台北市 南港轉運站西站(南港高速バスターミナル)の続きです。
南港轉運站西站(南港高速バスターミナル)からは花蓮行きの1663路に乗車して花蓮へと向かいました。
南港から花蓮へは統聯客運の運行する1663路と、台北客運の運行する1071路がありますが、今回は1663路を利用しました。
1663路は統聯客運が単独にて運行する路線で、原則として全ての便が3列シート車で運行されているのが売りのひとつです。
1663路は南港轉運站西站の3番乗り場から発車します。
1663路はICカードで直接乗車することはできませんので、乗車前に必ず乗車券を購入する必要があります。乗車券は3番乗り場のすぐ後ろにある統聯客運、台北客運の共同窓口にて発売しています。
また、1663路の乗車券は台湾の主要コンビニ(セブンイレブン、ファミリーマート、Hi-Life、OKマート)のマルチ端末でも購入することができます。
自身で端末を操作して乗車券を購入してレシートを発券した後、10分以内にレジにて代金を支払うことでレジにて乗車券が発券されます。
コンビニでの購入ではシートマップから好きな座席を選択できる一方、コンビニ発券手数料がかかりますのでご注意ください。
多くのコンビニではコンビニでの乗車券購入で飲料の割引キャンペーンも行っていますので、あわせてチェックするとよいと思います。
車内はドア側から1列+2列配置のゆったりとした3列シートとなっていて快適に移動することができます。
車内中央の階段を下りた所にはトイレも設置されており、長時間の乗車でも安心して利用することができます。
座席脇の肘掛下にはUSB充電ポートが完備されているほか、車内ではフリーWiFiも利用することができます。
また現在、1663路の乗客には無料にてミネラルウォーターが1本プレゼントされます。乗車後に運転手が各座席を回って配布します。あわせてシートベルト着用のチェックもしますので、必ず出発までに着用するようにしてください。
バスは定刻の9時35分に南港轉運站西站を発車しました。発車するとすぐにトンネル内での火災や事故の際の避難に関する安全ビデオが流れ始めます。これは雪山隧道を通る高速バスにおいて放映することが義務付けられているものです。
また、座席前のポケットにも非常口や非常時の安全設備などを示したリーフレットが入っています。
南港轉運站西站を出発したバスは南港展覧館方面へと進み、南港展覧館裏の出入口から環東大道南港聯絡道(快速道路)に入ります。
その後、南港交流道からフォルモサ高速公路(國道3號)に入り、すぐ先の南港系統交流道からは北宜高速道路(國道5號)に入り宜蘭方面を目指します。
しばらくは新北市の山間部を通り、いくつかのトンネルを通過した後に雪山隧道に入ります。
雪山隧道を抜けるとバスは宜蘭縣に入っています。この路線は宜蘭地区の各バス停には止まりませんので、頭城、宜蘭、羅東の各インターチェンジはスルーして高速道路を南下していきます。
蘇澳服務區(蘇澳サービスエリア)の横を通過するとまもなく北宜高速道路の終端である蘇澳交流道に到達します。
ここからは下道に入ります。
新馬駅の先で臺鐵の線路を越え、先にある突き当たりの交差点を左折して台9線(国道)に入ります。
この先、バスは蘇澳新駅と蘇澳駅の間あたりにある「蘇澳國中」バス停に停車します。こちらのバス停は花蓮行きでは花蓮方面への乗車専用となっており、台北方面から乗車した場合は降車することはできません。
今回は乗車する方はいませんでしたので、徐行して通過となりました。
蘇澳國中を通過するとすぐ先で右折し、いよいよ2020年1月に整備された蘇花公路の区間に入ります。
右折してすぐに蘇澳隧道を通過し、トンネルを抜けると高架道路が整備された区間をスイスイと走ります。
臺鐵の永樂駅のそばを通過し、東澳隧道を抜けると東澳駅北側にある交差点にぶつかります。
この交差点を右折して山の方へ進むとここからは峠道の区間となります。
蘇花公路はあくまでも国道であり高速道路ではなく、海と山の間の険しい自然環境の中に道を整備したこともあり、道が狭い所もあります。
東澳からはカーブの連続する山道となり、速度制限15km/hの中、慎重に山を登っていきます。大型車の通行に支障がないように極力道幅を広く取ったり、ガードレールの整備などを行いましたが、大型車同士の交換ではそれなりに譲り合いながらの走行となります。
海側の車窓からは時より美しい海岸線を眺めることができ、この路線の絶景ポイントのひとつと言えます。
長い上りが終わるとトンネルを通過し、ここから先は下り坂となります。
下り坂もカーブの連続となっており、引き続き速度を落として慎重に進んでいきます。
