クリスマス特別企画! 臺鐵(台湾鉄道)2020年12月ダイヤ改正!~さようなら普快車~ | 世界バス轉運站 -アジアの交通総合ブログ-

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今回もクリスマス特別企画として、こちらの話題をお送りします。

 

2020年12月23日、臺鐵(台湾鉄道)ではダイヤ改正が行われました。

今回のダイヤ改正では台湾を一周する「環島鐵路」のうち、非電化で残されていた南廻線の枋寮~知本間が電化され、臺鐵では支線以外の全ての路線が電化されたことになります。

これに伴い、枋寮~台東間で毎日1往復運行されていた普快車が廃止され、普快車の定期列車が臺鐵から姿を消すことになりました。

観光客にも人気があり、台湾人からも外国人からも注目を集めていた臺鐵の名物列車が廃止され、最後の運行日には多くの鉄道ファンや観光客で賑わったようです。

そんな臺鐵の普快車ですが、私も何度か移動時に利用しましたので、その記録を改めて振り返りながら紹介していきたいと思います。

 

 

普快車は機関車が客車を牽引するという形の懐かしいスタイルでの運行で、客車は主に3両連結されていました(混雑時などは増結あり)。

客車もとても古い見た目をしており、外観だけでも何かそそられるものがあります。

 

 

客室内へ入っていきます。ドアは自動ではなく、ドアを手で開ける手動式なのも特徴です。

座席は2人がけの回転式クロスシートが並び、進行方向へ向けて座席を回すことが可能です。リクライニング等の設備はなく、あくまでも優等列車ではない、普通列車の位置づけで使われる車両であることを感じさせられます。

 

 

普快車にはエアコンが設置されていませんので、窓を開けたり、天井の扇風機を回したりして暑さをしのぎます。

幸い、海沿いを走る区間が多いこともあって、風がとても気持ちよい列車でもありました。

運賃はエアコンが設置されていないこともあって區間車より割安な設定になっているのも特徴です。ICカードで乗ると最低でも區間車運賃を収受され損をしてしまいますので、事前に紙の乗車券を買って乗る方がお得でした。

 

 

普快車の最前部、最後部のデッキは棒状の柵が設けられているだけで、風を感じながらの後面展望を楽しめるのも魅力的な所でした。

 

 

一方、最前部のデッキからは迫力ある機関車のエンジン音を間近に感じられることができました。トンネル内に入ると先頭の客車内はディーゼルエンジンの音が響き渡り、会話をするのもままならないほどの轟音になっていたのも今ではよい思い出です。

 

 

普快車は毎日1往復運行されていましたが、このうち枋寮発台東行きの3671次は観光客が多い列車で、車内が混雑したり、落ち着かないことも多くありました。

一方、台東発枋寮行きの3672次は観光客も少なく、車内も比較的空いていましたので落ち着いて普快車の旅を楽しむことができました。台東駅で買ってきたお弁当を広げ、海岸線を眺めながら少し早い夕食を食べるのもまたおつなものでした。

 

 

3672次は季節によっては途中から日没になってしまいますが、懐かしい夜汽車の雰囲気を楽しむこともでき、最後の枋寮駅到着まで本当に楽しいひとときを過ごすことができる列車であったと思います。

 

普快車の定期運行は12月22日をもって終了してしまいましたが、残った普快車の車両の一部は今後リニューアルが行われ、臨時列車などで活躍することが決まっています。普快車の車両自体は今後も各地でお目にかかることがあることでしょう。

 

 

なお、枋寮~台東間ではダイヤ改正以降も日中に區間車の運行が行われています。

こちらは復興號客車での運行となっているようで、引き続き南廻線では客車列車の旅を楽しむことが可能です。

復興號客車は冷房つきですが、簡易リクライニングシートを搭載し、ドアも手動であることからこちらも懐かしい雰囲気を楽しめるのではないかと思います。

 

 

ディーゼル車両の自強號については今後もしばらくは残る見込みですが、今回の南廻線の電化によって普悠瑪號を始めとした電車タイプの自強號が南廻線にも乗り入れるようになりましたので、今後徐々に姿を消していくことになりそうです。

時刻表検索などでは「柴聯自強號」と表記されているのがこちらのディーゼルの自強號で、日によっては通常の自強號よりも運賃が少しお安くなっていますので、機会がありましたらぜひ乗り納めをされてみてはいかがでしょうか。

 

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