1日の地震
我が家は幸い全員無事でした。
 

今回、心が痛かったこと
「地震発生時ふきが一人でいたこと」

お昼にパパさん実家へ
年始の挨拶に行って一旦帰宅。
4時頃に夕飯の買い出しに
近所のスーパーへ。
スーパーインドアなふきは
誘っても、いつもの笑顔で
「いかんでーす」

店内に入って程なく
最初の揺れがありましたが
警報も鳴らないし
すぐに収まると思っていたら
揺れは段々と強くなって
見上げると店内の吊られた
エアコンが今にも落ちそうな程に。

パパと顔を見合せることもなく
「帰ろう!」
「ふきのこと行かなきゃ!」

歩くことも難しいほどの揺れで

途中、陳列棚から

ものが降ってきて

危うくぶつかりそうになりましたが
とにかく必死で走って
車に飛び乗って家に向かいました。

うちは海から数キロです。
避難することはもう決めて
でも、すでに家の方から
逃げていたであろう車にすれ違うと
家の方はもっと揺れていたのか?
ふきは大丈夫なのか?

もう遅すぎたのか?
気持ちは焦る一方で
いつも5分もかからない道も
もっともっと長く感じられました。

私が車を停めている間
先に降りたパパさんが玄関に立つと
ふきが鍵を開けてくれたそうです。
私が見たふきは
涙を堪えている表情で
両手いっぱい広げていました。

ふきをしっかりと抱きしめ
私も泣きそうになるのを堪えて
「一人にしてごめんね」
「もう大丈夫だよ」
出来るだけ明るく声をかけて
ふきを車に乗せて
非常持出し備品や
寝袋・防寒具も出来るだけ積み込んで
火元の安全確認だけをして
すぐに家を出ました。

行き先は分からないものの
とにかく出来るだけ高い方へと
山を登ると、渋滞が始まって
結局、山頂付近の公園でやっと駐車できました。

ふきをこれ以上怖がらせたくない
とは思いながらも、
でも情報は得なくてはいけないし
暖房も切りたくはなかったので
エンジンはかけたままにしました。
避難してすぐにスタンドに寄っていたので
燃料の心配がなかったのは幸いでした。

結局、地震から5時間程経って下山。
帰路もまた渋滞していたので
10時過ぎに帰宅しました。

改めて室内を見ると
壊れたものはないものの
かなり棚の上の物は落下していて
大きなものをしまってある部屋は
荷崩れして邪魔をしているのか
扉が開かなくなっていました。

その日は、交代でシャワーだけして
またブレーカーを落として
6時間近く経っていたので
冷凍庫のものが溶けはじめていて
それらでの夕食をとりました。

 

それから数日は

いつでも避難できるよう

物資を再度整備して

電気は各所つけたままにして過ごしました。

余震のたびに怖がるふきに

「ふきが守ってくれた家だから強いよ。

 大丈夫。ふきのおかげだよ」

と明るく力強く声をかけていました。

誇らしげな笑顔が救いになりました

 

今回、犠牲にあわれた方の中には

正月で帰省中なため、

これが平日だったら・・・

という思いの方も多くいらしてる中で

こう言うのは不謹慎なのかも知れません。

でも、我が家にとっては

家族が一緒に居られたのは幸いでした。

だからこそ、ほとんど一緒に居た期間で

ふきが一人でいたあの時に地震が起きたこと。

ふきを一人にしたこと、

ふきに怖い思いをさせたことが

悔やまれてなりません。

ふきはあの激しい揺れの中

どれだけ怖かったか?

一人でどうしていたのか?

可哀想で、申し訳なくて・・・ショボーン

 

今、ここが悩みどこです。

将来のためと、これまで

ふき一人でいる訓練として

留守番をさせてきたけど

もう今後はさせられない・・・という思い。

そしてもしその時がまた来た時のため

今回のことをもっとふきと話合って

教えて、備えておくべきとの思い。

一方トラウマを与えたくない、

だから地震のことには、これ以上

触れない方がいいのか?

という思い・・・

今までそれほど意識していなかった

ふきに知的障害があることの重みが

重要な課題になっています。

 

ただ今回、ふきは玄関にいました。

そしてパパによると

ふきは一人ですでに靴を履いていたそうです。

そして、一人で家から飛び出したりせずに

辛抱強く、パパとママが帰ってくると

信じて待っていました。

 

これは学校での避難訓練のお陰でしょう。

年に何度も、色んな種類の訓練を

繰り返ししていただいて

ふきの身体に染みついていたのでしょうね。

 

まだ答えはだせずにいますが

ふきなら大丈夫

ふきを信じてみよう

そう思えてもいます。

 

今生きていること、

家族一緒にいられること

暖かい場所で

暖かい食事がとれていること

清潔なベッドで眠れること

あらためて幸せな日々だと

感謝すべきだと感じています。

 

お手伝いの皿洗いも
丁寧に上手にできます。