
よく見たら汚れも結構あったし、裏はシミだらけ、なんだかカビ臭いし、長年放置していたツケが•••
母は兄弟姉妹、甥姪の結婚式で、その留袖少なくとも10回以上は着ていたんです。
まぁ元はとってるよね、と妹と話しながらも
「このまま捨てちゃうのはやっぱり勿体ない気もするね」となって、とりあえず私が自宅に持ち帰り、自分の箪笥におさめたんです。
あの留袖をどうにかできないか?と思いついた後、ネットで留袖ドレスを色々検索してみたり、実際留袖ドレスを販売しているお店に行って見たり、まずは情報収集。
しかしわざわざ新しい留袖ドレスを買うのは気が乗らずそれならレンタルして普通に留め袖着ればいいなって思いやはり母の古い留袖を使ってどうにかしたい、っていう気持ちが強くて。
そんな中、留袖をリメイクしてドレスを作っているというところにネットで辿り着きました。
写真も多く掲載されていましたし、依頼人の感想も載せられていました。
お母さんが娘さんの結婚式のために留袖をリメイクなさるだけでなく、おばあちゃんが孫の結婚式に出席するために、娘さんが留袖のリメイクを申し込む、というパターンもありました。
デザインも奇抜な感じも無くて、普通の洋服に近い感覚で着られそうだし、なおかつ留袖に負けない同等の「格」があるなぁと感じたのです。
もし作るならここにお願いしたいな、と考えていました。
娘たちが「結婚式をする」ということになって、新郎のお母さんに「結婚式のお召し物どうされますか?」と尋ねると
「実は留袖を持っているのですが、一度も着ていなくて••• このまま着ずに終わるのはもったいないので、できれば着たいなと思いますが、お母さんはどうされますか?」と聞かれたので
「それは是非着てください。私は留袖を持っていないので多分洋装になると思いますが、難しいようなら留袖レンタルしますので」とお答えしました。
そこからまずは問い合わせしなくちゃ!と。
果たして母の古い留袖がドレスに仕立てられるものかどうか、一度送って見てもらおうと思いました。
しかしバタバタしてなかなか問い合わせができないうちに、まさかの母急逝。
結婚式延期か?の危機もありましたが、予定通りに行うことになりました。
さあ大変!
急いでメールで問い合わせしました。
「自分では判断できませんので、お送りします留袖をドレスにできるかどうか見ていただけませんか?」
ということで、まずは送って物の確認をしてもらうことに。
大丈夫なようならそのまま仕立てを希望します、ということで、どのようなデザインが希望か、何種類かのパターンの中から希望を選んでお知らせしてまずは着物を送りました。
すぐにお返事が来て「汚れている部分もありますが縫い込んだりしてどうにかできそう」ということだったので、正式に依頼することになりました。
すぐに指定された箇所の採寸をおこない、メールで寸法をお知らせしました。
最初に着物を送って、採寸したサイズをお知らせしてから約2週間後に、シーチング(生成り色の布地)で仕立てた仮縫いのドレスが届きました。
早速試着してみる。
当日履く予定の靴を履いて、パールのネックレスもつけて。
正面、後ろ、左右横から、襟元、など数枚の写真を撮り、気になるところをメールでお知らせすると共に、仮縫いドレスに添付されていた書類にも記入して、返送しました。
メールでの手直し箇所の確認のやり取りの後、
返送から更に1週間後、再仮縫いのドレスが送られてきました。
試着してみました。
前回の試着で伝えた気になる部分は全て手直ししてくださってました。
その中のひとつが『襟ぐり』
当日着ける予定のパールのネックレスがお辞儀したりすると襟元の中に隠れてしまったりしていたので、合わせてもらいました。
試着写真をメールで送って、問題ないことを確認していよいよ留袖を使った仕立てに入っていただくことになりました。
私は2度の仮縫いで仕立てに入りましたが、もっと仮縫い、試着の回数を重ねる方もいらっしゃるようです。
再仮縫いのドレスを返送してからとりかかるということで、1週間弱で完成の連絡がありました。
写真も送られてきて感激!
その時の写真がこちら⬇️
ドレスとボレロ、などの選択肢もありましたが
私は暑がりな為
一見ボレロを着てる風に見える
前側だけ重なってるデザインの
ワンピースタイプを選びました
ボレロ風部分は八掛にあった柄を
使ってくださってます
代金を振り込みして、先方の確認が取れたところでドレスが送られてきました。
結婚式に充分間に合うように仕立ててくださいました。
両袖に家紋を付けてもらう予定でしたが、裁断の関係でどうしてもひとつしか取れず、右袖のみにつけてもらいました。
でもそれもかえって良かったかも。
問題の「女紋」これは正しいものです(笑)
問題の女紋のくだりは「いい加減な母」で書いてます
新郎のお母さんの留袖もとっても素敵だったし、留袖の持つパワーみたいなものを改めて感じました。
でも、洋服で、留袖のパワーに負けず、留袖を着る相手のお母さんとのバランスみたいなものを取るのは大変だなぁ•••とも感じました。
その点留袖をリメイクしたドレスなら「格」の点でも同等に見えるし、相手に失礼にもならないですよね。
娘も喜んでくれたので、本当にリメイクして良かったと思いました。たぶん母もあの世で喜んでくれてると思います
新郎のお母さんには「母は祖母の留袖をリメイクしたドレスを着ることにしました」と娘から伝えてもらっていたので、向こうのお母さんからも当日「素敵!一緒に写真撮りましょう!」と言ってもらって嬉しかったですね。
で、今回、仮縫いのドレスを着た時にわかったのが
いかに自分の身体が
曲がっているか‼️
まっすぐ立っているつもりでも
片方の肩が下がっている、とか
反り腰・猫背のため、着用した仮縫いドレスの変なところにシワが入ったりしたし、
自分の身体が歪みまくってるのを改めて確認した形になりました。
そこを全て補正してくださって、見た目がおかしくないように仕立ててくださり、尚且つ着心地良くてとても楽にいられたことに感謝しています。