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あらすじ
「すべての子どもに教育を」と訴え、イスラム武装勢力に銃撃された16歳の少女・マララの手記。本書は、テロリズムによって生活が一変した家族の物語でもあり、女の子が教育を受ける権利を求める戦いの記録でもある。世界24か国で翻訳の話題作!

 

ひと言
パキスタンやイスラムのことを、少しは解っていると思っていた自分が恥ずかしい。
この本は多くの人に読んで欲しい本だ。
巻末に掲載されてあった国連でのマララのスピーチの一部を以下に引用しましたが、
YouTube のマララの素晴らしいスピーチ(17分42秒)も見てください。

 

 

 

 

国連本部でのスピーチ (二〇一三年七月一二日、マララ・デー)

 

 

……。……。
親愛なる兄弟姉妹のみなさん、ひとつ覚えていてほしいことかあります。マララ・デーはわたしの日ではありません。権利を求めて声をあげたすべての女性、すべての少年少女の日です。何百人もの人権活動家やソーシャルワーカーが、人間の権利を言葉で主張するだけでなく、平和、教育、平等という目標を達成しようと、日々闘っています。これまでに何千人もの人々がテロリストに命を奪われ、何百万人もの人々が傷を負いました。わたしはそのうちのひとりにすぎません。ですから、わたしは今日、たくさんの少女のうちのひとりとして、ここに立っているのです。これはわたしの声ではありません。声をあげることのできない人々の声――権利を求めて闘う人々みんなの声なのです。平和に生きる権利、人間としての尊厳を認められる権利、均等な機会を得る権利、教育を受ける権利を、わたしたちは求めます。

 

 

親愛なるみなさん、二〇一二年十月九日、わたしは左の側頭部をタリバンに撃たれました。わたしの友だちも撃たれました。タリバンは、ピストルでわたしたちを撃てば、わたしたちを黙らせることができると考えたのでしょう。でも、そうはいきませんでした。わたしたちが声をあげられなくなったとき、何千人もの人々が声をあげたのです。
 テロリストたちは、わたしの目的を変えさせてやろう、目標をあきらめさせてやろう、と考えたのでしょう。でも、わたしのなかで変わったことなど、なにひとつありません。あるとすれば、ひとつだけ。弱さと恐怖と絶望が消え、強さと力と勇気が生まれたのです。わたしはそれまでと同じマララです。目標に向かっていく気持ちも変わっていません。希望も、夢も、前と同じです。
……。……。
親愛なる兄弟姉妹のみなさん、光の大切さがわかるのは、暗闇のなかにいるときです。声の大切さがわかるのは、声をあげるなといわれたときです。それと同じように、パキスタン北部のスワートが銃だらけになったとき、わたしたちは、ペンと本の大切さに気づきました。「ペンは剣よりも強し」ということわざがあります。まさにそのとおりです。過激派は、本とペンを恐れていました。そしていまも恐れています。教育の力が怖いのです。彼らはまた、女性を恐れています。女性の声が持つ力が怖いのです。だから、彼らは人を殺すのです。最近では、クエッタの罪のない学生を一四人も殺しました。女性教師や、ポリオ撲滅をめざす活動家を何人も殺しました。毎日学校を爆破するのも、同じ理由です。昔もいまも、彼らは変化を恐れているのです。わたしたちの活動によって、平等な社会が生まれたら困ると思っているのです。
わたしの学校の男の子が、ジャーナリストから「タリバンはなぜ教育に反対しているのか」と質問されたことがあります。男の子はとてもシンプルに答えました。本を指さして、「タリバンはこの本に何が書いてあるか知らないからです」といったのです。テロリストは、神様のことを、学校に通っている女の子をただそれだけの理由で地獄に落とすような、心の狭い保守主義者だと思っているのです。
……。……。
言葉には力があります。わたしたちの言葉で世界を変えることができます。みんなが団結して教育を求めれば、世界は変えられます。でもそのためには、強くならなければなりません。知識という武器を待ちましょう。連帯と絆という盾を待ちましょう。親愛なる兄弟姉妹のみなさん、忘れてはなりません。何百万もの人が貧困、不正、無知に苦しんでいます。何百万もの子どもたちが学校に通えずにいます。わたしたちの兄弟姉妹が、明るく平和な未来を待ち望んでいます。
そのために、世界の無学、貧困、テロに立ち向かいましょう。本とペンを待って闘いましょう。それこそが、わたしたちのもっとも強力な武器なのです。ひとりの子ども、ひとりの教師、一冊の本、そして一本のペンが、世界を変えるのです。
教育こそ、唯一の解決策です。まず、教育を。

 

 

 

 

イスラム法では、法廷における女性の証言には、男性の証言の二分の一しか価値がないとされる。そのうち、国じゅうの刑務所が、女性の囚人でいっぱいになった。レイプされて妊娠した十三歳の少女が、レイプだったと証言してくれる男性の証人が四人いないばかりに、姦通罪で投獄される――そんなひどいケースばかりだった。
(第一部 タリバン以前)