『怪談青柳屋敷』(青柳碧人 双葉文庫)

 

さすがプロの方だけあって、めちゃくちゃ巧い。

この方、あれですよ。浜村渚の計算ノートの方ですよ。

 

話しの持っていきかたも、見せ方も勉強になりました。

 

あとがき、だったかな。

怪談を楽しめるというのは、怪談を「信じる」「信じない」ではなく、「とにかく話を聞いてやろう」という懐の広さがあるからだということを語っておられて。

 

わかるなぁと思う。

わたしだって怖い話が好きだけど、そりゃあこれって全部を全部信じていないし、龍を見た、とか鳳凰を見た、とかいうのも「ああ、この人にとってはあの映像がそのように見えたのだなぁ」と思いつつも、「ふんふん」と頷いて聞く。

 

というか、最近「はい、論破」がかっこいいと思うやつが増えてきた気がする。

なんでも「白」か「黒」。

「いる」か「いない」か。

 

世の中、複雑。

ふたつには割り切れない。

 

割り切れると思っているのなら。

そんなもん。

幻想だ。