イメージ 1 
 
あらすじ
桜は守りをせな、手入れではあきませんのや 桜守りと呼ばれ京都・仁和寺出入りの植木職・植藤の十六代目が語る桜と庭と自然の興味つきない話。

 

ひと言

 

 

佐野 藤右衛門さんの本をもう1冊。来週の3月31日が京都の桜の満開予想日。
下の写真の場所の桜も大好きです。ここがどこかわかるかな?

 

 

イメージ 2

 

 

桜は全部下を向いて咲くんです。ですから中へ入り込んで見て、初めて桜も喜ぶんです。横から見ては、全然あきませんものね。そやから、どんな昔の絵を見ても、みんな、幹のまわりで花見をしてますやろ。花が覆いかぶさってくれるのやから、そこへ入ればいいんです。
 ゴザをしいて、女の膝枕でごろーんと上向いて寝てたら、あれほどええもんはないでっせ。ふわっと包み込んでくれるんです。横から見るのは、ほんまにただ見てるだけで、味わいがないですわな。
(Ⅱ 桜のいのち 花の見方・楽しみ方)

 

 

 
 やっぱり桜は月に引かれるというのか、自然の営みには月が大きくかかわっているみたいですな。ですから桜がいつごろ咲くかは暦を見ていたらわかります。満月に向かって咲きよるんです。北のほうへいくとまた変わりますけど、京都あたりだと、だいたい満月に向かって咲いていきますわね。
平成七年は、四月の一日が十五夜でしたな。そこを目指して、ぐうーっと咲いて、それで一気に春になりました。
(Ⅱ 桜のいのち 花の見方・楽しみ方)

 

 

わしの生き方はやんちゃです。やんちゃっていうのは生きていくための活力ですわ。やんちゃというのは、人に頼らずに、自分の力で生きとるということです。やんちゃと、悪いことをするやつとは全然違うものやからね。
 木でもやんちゃの木のほうがよう育ちよる。それにちょっとやんちゃしている木のほうが使いやすいでっせ。あんまり素直な木は、植えてもおもしろ味がないんですわ。石でもそうでっせ。素直な石やったらおもしろ味がない。味がないんですな。やんちゃの木も石も使い方によって、ものすごくおもしろいものができる。その代わり使うほうに見る目がないとあきませんな。人間もそうです。癖のあるやつを避けたがりますが、そうではなくて癖を利用すればいいんですわ。癖というのは使い方しだいです。同じような人間ばっかり集まってもおもしろうないでしょう。今は使い分けるということが面倒だから、同じような素直な人だけをつくりすぎているんですわ。そのほうが扱いやすいんです。数でかぞえればすみますからな。寄せ植えの庭というのはそういうものです。日本の庭が美しく味があるのは、やんちゃさや癖を生かしているからです。
(Ⅴ 植木職の今日と明日 個性を見抜き個性を生かす)