台湾・雲林縣へバスを運行する日統客運が高速バス路線を全路線運休へ | 世界バス轉運站 -アジアの交通総合ブログ-

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今回も前回に引き続き、台湾のバスに関する情報をお届けします。

 

 

  台湾・雲林縣へバスを運行する「日統客運」が高速バス路線を全路線運休へ

台北と雲林縣などの間で國道客運(高速バス)を運行する日統客運ですが、2023年1月31日の運行をもって全ての高速バス路線の運行を停止すると発表しました。

 

↑日統客運発表のプレスリリースへリンクしています。

 

 

日統客運は斗六市に本社を構える郷土のバス事業者として、雲林縣の乗客の足を支え続けてきました。

高速バス路線は台北と雲林縣の斗六、北港、四湖、嘉義縣の民雄(中正大学)の各地域を結ぶ4路線を運行し、このうち台北と民雄(中正大学)を結ぶ7005路については2023年1月15日をもって運行を終え、同路線は統聯客運の運行へと引き継がれています。

残された斗六、北港、四湖へ至る3路線についても引き継ぎのめどが立ち、2023年1月31日に日統客運としての運行を終える運びになりました。

 

 
高速バス路線では車両もVolvoやMAN製といった欧州製の車を多く導入し、安全性の高さをPRしてきたほか、車内もトイレ付のゆったりとした3列シートを装備し、長時間の移動も快適に過ごせる事業者であったと思います。

特に特徴的な車両としてはタイヤが三軸あるバスを積極的に導入した時期があり、ハイデッカーのバスとしては大変特徴的な見た目となっていました。

 

 

台北站や雲林縣各地などのバス乗り場には空調つきの待合室を完備し、乗客が快適にバスを待てる環境を整備しており、顧客を大切にしている様子を伺うことができました。

各乗り場には乗車券の発売窓口が設置され、高速バスの運行時間中はこちらで対面での形で乗車券を発売していました。コンビニでの乗車券発売がされていない事業者であることは不利な点だったと思いますが、乗り場に行けばいつでも乗車券が親切な対面窓口で購入できるという安心感は地元の利用者に喜ばれていたことでしょう。

 

 

 

日統客運の経営が厳しくなったのは台湾高鐵に雲林駅が開業した頃からでした。雲林駅から出ている路線バスに乗り換えることで、台北と雲林縣各地を短い所要時間で移動することができるようになりました。

また、北港方面については高鐵嘉義駅から出ている路線バスや統聯客運の高速バス、斗六方面については従来より臺鐵(台湾鉄道)も利用できる区間で、競合が激しい区間でもありました。

その他、日統客運の台北站は台北駅から少し離れた北門エリアにあり、台北側の乗り場もやや不便にあったことから、台湾高鐵や他社高速バスよりも少し利用しづらい印象もありました。

乗客の多くが高齢者であったとも言われ、高齢者向けの割引運賃が事業者の経営に負担となったことも一因として挙げられており、地方部における若者の人口減少や高鐵開業による新規顧客の増加が見込めない中、COVID-19(新型コロナウイルス)の流行で利用者の減少にさらに拍車をかけ、今回の高速バス全路線の廃止へと至ったものと考えられます。

 

 

日統客運が高速バス路線の運行を停止後、翌日の2023年2月1日からは統聯客運が各路線の運行を引き継ぎます。

なお、日統客運の高速バス路線については一部の行き先について、斗六行きのバスに乗車した後、途中の西螺站でバスを乗り継いで目的地へ行ってもらうという方式にて運行を行っています。

既に1月16日に統聯客運に移管されている7005路についてもこの方式が採用されており、民雄(中正大学)方面へ行かれる場合、台北轉運站から北港行きの1633路に乗車し、西螺站で民雄行きの7005路のバスに乗り換えるという形になっています。

2月1日から移管される路線についてもこのような乗り換えで目的地へ向かう方式がとられる行き先もあると考えられますので、今後、統聯客運が発表する情報をご確認の上で利用するようにしてください。

また、北港へは既に統聯客運が1633路が台北~北港間を直通運行していますので、こちらの路線が将来的に受け皿となる可能性も高いと思います。もし受け皿とならなかった場合でも1633路は統聯客運の路線として運行されますので、今後2月1日以降、台北~北港間を高速バスで移動したいという場合は1633路を利用するのも便利かと思います。

この他、台北~西螺間では國光客運の路線も利用できます(1838路等)。こちらもあわせて活用してみてください。

 

 

 

日統客運では雲林縣内で一般公路客運(一般路線バス)も運行しています。

斗六~六輕間を運行する7011路、及び西螺~麥寮間を結ぶ7012路の2路線です。

この一般路線バス2路線については、2月1日以降も日統客運が引き続き運行を行います。

今の所、路線免許が到期までは現状維持で運行するとしており、それ以降については雲林縣政府などとの協議の上でその後の運行について決める見込みとなっています。

当面の間、7011路及び7012路の2路線はダイヤや路線に変更なく運行されますので、雲林縣へのご旅行の際にはご利用をおすすめします。

 

台湾を含めたアジア各国では特に都市間を結ぶ高速バスや市外バスといった路線がCOVID-19(新型コロナウイルス)の流行により大きな打撃を受け、運行停止や減便に追い込まれています。

皆様もぜひ各国を訪れた際の都市間移動にはバスや鉄道などの公共交通機関を積極的に利用していきましょう。

 

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