生まれたばかりの我が子が
何事もなく、すやすや眠っている小さな我が子が
ダウン症だ、と言われた。
 
差し出された紙面には、かの有名な染色体の画。
21番目には、明白な3本の染色体。
その小さな染色体ですら
可愛らしい、愛しい、と思える我が子の
何が悪いというのか。
どうして、この子が
ダウン症じゃなきゃ、いけないのか。
 
その後ドクターが何を話していたか、なんて
覚えていない。
耳に入って来た声が
同じ日本語とは思えないくらい、遥か遠くに聞こえていた。
 
“一緒に、頑張って育てていこう”
きっと彼なりに、一生懸命
考えてきたのであろう旦那の言葉すら
我が子が悪いんだから仕方ないんだ、と結論づけられたようで
憎らしくて仕方なかった。
 
我が子がダウン症だと決めつけられて
どんな説明も、慰めも、励ましも
もう、嫌味にしか聞こえなかった。
 
この時、私が望んだものは、たったひとつ
“これは何かの間違いだ”と
“全部、嘘だ”と
“我が子の潔白”を証明してくれる言葉だけだった。