見えない未来に

望みは抱かず

不確かな自分に

期待はしない

痛んだ心を

労りながら

人知れず

静かな日々を

過ごしたい

疲れた想いに

囚われるのは

夏の暑さの

せいだけだろうか

狭い路地を抜け

短い橋を渡ると

大きな公園

春は桜

秋には銀杏が

迎えてくれる

かたわらに広い川

とうとうと流れる

水面を眺め

心と話せば

全て受け入れられる

深い哀しみまでも



遊具の辺りから

幼い子供らの

笑い声が届く

芝生の広場で

大きく寝ころび

大空仰ぐ

澄んだ青の中

白い雲が流れる

風に吹かれて

心を開けば

全て許すことができる

自分の愚かささえも

次の列車がホームに着いたら

君はこの街から離れて行く

若すぎたなんて思いたくはない

自信がなかったからなんて

言い訳にもならないね

君を深く傷つけた

そのことに変わりはないから



アナウンスの声が到着を告げる

君は背を向け何も言わない

二人の日々がうれしいばかりで

全てを捧げたつもりでいた

愛していたのは本当だけれど

今頃やっと気づいたよ

甘えていたのは僕だったんだ



ベルが終わって列車は動き出す

君は一瞬振り向いた

怒っているのか泣いてるのか

見たことのない眼差しが

虚ろな心に突き刺さる

君を見送る最後の列車

レールの響きが消えていく