元々そんなに、お利口さんでない私。
運命だとか、宿命だとか、因縁だとか
試練だとか、選ばれたとか
そんな理不尽な妥協なんて
吐き気がするほど、受けつけなかった
 
妊娠、出産、それまでの全てを
生まれたばかりの自分の赤ちゃんを
これから始まるはずの幸せな日々を
ひとつ残らず、酷く否定されて
平然と、地獄に蹴り堕とされた気分だった
 
不思議なくらい、当たり前に流れる時間の中で
まるで
今までと何も変わらないかのような毎日の中で
どうして、この子が?
どうして、私が?
納得できないまま絶望に沈みながら
我が子がダウン症だ、という
消えてくれない事実を一人で泣いて
その後は徹底的に、自分を悪者にしていった
 
“ちゃんとした子供も、産めないのか。
生物の雌としても、駄目なヤツだな。”
ありとあらゆる発想で、自分を責めたてて
傷つけて、崩壊していくことが
唯一の正義だと思った
 
前を向いて歩んでいく覚悟なんて
宙を舞う埃ほども、持つ気になれなくて
むしろ、何とかして
前向きにされかねない要素を
すべて排除していきたかった
 
とにかく、悪いのは全て私。
とにかく、全て私のせい。
我が子が
微塵も、悪にならないために
隙もなく唯一の悪である自分を
斬り棄てていきたかった