あらすじ
台湾は、2020年に全世界を襲った新型コロナウイルス(COVID-19)の封じ込めに唯一成功しました。本書は、その中心的な役割を担った若きデジタル担当政務委員(閣僚)が、コロナ対策成功の秘密、デジタルと民主主義、デジタルと教育、AIと社会・イノベーション、そして日本へのメッセージを、自身の言葉で語りつくします。
ひと言
新型コロナにおけるマスク在庫管理システムの開発、IQ180の天才プログラマー、本を1ページを0.2秒で読む、トランスジェンダー、19歳でシリコンバレーで起業、などなど 常識を逸したプロフィールを持つオードリー・タン。いろいろと心に残る記述が多かったが、台湾の政府と国民との信頼関係があったからこそ感染拡大を防ぐことができた。という記述が一番心に残りました。とてもいい国ですね。コロナが終息して海外にも旅行ができるようになったら、訪れてみたいなぁと思いました。
最初から「誰かが違反するだろう」などという先入観を持って強制的なやり方を選択するのは、いい方法ではありません。誰も感染などしたくないのですから、「どのようにすればお互い協力できるのか」ということを考えるべきなのです。それが政府と人々の重要な信頼の源になるわけで、両者の間に相互信頼があったことが、台湾において感染拡大を防いだ最大の理由であったと言っていいと思います。
(序章 信頼をデジタルでつないだ台湾のコロナ対策)
「公共の利益を達成する」という考え方と、自分と他人を比べてどちらが優れているかを判断しようとするのは、まったく異なる二つの概念です。隣の人よりも少し上手にできたことに達成感を求めるよりも、隣の人と協力して社会問題を解決することのほうが、私は喜びの度合いが大きいと思います。
(第一章 AIが開く新しい社会 デジタルを活用してより良い人間社会を作る)
何かを学ぶことができた人は、誰かに教えることもできるのです。「少数の人だけが便利に使っていて、大多数の人は学ぶことができない」という手法では意味がありません。デジタル技術は「誰もが使うことができる」ということが重要なのです。それが社会のイノベーションにつながります。
(第一章 AIが開く新しい社会 デジタルを活用してより良い人間社会を作る)
私か非常に尊敬するプログラマーの先輩がいます。その人は「プログラムをどれだけ上手に書けるかどうかは、母国語の運用能力がどれだけ優れているかにかかっている」「文才があればあるほど、プログラムがうまく書ける」と断言していました。理想的なプログラムを書き上げるためには、頭の中にある概念を文字に変換していかなければいけません。これは文学と同じです。プログラミングのコードと、文学における韻を踏むことが異なるだけです。
(第五章 プログラミング思考 デジタル時代に役立つ「素養」を身につける)
