あらすじ
ちいさな街のちいさな郵便局ではたらくふたり、ガイトーとトリノス。 ある日、ガイトーは、一度も手紙をもらったことがないという 灯台守のじいさんに、「手紙」を書いてみることにした。 「みょうなてがみもあったもんだ」 配達したトリノスがつぶやくと、灯台守はこういった。 「あんた、しらないのか。これは、詩、って、もんだよ」 詩って、なんだろう? その輪郭をやわらかに描き出す、詩人が書く「しじん」の物語。
ひと言
図書館で手に取ったとき、ひらがなで書かれた詩が目に入り、ハッとするような詩だったので読んでみようと借りました。本の帯に野間児童文学賞と書かれていましたが、これは子ども向けなの?大人が読んでもとてもすてきな詩人の物語でした。
はいたつミス
ははうさぎは ゆきの うえに
あしあとを のこした
おかあさんは ここ
という てがみ
きっと まちがえないで
ついてくるのよ
あなたの あたたかい おうちは こっち
こうさぎに あてた
やさしい てがみを
つめたい めで りょうしが よんでいた
(五通め とおいふなのり)
すき
むねが あつくなる てがみを ください
ほたるが かわべで だれかの ために
しずかに ひかっているような
えいえんを かんじる てがみを ください
ほしぼしが ちきゅうの うまれる まえの
ひかりを とどけているような
こころを しばりつける てがみを ください
まどからの ひかりの すじに
とじこめられて おどっている ほこりたちのような
いつか ふたりが であったら
てがみは きっと いらなくなる
そしたら わたしは きづいてしまう
あいしていたのは あなたではなく
あなたの ことば だったことを
(七通め ラブレター)
