前回、名古屋～伊勢市、鳥羽間で運行されているJRの快速みえを紹介しましたが、今回は対抗する近鉄の列車を紹介しましょう。
今回紹介するのは近鉄名古屋線の急行電車です。近鉄名古屋線の急行は近鉄名古屋と伊勢方面の間を運行しており、伊勢志摩方面への観光利用にも便利な列車です。
本数がJRの快速みえよりも多く、運賃もJRより安価であるため、待ち時間も少なくリーズナブルに四日市、津、伊勢方面へ移動することができます。
地元の方にも気軽な移動手段として利用されている近鉄名古屋線の急行電車について今回はたっぷりと紹介したいと思います。
近鉄名古屋線の急行電車は名古屋側の始発終着駅は早朝深夜を除き近鉄名古屋でほぼ統一されていますが、伊勢側の始発終着駅は複数あり、伊勢中川行き、松阪行き、宇治山田行き、五十鈴川行き、鳥羽行きの5つの行き先が運行されています。
鳥羽行きは非常に本数が少ないですが、その他の行き先はまとまった本数があります。日中は主に毎時3本の運行便のうち、松阪行きが2本、五十鈴川行きもしくは宇治山田行きが1本という運行形態になっています。日中の名古屋駅毎時01分発の松阪行きは終点の松阪で伊勢市方面の急行電車、快速急行電車などに接続していますので、毎時2本の電車が伊勢市方面へのアクセスに利用することができます。さらに伊勢市や宇治山田からは鳥羽、賢島方面の電車へ乗り継ぐこともできます。
朝夕を中心に運行される伊勢中川行きの急行電車も終点の伊勢中川で松阪、伊勢市方面の急行電車等に接続しています。
この他に津新町行き、四日市行きの急行電車もありますが、この2つの行き先は伊勢方面への利用には適していません。
停車駅は名古屋を出ると、近鉄蟹江、近鉄弥富、桑名、近鉄富田、近鉄四日市、塩浜、伊勢若松、白子、江戸橋、津、津新町、南が丘、久居、桃園、伊勢中川、松阪、宮町、伊勢市、宇治山田、朝熊、池の浦、鳥羽の順に止まります。なお、急行電車は原則として途中の駅で1回以上特急列車の通過待ちがあります。
先に説明したように近鉄名古屋線の急行電車は毎時3本程度運行されており、近鉄名古屋発は朝5時30分～22時頃まで運行されています。22時30分頃以降の急行は津新町行き、四日市行きとなりますので、伊勢方面へ行くことはできません。
近鉄名古屋線の急行電車は主に6両編成で運行されており、鳥羽方の4両にはクロスシートの車両が多く使用されています。
いくらか車両のバリエーションはありますが、主力として使用されている車両は3扉の転換クロスシートの車両で、進行方向を向いて座ることができます。テーブル等はありませんが、窓枠は飲み物程度が置ける広さになっています。
転換クロスシートの車両以外にも通路を挟んで2人がけの座席が並んだL＆Cカーもあります。この車両は朝夕には中向きのロングシート状態に固定されることもありますが、日中は基本的に前向きのクロスシートの状態で運行されています。
この他、中向きの長椅子が並んだロングシートの車両もあります。6両編成のうち、名古屋方の2両はほぼ確実にこのロングシートの車両が連結されていますので、短距離利用などの際はこちらの方が楽かもしれません。
どの座席タイプの車両も6両編成中、1か所以上はトイレがありますので安心して利用できます。
最後に運賃やお得に利用できるきっぷを紹介します。
近鉄名古屋線の急行電車は乗車券のみで乗車することが可能で、ICOCA、Suica、PiTaPa、TOICAなどの交通系ICカードが全ての区間で利用可能です。運賃は名古屋から松阪まで1290円、伊勢市＆宇治山田まで1470円、鳥羽まで1750円です。
JRが発売している快速みえ得ダネ4回数券よりはやや割高になりますが、普通運賃で比較するとJRより300～750円程度安く、いつでもお得な運賃で利用できます。
また、近鉄では2021年2月26日までの前売限定で近鉄全線3日間フリーきっぷが大人3000円で発売されていますので、期間中に鳥羽までを往復する際はこのフリーきっぷを購入した方がお得になるほか、近鉄線内を何度か乗降して名古屋から伊勢志摩方面を往復する際もこのフリーきっぷがお得で便利です。
近鉄名古屋線の急行電車は名古屋から伊勢市まで1時間40分程度と快速みえと比較すると10分ほど所要時間が長くなりますが、本数も多く、さらにいつでも安い運賃で利用できるのが魅力です。
交通費を安く上げて、伊勢志摩方面への旅行を存分に楽しみたいという方は近鉄の急行電車を活用しての旅行を計画してみてはいかがでしょうか。
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