下り坂では今度は山側の景色が開けて見えるようになり、眼下に美しい大自然を眺めながらの走行となります。
連続する急カーブを難なくクリアし、山のふもとまでたどり着きました。
山を下りるとふもとは南澳地区となっており、バスは南澳駅のそばを通過した後、再び新たに整備された高架区間へと入ります。
しばらく進むと下から臺鐵の線路が現れ、鉄道の線路と並行するようにかかる南澳北溪景観橋を通過します。
臺鐵の線路と並行するように小さな橋もひとつかかっており、恐らくこちらは臺鐵の旧線の橋ではないかと思われます。
臺鐵の武塔駅付近まで鉄道と並行するように高架を走った後、トンネルへと入っていきます。
この先は長いトンネルが連続する区間となり、各トンネルでは雪山隧道並の安全対策が取られています。
長いトンネルを抜けると和平溪(大濁水溪)を渡ります。渡り終えた先で道路は大きくカーブし、臺鐵の線路を越える形になます。
橋を渡り終えた先にある交差点を左折し、バスは和平地区を通過していきます。
和平地区を過ぎると全長4.8kmもある中仁隧道を通過します。トンネルを抜けると卡南橋を通過して和仁地区に入ります。
和仁駅は貨物のヤードが広がっており、切り出した石などを貨物列車で運んでいるようです。
和仁地区を過ぎると再び3km弱あるトンネル(仁水隧道)に入ります。
トンネル内は広く取られていますが、大半のトンネルが片側一車線で避難用の通路や緊急車両の待機場所などを確保しているようです。
仁水隧道を抜けると海沿いを迂回してきた旧道との交差点へとぶつかりました。危険物などを積んでいる車は今も旧道へと迂回する必要があるようです。
この先は清水断崖と呼ばれる断崖絶壁の続く区間となります。山側も落石の危険があるため、一部の区間はシェルターで覆われています。
トンネルは切り立った岩肌を固めたような形になっており、このあたりの道の建設、改良は非常に難工事であったようです。
清水断崖は景色の良さから観光地にもなっているようで、道中には展望台もありました。
バスの車窓からも美しい海岸線の景色が広がります。
バスは引き続き切り立った岩肌と入り組んだ海岸線との間を走ります。カーブも多く、このあたりも速度を落として走行します。
清水断崖を過ぎ、長いトンネルを通過するとバスは花蓮市祟徳地区へと到達します。ここからは花蓮客運の路線バスも運行されている区間となり、比較的平坦な道が続きます。
祟徳地区を過ぎると太魯閣大橋を渡り、バスは新城方面へと進んでいきます。
橋を渡り切ると太魯閣渓谷方面からの道と合流した後、臺鐵の線路を越えて新城駅前へと続く細い道へと入ります。
そしてバスは南港から2時間35分ほどで新城車站(新城駅前)に到着しました。
新城車站では10分ほどの開放休憩が取られました。近くにコンビニなどはなく買い物はできませんが、駅にあるトイレなどを使うことができました。
休憩を終えて新城車站を発車すると、バスは再び蘇花公路へ戻って花蓮方面を目指します。
この路線はこの先の北埔站にも停車しますが、この便では降車の方がいなかったため通過となりました。
北埔站の次は終点の花蓮車站となります。花蓮航空站(花蓮空港)のそばを通過した後、一度臺鐵の線路を越えて駅と反対側に出ます。
線路を越えた少し先で左折し、再び臺鐵の線路を越えて花蓮駅側に戻ります。
花蓮駅そばにある臺鐵の車両基地のそばを通り抜けていくとバスはまもなく終点の花蓮車站に到着となります。
そしてバスは南港から3時間10分ほどで終点の花蓮車站に到着しました。
花蓮の降車場所は花蓮駅前のロータリー内にある降車専用バス停となります。花蓮客運のバスターミナルも近く、鉄道や路線バスへの乗り継ぎには便利です。
なお、南港行きの乗り場はこちらではなく、駅から少し離れた道路沿いにある専用バス乗り場からの発車となっていますのでご注意ください。
余談ですが、南港からのバスが到着した少し後に台東行きの鼎東客運の路線バスが発車していきました。
台北から花蓮を経て台東方面へもバスを乗り継いでいくことができますので、興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
台東行きは花蓮13時10分発の1本のみが運行されています。
なお、鼎東客運の台東行きは花蓮客運のバスターミナルではなく、花蓮客運のバスターミナルとは駅のロータリーを挟んだ反対側、太魯閣客運や羅東行きの201路が発着するバス停側からの発車となりますので、お乗り間違いのないようにご注意ください。
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