TVアニメ「ブレイクブレイド」の、不動の刃が砕けるとき | はばら研ブログ

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アニメーター・アニメ監督の羽原信義さんのファンブログです。

TVアニメ「ブレイクブレイド」第五話「カウンター・アタック(逆撃強襲)」
で、ゼスはふたたび、ライガットと戦場で遭遇することになった。
「ライガットか」。幾重にもつらなった装甲の下からあらわれたゴゥレムの姿
に、ゼスは驚きの声を上げる。その瞬間にいたるまで、彼には目の前のゴゥレム
がデルフィングであると認識できていなかったのだ。

その巨大なかたまりは、なにもない大平原に突然あらわれた「敵」であるはず
だった。問答無用で仲間の命を奪った、自然災害にも似た存在の正体に、ゼス
は戦慄する。

TVアニメ版第五話では、「デルフィング第三形態」と呼ばれるゴゥレムの、
冗談みたいなつよさが、全編を貫いていた。視界の彼方から、ゼスたちワル
キウレス部隊のもとへ、一瞬で肉薄する速度は、脅威以外のなにものでも
なかった。見晴らしがいい、という言葉でも足りないくらいの、大平原の広大
な描写もまた、その異常性をさらに引き立てていた。

ゼスたちのすぐそばを走るゴゥレムの周囲には、まるで少年漫画の背景に描か
れているような力強い実線が、激しく動いている。これまでの話数では、地面
の上や空気中に、補助的に載せられていたような線だ。ただでさえ、巨体で
あるところへ重ねられた豪快な線は、入り組んだ渓谷でゼスたちを包囲して
いた、あの大量のゴゥレムにも匹敵する圧迫感を放っている。

「デルフィング第三形態」の装甲は、ほかのゴゥレムのパーツを寄せ集めて
つくられている。本体と合わせるとゴゥレム数体分の重さの体ということに
なる。ライガットはその体を軽々と、とまでは言わないまでも、自在に走ら
せていた。「魔力」を使わない、デルフィングのパワーだけで。

「立っているだけで異常」と、ナルヴィをドン引きさせたその姿は、むしろ
その城壁のような装甲の下にある、デルフィング本体のちからの強大さを
ものがたっていた。

装甲を捨て、こちらに迫るデルフィングの攻撃を、ゼスはぎりぎりでかわす。
目の前のゴゥレムは、すでに未知の存在ではなくなっていた。人間、しかも
よく知る相手だ。彼は可能なかぎり、その場を穏便に収めようとしていた。
しかし目の前で自由落下をしていたデルフィングの軌跡は、大地に刺さった
大剣を支点に、反転する。その衝撃に、剣は折れる。

リィのエルテーミスのプレスガンの弾でも貫けないほどの硬さをもち、トゥル
将軍のゴゥレムの腕では、持ち続けることさえできない重さを備えた大剣だ
った。決して折れることのないように思えたその刃でさえ、相殺しきれない
ほどの巨大な力が、ゼスを襲う。

TVアニメ「ブレイクブレイド」公式サイト

■メインスタッフ■

総監督 アミノテツロ
監督 羽原信義
脚本 十川誠志
新作パート脚本 谷村大四郎
キャラクターデザイン・総作画監督 乘田拓茂
メカニックディレクター・総作画監督 松村拓哉
メカニックデザイン 柳瀬敬之
プロップデザイン やまだたかひろ、枝松聖
美術監督 小濱俊裕(美峰)
色彩設計 関本美津子
撮影監督 船倉一晃
音響監督 鶴岡洋太

製作 「ブレイク ブレイド」製作委員会
アニメーション制作 Production I.G、XEBEC

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