座席の4割が撤去!?大幅に座席が少なくなったJR九州の813系に乗ってみた | 世界バス轉運站 -アジアの交通総合ブログ-

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今回は九州で問題となった車両について取り上げたいと思います。

 

先日、九州の新聞社である西日本新聞のコーナーにこのような投書があったようです。

 

 

JR九州が運行している一部の車両において大幅に座席が削減された車両があり、仕事帰りに座れなくなったという読者からの投稿のようです。

 

今回問題になった車両は福岡県内などを中心に運行しているJR九州の813系という車両で、福岡県内の鹿児島本線、日豊本線を中心に、福岡・北九州・佐賀エリアの電化区間で幅広く使用されている車種です。

赤と黒の前面と銀色の車体を持ち、福岡県内などにお住まいのJR利用者であれば確実に一度は見たことがある車両だと思います。

この車両の車内がどのように変わり、どれだけ座席が少なくなっているのでしょうか。私は以前、実際に座席が削減された813系に乗車したことがありますので、その様子を紹介したいと思います。

 

 

こちらが座席が削減された813系の車内の様子です。

各車両ドアが3か所ありますが、ドアの間の座席数は3列6席が両サイドに並んでいる形で合計12席と確かに非常に少なく感じられます。

座席を少なくした分、ドア付近のスペースはとても広く取られており、乗降をスムーズに行えるという点では改善が見られるものの、着席サービスは明らかに低下しており、乗車時間、距離が長い人にとっては死活問題であるとも感じられます。

私が乗車したのは日中の普通列車でしたので座席が埋まるほどの混雑は見られませんでしたが、2人がけの座席は各車両に4か所しかなく、その他は4人がけの向かい合わせとなっているため、このご時世ということもあってか4人がけの座席は避けて、立っておられる方の姿も見られました。

 

 

比較としてこちらが座席を削減していない813系車両の様子です。こちらの車両もまだ半数程度残っていて運用されています。

座席を削減していない車両はドアの間の座席数が5列10席が両サイドに並んでいる形で20席確保されており、座席が削減された車両と比較すると8席も多くなっています。

2人がけの座席も12~16か所程度ありますので座席を削減された車両の4か所に比べると圧倒的に多く、車両によってはドア間の全ての区画が2人がけの前向きの座席というケースもありました。

これだけ座席数が違うと、鉄道に詳しくない乗客でも明らかに座席数が違うと一目で気づくことでしょう。

一方、ドア付近のスペースは決して広いとは言い難く、特に博多駅周辺の乗客が多い区間では乗降がスムーズに行えないというデメリットも抱えていたようです。着席サービスを維持することと乗降をスムーズにすることの両立が難しい状況なのは感じることができました。

 

 

こちらは同じJR九州で運行されている811系という車両のリニューアル車です。この車両もかつては813系のような前向きの座席が並ぶ車両でしたが、リニューアル車については座席を横長のロングシートへ改装し、乗降をスムーズに行えるように改善を行いました。

この車両のドア間の座席数は10席が両サイドに並ぶ形の合計20席で、813系の座席撤去前と同じ座席数が確保されています。

前へ向いて座ることはできなくなりましたが、座席数と立席のスペースを両方確保し、乗降もスムーズに行える形に改めたという点では完成度の高いリニューアルであると言えるのではないかと思います。

この他、JR九州では福北ゆたか線などを運行している817系にもこのように横長のロングシート配置に座席を変更する改装工事を順次行っており、同型を運行している鹿児島・宮崎地区、長崎地区にも同様の改装車が登場しているようです。

 

今回の813系の座席削減問題、皆様はどのように感じられましたでしょうか。

先にも述べたように着席サービスが低下するという乗客にとっては大きな問題がある一方、博多駅周辺などでは従来の座席配置では乗降がスムーズに行えず、遅延の原因にもなってしまうという問題も抱えています。

着席サービスを求めるのであれば特急列車を利用するという方法もありますが、鹿児島本線では久留米より南の方の特急列車の運行がなくなり、また多くの特急が通過する海老津、福間方面の利用者はそういうことをするわけにもいきません。

また、2022年4月1日からはJR九州の特急料金が値上げとなり、短距離での特急利用が今までのように気軽にすることが難しくなります。

実際に利用者から不満の声が出ているということを考えると、着席サービスをないがしろにすることは比較的車社会が発達している福岡地区では利用者の減少につながることも懸念されます。

私個人の意見としては、日々利用する乗客の声に真摯に向き合い、811系リニューアル車やその他のロングシート車などをうまく活用した、着席サービス確保と乗降をスムーズに行えるような形を両立させる運用を検討したり、中長距離利用者が多い列車や乗降に支障をきたさない地方部を運行する列車に座席数の多い列車を投入するなど、一方的に座席を減らすだけでない改善をお願いしたいところです。

 

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