あらすじ
かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との関係、30歳を前に早世した双子の妹の彼氏との交流を通して、人が人と別れることの哀しみを描く「真夜中のアボカド」。学校でいじめを受けている女子中学生と亡くなった母親の幽霊との奇妙な同居生活を描く「真珠星スピカ」、父の再婚相手との微妙な溝を埋められない小学生の寄る辺なさを描く「星の随に」など、人の心の揺らぎが輝きを放つ五編。 
(第167回 直木賞受賞)

ひと言
もう何も失いたくない。でもまた人と関わっていきたいと、星に願い込めたような5編からなる小説で、どの編も読みやすくとてもよかったです。読み終えて付箋が一つもないのに気づきました。もう一度読み直そうとも思ったのですが、無理に心に残ったフレーズを探し直すのも変な気がして…。でもとても素敵な5編の短編集でした。