入浴のよくある疑問
沸かしたての一番風呂は気持ちがよいものです。しかし、実は一番風呂には気をつけなければいけない点もあります。一番風呂が身体に及ぼす影響と気をつけるべき点を紹介します。

一番風呂は、場合によって体に悪影響を及ぼすことがあります。
一番風呂とは
一番風呂は、お風呂にお湯を沸かしてから最初に入るときのことです。他の人が入る前なので、お湯に汚れがなく気持ちよいのは確かなのですが、実は場合によって体に悪影響を及ぼすことがあります。
一番風呂が悪影響となる原因
一番風呂が身体によくない影響を与えるとされている理由は主にふたつあります。
お風呂と浴室の温度差
水温に対して室温が温まりきっていないことが多く、寒暖の変化が激しくなっている場合があります。脱衣所や浴室の室温が低いのにもかかわらず、急に高い温度のお風呂に入ってしまうと、循環器系(血管や心臓)に大きな負担をかけてしまいます。
もし、動脈硬化などを抱えている場合、血管がもろくなっているところに、急な温度変化で血圧が一気に高まると、最悪の場合、脳梗塞や心筋梗塞といった病気につながる可能性もあります。
塩素の割合が多い
きれいなお湯のため、お湯に含まれている塩素が割合的に多く残存している場合があります。塩素は皮脂を除去する作用があるため、皮膚に対する刺激が大きくなります。皮脂は決して汚いものでも、余分なものでもなく、皮膚を保護するバリア的な役割をするものです。そのため、皮脂が除去されすぎてしまうと、皮膚が乾燥したり、外の菌類が付着しやすくなってしまいます。
特に高齢者は入浴剤をいれるなど工夫が必要
皮膚が弱く、循環器の機能も弱まっている高齢者は、一番風呂に入る際は特に注意が必要です。
湯船に浸かる前にシャワーを浴びる
湯船に浸かる前にシャワーを浴びることで体温が上昇するだけでなく、シャワー自体の水温と湿気で、浴室を温める作用が期待できます。浴室温と浴槽のお湯との寒暖差を少なくすることによって、循環器系への負担を軽減することができます。最近では浴室暖房機なども登場しているので、そういった製品を利用するのもよいでしょう。
入浴剤を使う
塩素の割合を少なくするために、入浴剤などを積極的に使いましょう。残存する塩素の割合が少なくなるため、皮膚への刺激が少なくなるほか、湯冷めしづらくなったり、保湿するといった効果も期待できます。
高齢者だけではなく、肌が弱い人や循環器系に病気を抱える人なども、一番風呂には注意が必要です。高齢者向けの対策がそのまま適用できるため、しっかりと注意を払いましょう。