クズがクズを呼ぶ
D店に新しいスタッフがようやく入りました。名前はヤラさん。小柄でまゆ毛が細く、若く見えますが36歳。風俗歴は県外で1年ほど経験があるとの事。常に腰が低く、頻繁に会釈をする大人しい人でした。私には良い印象が残りましたが・・・・・どうやら相棒のリュウヤ君は違ったようです。「なーんか、胡散臭いんスよねー、ヤラさん・・・・」「まぁ害がないからいいんじゃない?様子見よっ」「なーんかなぁ・・・その内なんかヤラかしそーじゃないすかー?"ヤラ"だけに・・・w」リュウヤは人を見る目が結構あります。そして、そのリュウヤの勘はすぐに当たりました。ある日の事、B店のジンとD店のヤラさんが衝突したようです。一日の締め作業をしてたところ、D店の現金が足りず、B店がD店にまわしたお客さんの料金をジンが渡してないんじゃないかと。その日は観光客が大量に発生して猫の手も借りたいほどの忙しさ。忙しい日にお金の計算が合わなくなるのはよくあります。まぁ私とリュウヤのコンビは常にExcelで金額合せしてるので計算ずれる事はほぼありませんが・・・で、D店の現金が21,000円足りないと連絡があり、なぜか私もD店に呼ばれました。ちょうど70分コース1人分の料金です。「自分は料金受け取ってないですよ」いつも腰が低いヤラさんが何故か強気です。普段の姿から想像できない表情と態度です。この人は二重人格か?そして、マサキさんがジンにまくしたてます。「どうなってんだよ!ジン!お前はちゃんと現金渡したのか!?」「いや・・・渡したと思います・・・・・自信ないですが・・・」「ハッキリしろ!確実に渡したのか!確実に!渡してないのか!?」「いや・・・・パタパタしてたので・・・・」「どっちなんだよ!」「いや・・・・その・・・・」煮え切らないジンに罵声を浴びせるマサキさん。その後ろで "オレ悪くないよ" オーラを出すヤラさん。「もういい!俺が自腹で埋める!」結局マサキさんが自腹で埋めました。「ジン、お前調子に乗るなよ!殺すぞ!」「はぁ・・・・すいません・・・・」「は?なんかその態度は!殺されたいのか!?」ジンに掴みかかるマサキさんを私とアキラで必死に止めます。ジンにひたすら怒号を浴びちらせ、頭に血が昇ったままマサキさんは帰っていきました。「どうみてもヤラさん怪しいよな」私は自分の店に戻り、リュウヤにさっきの出来事を話しました。「絶っ対やってますよ、アノ人。ジンさんかわいそー」「まぁハッキリ言わないアイツも悪いけどねーでも・・マサキさんにあんなに詰められたら怖くて何も言えないよな・・・」「なんかD店クズばっかすね。クズがクズを呼ぶというか」「まだクズと決めつけるのは早いさ。ヤラさんもまだ辻に慣れてないし。もう少し様子見よう」次の日、出勤早々にマサキさんが私の店にきました。「はーもクン、昨日はごめんね~」「いえいえ。まぁ忙しかったら1つや2つトラブルはありますよ」「ちょっとジン攻めすぎたな・・・ヤラさんもなんかなぁ~・・・ま、いいや。俺が場を収めたし」そしてこれからも頑張ろう的な事を言うとマサキさんは去っていきました。「調子いい~っすね~、自分を良く魅せるように上手い事まとめましたね~w」「おい、それ俺が今言おうとした(笑)」「マジでどうなるんすかね、このグループ・・・俺、社長とはーもサンは好きなんだけど、なんかねぇ・・・・・」この頃からリュウヤもグループに不信感を抱き始めました。無論、私もです。このD店の存在は、私とリュウヤ、アキラとジン、タクヤとハルト。そして社長。今まで出てきた登場人物の、今後の人生を変える大きな転機となりました。